紙の本
特殊法人改革をうたった傑作
2001/09/02 21:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
道路公団という迷宮を見事に解き明かしてみせた傑作。これが契機となり道路施設協会は分解され消滅。しかしそれは構造改革とは程遠い欺瞞であった。しかし一旦世間に知れ渡ってしまえば、もう官僚の利権構造の防衛は不可能となる。情報の独占こそが彼らの力の全てであり、それがオープンになったとたん彼らの力は消滅する。そして猪瀬直樹は構造改革の委員に任命され、道路公団民営化の陣頭指揮を執る。猪瀬が書いた数ある著作の中でも最高傑作ではないのか。
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日本で一番初めに「特殊法人の欺瞞・財政投融資の腐敗臭」を見つけた人間が綴る『国家の遺書』です。
この本を端に、民主党衆議院議員だった石井さんは国政でご活躍され、結果暗殺されました。その無念さを込めて☆5つ。
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大学2年の時に読んだ本。霞が関の暗部にメスを入れたノンフィクション。これに火がついて小泉首相の行財政改革が断行されて、道路公団は解体されて民営化した。ペンの力が社会を動かした。
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97年発行だが、この20年を見るとここからメスが入ったといえる。
第1部
1章 朝日連峰 (森林の補助金づけ)
2章 長良川河口堰 (河口堰をめぐって、人口の変化と官僚)
第2部
3章 視えないシステム(道路公団のシステム)
4章 兄弟赤字隠匿のからくり(財政投融資の仕組み)
第3部
5章 迷路の世界(公益法人を復活させる)
6章 もう1つの国(特別会計の仕組み)
以上の中で、全てわかっていた仕組みをそのままにしたのは政治の責任だと思える。
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消費税増税が最近の話題なので、税金がどのように使われているか知りたくて本書を読んだ。財団法人、特殊法人、公益法人等がどのように産み出され、巨額の財政赤字がうみだされてきたかが詳細に記されている
身近なところでも"自賠責保険"や"免許更新の際の講習""高速道のSA"は、なんとなく違和感を私自身感じていたが、その違和感がなにかも理解できた。各省庁にぶらさがる財団や法人は、競争もコスト意識もない特殊な閉鎖された社会を作っていて、それがサービスや商品になって表れているからだ。
10年以上前に書かれているが、その後の経過がわかるだけに、今読むのも価値がある1冊。
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日本の官僚機構の罪の部分をえがいた作品。
特別会計をたくさん作り、かたや埋蔵金を蓄え、かたや国債による借金まみれ。
どういう風に行財政改革をしていくか、現場把握するには良い本。発売が1997年で、その頃から問題だったはずが、未だ手付かず。一度見についた借金体質の改善は困難だろう。