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ホラーは途中でわけがわからなくなり、読み始めたことを後悔するという事が多い。でもこれは最後までおいてけぼりにならずにこの世界についていけた。自殺や変死の増加。死者が襲ってきたり両性具有。再生。古事記に東南アジアの島々の創世神話。そんなキーワードです。
作者はX文庫で、「津原やすみ」として少女小説を書いていたとか。そっちもかなり評価が高かったようだ。機会があったら読んでみたい。
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謎解きだと思ったらホラーなんですね先生。畳み掛けるようにラスト。主軸二人の描写がエロティックで好きです。
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これの結末って結局どうなったの!?
読者がこの先は想像してくださいってことなのかな…
う〜すっきりしない終わり方でした。
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(2010/02/27購入)(2010/02/28読了)
『少年トレチア』や『バレエメカニック』のように、超現実的な力によって都市が崩壊していく話。
安定感はあった。
砂犬が気に入った。
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両性具有という噂のロックバンド歌手が自殺してから、東京の街には妖しい“死者”たちが跋扈しはじめていた――。
多くの「もの」が行き交う街・東京で、日に日に増えていくおかしな事件や死体の数々。グロテスクにして退廃的な雰囲気が漂う中、それでも日常はあまりに緩慢で、でたらめに美しく、それでいてやるせない。
その「街」の雰囲気を、美しくも危うい狂気で丸ごと包み込んだような物語が本作。東京の至る場所で起こる異変が、多数の人物から何を描いてあるのかわからない抽象画のような手法で語られていく。
東京という大きな舞台に加え、正体のはっきりしないものをはっきりとした輪郭を与えないまま描いているので、非常にまとまりがなく、読み終えるとはぐらかされたような気持ちになることは否めない。
しかし、物語全体に漂う、血が滴るような不気味にして甘美な語り口は、好きな人にとってはたまらない世界だろう、と思った。
退廃的だけれど最先端、進化するそばから腐っていくような物語は、様々なモチーフ――両性具有、黄昏、チェシャ、古事記、e.t.c――と目くるめくような化学反応を見せて、物語の望むままに肥大していく。
お話としてはかなり破綻しているとは思うけれど、細部の雰囲気は酩酊するに十分。
これが単行本デビュー作ということで、筆を御しきれていない感はあるものの、それだけに津原さんの妖しい魅力が炸裂している作品だった。
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なにこれこわい。
津原のデビュー作と聞いて飛びついたのですが、よくわかりませんでした。(褒め言葉)
ラストにも驚愕。えええそういう展開になっちゃうの、って感じです。例えるなら、「エイリアン」の映画のような感じ。
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2章まではよかったが、3章に入りあちこちで起こる奇怪な事件を並列に読ませていき、そのまま終わったあたりが物足りなかった。
おそらく街ではほとんどの人間が気づいていないうちに、様々な怪奇現象が今日も起こっているのだということだと思うが、さすがにラストの、街中描写が延々と続くのはだれる。
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面白かったです。
東京なら、こんなこと起こってるかも!という混沌とした世界が好きでした。
独りで生殖による再生が出来るチェシャ…その娘、雛子。雛子=チェシャ。両性具有といっても、どうやって?とは思いましたが。
神世の神話に連なるところも好きでした。始に居たのはイザナミ、ヒルコと淡島を産んだ後に現れたのがイザナギ、かぁ。。現在の神話は夫唱婦随のために後付け、とか、単純なわたしは信じてしまいそう。
生者と死者の境が曖昧。緑朗を始めとするΦのメンバーや、馨は死んだ、という認識で良いのかな?緑朗の死に方、すごく痛そうで嫌だ。
チェシャは死者を蔓延らせて何がしたいんだろう?よく分からないけれど、惹き付けられるキャラクターでした。
雛子も目覚めたかと思いきや、退行…?
天敵、もよく分からないです。雛子の敵ということなのかな。
とても混沌としていて一読では掴めなかったのですが、妖都のドロドロとしたものが怒濤のように迫ってきて、すごく好きな世界です。
クドが健気で可愛い。洋と悟がこれから妖都を生き抜いて行くのだろうか。