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紅一点論 アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 みんなのレビュー
- 斎藤 美奈子 (著)
- 税込価格:1,870円(17pt)
- 出版社:ビレッジセンター出版局
- 発行年月:1998.7
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紙の本
大人が作り出す簡易な小社会
2001/09/11 00:38
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投稿者:たけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤さんの作品は文学小説、雑誌など紙ベースのメディアに関してのものであることが多いので、「アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」という副題を見て少し意外な感じがしました。 読んでみると、大好きな軽妙な語り口はそのままで、嬉しい限りです。
アニメの国が「男の子の国」(例:宇宙戦艦ヤマト、ガンダムなど)と「女の子の国」(例:リボンの騎士、セーラームーンなど)とに分かれていると論じ、そのアニメの国と伝記の国の構造が、「紅一点の国」である点で似ていると述べています。
紅一点というのは数もそうであるが、質的な紅一点とは「ひとりだけ選ばれて男性社会の仲間に入れてもらえた特別な女性」のことである。 このようなことを念頭に、アニメ・特撮・伝記のヒロイン像を論じたのがこの本です。
いかに女性が認められるためには(例えそれがアニメの中であっても)数々の条件が(男性から)要求されていたかが、この本を読むと良く分かります(しかもこれは万国共通のようです)。
またアニメの国は男の視聴者のためのものであり、その国での女性の描き方は画一的である、という主旨の指摘は的を射ていると思います。子供心に、金持ちの娘やどこかのお姫様や魔法が使える女の子ばかりがヒロインであり、かつ出演している女の子の数が異様に少ないアニメの国に疑問をもたなかったでしょうか?(しかも設定ではみんな美少女か美女である)。
実社会ではさすがに紅一点状態はありえないでしょうが、アニメも伝記もある意味実社会で生きている人が作っている物である以上、そのような思想が背景にあることは間違いないでしょう。
子供の頃に影響された価値観というのは消えないものです。 こういうアニメの思想に現代人がどっぷり漬かっている事は、よくよく考えると恐ろしいことですー。
アニメ全てがそうだというわけではないのですが、著者の筆力に思わず納得させられてしまいます。
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