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紙の本
マスコミ関係者、必読!日本の言論界史
2005/09/30 17:52
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
「工作社」の社史を書くとして、普通の社史は社員でさえ読まないからと、自らの半生を語りながら、日本の大正・昭和・平成に至る言論界の歴史を活写している。岩波・朝日・NHK・電通を語りながら、日本のマスコミと日本人を語っている。
作家の生き様・原稿料にも触れ、紙屋・印刷屋・製本屋にも触れる。出版も、営業・編集・取り次ぎと触れない分野なしと言っていい。言論に携わる者、携わりたいと思っている者は、必読である。彼の予言は、悲しいかなほとんどが当たる。私は、彼の予言を覆すようなマスコミ人が生まれることを期待するものである。
なお、「解説」(久世光彦)で述べられている『年を歴た鰐の話』は、03年文藝春秋から発行されてしまった。本人の遺言とは思えないのだが。
紙の本
私の岩波物語
2001/03/06 13:55
9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
難解な岩波文庫の文章に悩まされ挫折した苦い青春の思い出をお持ちの方必読!文章が判らないのはあなたのせいではありません。書いている人の文章がわるいせいだと山本翁は喝破されています。本書を読めば青春の古傷が癒されるだけでなく、日本の出版業界・広告業界の歴史も早分かりで頭に入ります。すばらしい本をあなたもよむべし!
紙の本
一度読めば癖になる
2002/06/17 00:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぶちまけた話、山本夏彦氏の著作なら、どれを紹介したってかまわないのだ。なぜなら、平易、明瞭でありながら、かつ、冷徹で頑迷な氏の文章は、一度読めば癖になるから。
帯には「岩波書店を論じて完膚なし」とあるが、本書で論じているのは岩波書店だけではない。講談社、「暮らしの手帳」、電通(!)、筑摩書房などが、「社史」や大正四年生まれの山本氏の達意の筆致で描かれている。
その、妥協も容赦もないが、愛情があるキレのある文章が、快い。
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