モンタナ・スカイ 上 みんなのレビュー

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投稿者：きよか　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　大牧場主ジャック・マーシーの死によって、初めて会った３人姉妹達。
　長女は、ミス・ハリウッドを絵に描いたような人物、次女はどこか内気で、人を避けて通るように見え、三女はこの大牧場で父親の冷徹さ、厳しさの中で男っぽく育っていた。
　この母親違いの３人の娘達に、ジャックは遺書でたいへんな試練を与える。
　会ったこともなければ、話したこともない彼女達。だが、１年間この牧場で生活しなければ、雀の涙ほどの遺産しか貰えない。それぞれに不平・不満がたっぷりとある中、同居生活がスタートする。次女にとっては安心できる自分の居場所なのだが…
　最初はお互いを信頼できず、どこかぎこちない彼女達。
　そこへ家畜が殺される事件が起こる！　最初は皆、頭の狂ったハイカーかなんかの仕業だと思い込んでいたが、その後、次々と動物そして人間が殺されていく。
　この連続事件のおかげで、少しずつ互いに接近していく姉妹。そして、牧場生活の中で芽生えていく恋愛感情も、惨殺な時間の中のほっとする一幕だ。
　連続殺人の犯人はいったい…？
　３姉妹の恋の行方は…？
　下巻が楽しみになる１冊です。

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投稿者：亀豆　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　始まりは、ある男の死だった。
彼は死んでなお、人を振り回そうとしていたのか、ただの気まぐれか、妙な遺言を残したのだ。それは、三姉妹が一年間牧場で生活することを条件に、三人に牧場その他全てを与えるというもの。しかも条件を満たさなければ牧場は寄贈するというのだ。

　ハリウッドのシナリオライターを仕事にしていて、華やかで都会の女性である長女のテス。
　繊細で内気。夫から暴力を受け離婚する、という辛い過去をもつ次女のリリー。
　牧場で育ち、勝気で責任感の強いカウガール。しかし、男性のこととなると全く初な末女のウィラ。
　それまで話したこともなく、個性も全く異なる異母姉妹である三人が、
衝突を繰り返しながらも、次第にそれぞれの個性を受け入れ、信頼と愛情で結ばれていくお話である。
　また、三人それぞれに恋のお相手も。
これまた少しずつタイプの異なる男性陣と甘く激しいラブシーンが繰り広げられるのだ。
　そして、忘れてはならないのが、牧場の内外で家畜や動物が殺され、切り刻まれる事件だ。やがてその対象は人間にまで及び…。
　
　三姉妹それぞれの愛の物語だけでは単調かな、というところに、姿をなかなか見せない狂気めいた人物が出てくることで、強弱がつき、面白くなっている。
　残忍で血なまぐさい事件と甘いラブシーンが上手く配されているのだ。

　三姉妹それぞれが魅力的で、三人の愛の物語が同時進行するのにうるさくなっていないのが良い。
　舞台が大自然に囲まれた牧場ならではの描写も雰囲気を盛り上げている。