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就寝前のフォトリーディング。中村天風の生涯をまとめたもの。私の知らない天風のエピソードもあって興味深い。特に終戦時の将校らの反乱に天風が直面した場面があったので、明日の朝の高速リーディングが楽しみ。
高速リーディング。上記の箇所は飛ばしてしまったが、どうやら終戦時の陸軍の反乱にその場に居合わせた天風が、反乱将校らに堂々と接し、日露戦の歴戦の勇士の貫禄を見せつけたということのようだ。本書の構成上、なぜ天風とその師のカリアッパとの出会いが最後に描かれているのかは疑問であるが、とても面白い逸話がたくさん載っていた。これらをはじめの方に持ってきたほうが良いのではないかとも思う。下記はp261からの引用で、病気中の天風が師の下記の言葉を思い出してハッとする場面:
「情熱なき人生は、流れなき水に等しい。何の進歩も求めぬ人間は、ちょうど運命や健康を壺の中に入れて、蓋をしたようなものだ」
要するに天風の思想は禅とか瞑想的なものの悟り。このような人間的な努力が神に至ることはないとの聖書の教え通り彼は汎神論のような東洋的、あるいは今で言うところのニューエイジ的な神論に帰結している。面白いがそれは聖書預言のとおり、世界統一宗教への流れである。つまり背後にはこの世の君の影響がある。彼の思想はキリスト者が聖書から読み取るべきもので、キリスト者が読み取っていないことにより「石が叫びだし」彼のような人が出てきていると見るべきだと思う。とにかく神のない点は注意すべきだが参考にはなる思想。面白かったがどの天風本とも違いはなく本人が記したものよりもインパクトは薄いので、星は三つとした。