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紙の本

単なるゴミ問題糾弾モノとは異なります。

2001/02/07 12:08

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投稿者:岡埜謙一 - この投稿者のレビュー一覧を見る


 宮崎学さんの名前を初めて知ったのは、写真集『けもの道』(共立出版・絶版)だった。いまからもう20年も前になる。地元・伊那谷の山中に赤外線で感知するカメラを仕掛け、そこを通る動物たちを撮した写真集だ。たとえカメラ任せだったにせよ、その発想はとても斬新で、撮影された動物たちの姿もいきいきしていた。続いて平凡社から発行された『鷲と鷹』『フクロウ』など、その仕事ぶりには目を見張るものがあった。これらは私の貴重な蔵書になっている。その後も宮崎さんの活動はいっこうに衰えてない。しかし一般に写真集というものは、読者が考えるほど部数が出るものではない。ベストセラーになるのはごく一部のアイドル写真集くらいだ。なかでも野生動物の写真集というものは極めて労多くして、報われるところの極めて少ないものだ。なまなかな決意で始められるものではないし、長く持続することはさらに難しい。それだけに、名前に馴染みのある写真家の新しい作品を目にすると本当に嬉しくなる。
 ただし本書は新作の写真集ではない。前半は宮崎さん自身の半生を語ったもので、信州伊那谷における子ども時代の動物との関わりや、動物写真を志したいきさつ、「けもの道」から「鷲と鷹」「フクロウ」など一連の作品を完成させる苦労話がいきいきと書かれている。「鷲と鷹」では日本に棲んでいる鷲・鷹16種類すべての撮影をめざし、それを成功させている。野鳥に興味のない人はたった16種類と思うだろう。しかし、それを撮影する側にとっては気の遠くなるような数なのだ。実際、宮崎さんはそれを完成させるのに15年もかけているのだ。これに続く「フクロウ」では、山中に撮影のための小屋を設け、長期間泊まり込んでの撮影だった。
 後半は動物とゴミとの相関関係がテーマだ。鳥の巣に使われている材料に紙おむつを発見したことから、宮崎さんのゴミ捨て場巡りが始まった。人間たちが気軽に捨てるゴミを動物たちがどう活用しているか、生態系がどう変化してきているか、それを執拗に追求しているのだ。宮崎さんは決して、本書で声高にゴミ問題を糾弾しているのではない。しかしここに書かれている内容はかなりショッキングだ。ゴミ捨て場にまかれた殺虫剤のために癌になって全滅したタヌキの群、果樹園に捨てられたリンゴを食べにきて害獣にされてしまったニホンザル、農薬や化学物質が食物連鎖をたどってもたらす影響など、ぞっとするような話も出てくる。一方で、カラスやドバトがゴミをあさるおかげで、結果的に環境のクリーニングに役立っているという事実も書いている。こういった見方は、野生動物と自然界のできごととを冷静に見つめ続けている写真家ならではのものだ。
 もしも本書読まれた方は、ぜひ「フクロウ」や「鷲と鷹」も手にしてほしい。これらはいまだに版を重ねている動物写真の名作だ。

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