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少年の日の夏、青春時代、英国……追憶のなかの懐しい日々に帰る旅。叙情的なスケッチとエッセイで綴られた大人の絵本。
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短いエッセイを集めた一冊。
一つの景色が浮かんでは消えて行く、まさに幻の旅。
落ち着いた文章とスケッチで、一冊通して穏やかな空気が流れている。
40代位?と思ったら実際にそうだったらしく、納得。
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「林望」のスケッチ&エッセイ集『幻の旅』を読みました。
「林望」のエッセイは約4年前に読んだ『帰宅の時代』以来なので久しぶりですね。
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少年の日の夏、ほのかな恋、そしてイギリスで過ごした日々。
40篇のリリシズムあふれる文章と著者自身の手になるスケッチが、幻の旅へと心を誘う。
「林望」が贈る大人の絵本。
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ミステリ作品が続くと、少し、軽い読み物を読みたくなるんですよね… ということで「林望」のエッセイを手に取りました。
■海風
■ひぐらし
■うずくまる都会
■橋からの眺め
■峠道
■雪の夜
■花よりもかなしきものは…
■窓には黄昏
■海のテラスで
■小石の浜
■光る光る
■廃駅
■窓の秋
■朧月夜
■屋上
■池の岸には
■階段の海
■丘の上の町
■プラネタリウム
■竹林
■麦秋
■滴る緑
■視線
■雨上がり
■簾の向こう側
■日も昏れぬ…
■廃屋
■海が見える
■水辺の家
■鐘が鳴る
■海の底
■日没
■山の中で
■誘導灯の記憶
■午後の光の中で
■ベンチで
■風車小屋の朝
■祭の夜
■松林の岬
■黒い森
■並木道
■対話 旅の終わりに
■解説 アイドルからのプレゼント 林あまり
少年の頃の想い出や青春時代、イギリスでの生活等が叙情的なスケッチとエッセイで綴られた作品、、、
イギリス滞在中の体験を活かしてイギリス人の生活や文化について描いた初期のエッセイ『イギリスはおいしい』、『イギリスは愉快だ』、『ホルムヘッドの謎』が大好きなので、それらに比べれば物足りなさがありましたが… 本作品に収録されている『日も昏れぬ…』や『廃屋』は、自分の少年の頃の追憶とシンクロする部分があり印象に残りましたね。
『日も昏れぬ…』の、日暮後の真っ黒でおどろおどろしい山の陰や、
『廃屋』の、人が住まなくなって荒れて主の魂が失われ、怪しい魑魅魍魎のようなものが占拠している家の雰囲気等は、山と川に挟まれた田舎に育った少年時代の記憶… 自分の中の原風景の一部が記憶の底から蘇ってきた感じで懐かしさを感じました。
子どもの頃の記憶って、不思議と色褪せないもんなんですよね… 不思議です。