紙の本
醒めた彼女がやけに魅力的で…
2001/05/30 05:20
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまた完璧な作品。
久しぶりに実家に帰ったら家族が誘拐されており、自分もまた彼らに誘拐され…というようなストーリーなのですが、主人公である彼女の醒めた人物像は非常に魅力的。昔の革マル派とダブる学生運動、彼女と兄との関係、といった小道具がうまく効いています。トリックの内容はさておき、小説として味わうことのできる一冊。京極夏彦風味でもあり、森博嗣の作家としての熟練と余裕が感じられます。
偶数章のみで語られる物語ですが、こちらを読んでから『幻惑…』を読んだ方が趣き深いかも。もちろん交互に読むという手もありです。
紙の本
すべては曖昧に終わっていく
2001/05/29 12:44
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投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る
森博嗣の文章は、数学的なのにどこかロマンティックな印象を残す。さらには人物描写がくどくど細かいわけではないのになぜか、透明感のあるきれいな人達を連想させる。文章中にわざわざ「きれいな人間」としての表現が入っている人だけではなくて、あれだけボロクソに(笑)言われている犀川先生だってとてもカッコイイのが不思議。
「彼女」が人を殺した理由も「彼」が姿を消した理由も曖昧で…とてもキレイで切なくてどうしようもないやるせなさを覚える。最後に「やられた!」と思った。これが救いになっているのか逆なのか…泣かされます。
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S&Mシリーズ第七弾
萌絵の友人の家族が誘拐された!?
幻惑と違いこちらは偶数章だけ。これは・・・・?
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実は幻惑の〜より先に読んでしまって失敗したなぁと思いました。でも、このちょっと切ない感じがすごく好き。
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ミステリーや推理よりも、杜萌を中心に進められた話から、萌絵に話のメインがシフトチェンジしていく様子を楽しむ感じで読んだ。抽象的な表現の部分が多くて、不思議小説になってたけど、表現が映画みたい。面白かった。ラストの犀川のやさしい感じとかも魅力的。シリーズの中でも箸休め的存在。好きです。
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シリーズ7作目。個人的には犀川先生の心情はこの本が一番カッコイイと思います。最後の解決シーンも素敵です。
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微かな違和感から始まる、「西之園萌絵」以外が語り手となる物語。
大切なひと、大切な時間。
奪われたもの、消されたもの。
この夏を越えて、彼女が得たものは何だろう?
前作と同時期に起きた事件を扱うために、時間の流れは「2冊で1つ」になっている。
もし、萌絵が【幻惑の〜】に関わっていなければ、積極的に動き、調べ、感じ、気づき。
より哀しく切なく、けれど逃れられない結末にたどり着いたのかもしれない。
だからきっと、これで良かったのだ。
救いにはならないけれど、気休めでしかないけれど。
暑さと熱さと冷たさと淡泊さ。
相まって感じさせる不思議な空気感が、最後まで残る。
夏が終わる、淋しさに似た感覚が。
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切ない。事件もそうなんだけれど最後おもわずちょっとほろりときました。「幻惑の死と使途」と時間軸が対になっているので幻惑の〜を読んだあとすぐ読むといいかもしれません。
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S&Mシリーズで一番好きな話です。
ミステリとして好きなのではなく、杜萌が好きで好きでたまらない。
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杜萌のキャラが大好き。
萌絵や犀川など現実味のないキャラの中で生きてるぞ、という感じで好き。
でも、謎解きっぽさがない。
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犀川先生と萌絵ちゃんはほとんど出てきませんが、これはこれで好き。タイトルも好き。西畑さんとか素生とかがまたどこかで出てきても私は驚きませんよ(笑)西畑の喰えない感じが好き。
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いや、女心はわからない。夏の天候に例えると、梅雨。そんくらい。如何な理由があろうとも女性を怒らせてはいけないな、と。しかも友達が犯人って、おめぇ随分物騒な友達持ってるじゃねぇの、って。それって友達なの?
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那古野市の実家に帰省したT大大学院生の前に現れた仮面の誘拐者。そこには血のつながらない詩人の兄が住んでいた。誘拐が奇妙な結末を迎えたとき、詩人は外から施錠されていたはずの部屋から消え去っていた。朦朧とするような夏の日に起きた事件の裏に隠された過去とは!?事件は前作と表裏をなし進展する。
新しい形で書かれた作品。森ミステリにしては珍しい。といってもミステリ界ではそうでもないんですが。
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幻惑〜の裏らしい。
読むのよそうかなぁとおもいつつも、
杜萌の狙い通りの感じにひかれずるずる読んじゃいました。
ミステリよりも物語性のが強かった印象です。
美人天才秀才お金持ちコンビって・・・天はニブツを与え過ぎだと思います。いーな。
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今度は偶数章のみ。
なるほど幻惑の死と使途と対なんですね。
今回は非常に面白かった。
かなり意外な結末だったし。