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紙の本

都合のいい女の時代

2009/01/19 22:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公は「OL」でなく「BG(ビジネスガール)」、そういう時代です。建築会社に勤める女性が、妻子ある上司と、偶然再会した若い男との間で揺れ動く過程を描いている。そこに会社の不正経理の問題や、自殺未遂の末に退職した元同僚、女手一つで娘達を育てた母の事情などが絡み、単純に愛だ恋だ、人生だといった側面だけでなく、「現代」における女性像が表れている。戦後の企業社会でビジネスと恋愛という、過去の歴史には縁の無かった世界に放り込まれた女性達が、新たな倫理と処世術を必要としている中に、一つのモデルを提示していたのだろう。かといって作者が斬新な女性像を生み出したと言うよりは、当時の風潮に対して作者なりの論理性を与えたというところではなかろうか。
その根幹にあるのは「愛」というもので、この「愛」至上主義は、それなりに支持されたらしいが。不倫でも、騙されても、DVを受けても、「愛」があれば許容され、また必ず自己肯定が叶うオールマイティな武器。本作でいうような「大人」になる、自己を確立することで、愛のもたらす苦難も不幸も自分の中で解決できるようになるというのは、現実への適応としては有効かもしれないが、同時に男の側からすれば、後腐れ無い「都合のいい女」生産装置でもある。
本書では女の登場人物は、BG→結婚退職して専業主婦という道筋を辿る女と、その途中で挫折して水商売に進む女、の2パターンしかない。そういう勝ち組と負け組とにふるい分けられる競争社会の生き残りゲームを、金と欲の矛盾に満ちた社会を舞台に描いた手腕は相当なものだ。ただ主題のはずの「愛」の姿が、主人公達の内面でどのような形をとっていたのかは分かりにくい。むしろ強靭な「大人」になるためのアイテムの一つとして扱われているようにさえ見える。それは皮肉でもなく、実際に「愛」をそのように捉えている世相をそのまま描いているとも言える。それもまた経済成長の中で変化して行く社会の一断面であると。

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