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上岡竜太郎かく語りき 私の上方芸能史 みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.6

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

天才上岡龍太郎

2023/06/27 11:00

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ランディ・B/M - この投稿者のレビュー一覧を見る

上岡龍太郎著となっているが、恐らく口述筆記の形式の本かと思う。しかし、上岡龍太郎独特の論理的で流れるような語り口で、文章より非常に頭に入りやすい。生前のTVなどでも一見屁理屈かもしれないが、彼の口から流暢に話されると、思わず「なるほど」と納得してしまう。この本でも上方芸能史が自分が見聞きしていたように感じるのは、彼の天才たる所以か。ご冥福をお祈りするとともに、彼の活躍を目の当たりにしていたことを非常に幸運に感じた。
合掌

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紙の本

犯罪者の目

2001/05/08 01:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ISHIHARA,Shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

 上岡龍太郎の語り下ろし自伝。「私の上方芸能史」と副題にあるとおり、上方芸能の歴史的資料としても読める。

 古今亭志ん生の晩年のエピソードがおもしろい。
 出番になると、弟子二人が志ん生をかかえて高座に運ぶ。緞帳が上がっても志ん生は喋らない。客席は「あれ、大丈夫なの?ヤバイんじゃないの」という雰囲気。すると、置物状態の志ん生が、「エーッ」とひとこと。客席は「生きてた……」。「これぞ生の喜びですよ。『もうあかんで』と思うてた人が生きてたんです。……ところが、『エーッ』と言うたなり、また志ん生が黙るんです。と、また客席が次の言葉を聞こうと思ってシーンとする。待っていても、しばらく無言です。/「待てよ。あれが最後やったんとちがうか? ひょっとしたら、あれは断末魔の……」/と思ってたら、志ん生が、/「………んぁ」/なんやわからんのやけど、お客はウワーッと盛り上がる」(183頁)。
 ここには、現在主流の「笑い」にはない、ゆったりとした時間が流れている。

 「ぼくの趣味から言うと、犯罪者の目してる、つまり常人やない、人殺してもおかしない目してるやつが、お笑いをやったら行けると思ってるんです」(273頁)。
 そういえば、色川武大が何かのエッセイで書いていたが、ある日、パチンコをしていたら「吉展ちゃん誘拐事件」の速報が店に流れた。そのとき色川武大が思ったのは、「つかまらないで、できれば逃げおおせてくれ」という、犯人に対するシンパシーだったという。色川武大は『なつかしい芸人たち』という本を書いているくらい、芸人に対して思い入れがある人だ。犯罪者=まっとうに生きられない=芸人ということだろうか。芸人になるのと、犯罪者になるのとは紙一重なのかもしれない。

 筑摩書房は、この他にも、古今亭志ん生『なめくじ艦隊』、桂文楽『あばらかべっそん』などの、芸人自伝本を出している。

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2011/09/23 21:35

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2012/12/04 22:40

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2022/06/28 22:31

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2023/06/18 12:33

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