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紙の本
女性思想家の先駆者が考察する゛国家゛とは
2012/03/04 01:20
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヨゼフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀に名を残した女性思想家と言えば、アーレントやボーヴォワールの名前をあげる人は多いだろう。 本書の著者エディット・シュタインは、
先述の2人よりも一世代上の19世紀末に生を受けた女性思想家で、現象学で知られるフッサールの愛弟子である。 後年、彼女が修道院へ入ったことからも推察されるように、哲学の研究から出発し、最終的には神学の領域へと足を踏み入れた彼女だが、不幸にもアウシュビッツにて逝去。
日本人には取っ付き難い思想家という事もあり、彼女が日本の学会で注目されるようになったのは、比較的最近の事である。 邦訳された彼女の哲学的
著書は、今のところ「現象学からスコラ学へ」と本書「国家研究」のみであるが(自身の手による小伝等も若干あり)、上記2冊をお読みになられれば、シュタイン女史が、大変頭脳明晰かつユニークな思想家である事がお分かり頂けると思う。
フッサールの弟子は膨大な数に上るが、シュタイン女史をはじめ、ロマン・インガルデンやマックス・シェーラー等優れた思想家でありながら、
我が国思想界では正当な評価を受けていない人物は少なくない。 今後、
シュタイン女史を筆頭に、フッサールの数多の優れた門下生たちが、我が国の思想会で正当な評価を受けられる事を希望する。 その為には、まず彼らの著書の新たな邦訳出版の登場及び絶版本の再販が必要である事は言うまでもない。
20世の最後に聖人になったシュタイン女史の「国家研究」とはどの様なものであったか、興味のある方は是非一読をお勧めしたい。
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