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紙の本
目白じゃなくて下北沢か
2001/02/10 01:56
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投稿者:飯島玲子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の読んだ小説の舞台が自分の住んでいる街だった。小説中の架空の設定だと思っていた店や場所は実際に存在し、しかも小説家は自分の家のすぐ近くに住んでいた。主人公はその小説家で卒論を書こうとしていたが、その事実を知り、とまどい、空虚な日々を過ごす…。
ネット上で金井美恵子に関する文章を検索していたら「金井美恵子が殺される小説」だという、なんだか恐ろしげなこの「街の座標」を見つけた。
登場する「小説家I」は金井美恵子がモデルである、ということを事前に知っていたので、私は読んでいてとてもドキドキした。私も金井美恵子の小説の舞台が自分の住んでいた街だったり、また自分の住んでいる街の近くだったということがあったからである。細かな施設名や地名で、「もしかしてここは…」と気づいたときの興奮は忘れられない。この「街の座標」の主人公は小説家Iの本を一冊読んだだけで卒論を書くことを決めてしまった。そう、その気持ちもわかった。私は金井美恵子を全て読み込んだコアなファンではない。しかし、最初に読んだ本で「絶対に好きだ」と感じた。金井美恵子が生まれた町を歩き、サイン本を見つけてはうっとりした。
『街の座標』に書かれている主人公の小説家Iへの感情は現実と小説の中で揺れ動く。想像上の小説家Iと人づてに聞くリアルな小説家Iの落差、もしくは一致のために。まるで片思いの中学生みたいだ。主人公の感情の描写は感情移入しにくいけれど、金井美恵子へのねじれた愛のようなものは確かに感じた。
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