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きつい暴力、性描写がありますが淡々としたイメージの文章。その様子が帰って歪みやよどみを感じさせます。強烈な人間描写が心に刺さってきました。
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世間から隔絶された修道院に隣接する農場で働く朧。殺人を犯し、少年時代を過したここに逃げてきた。影ながら暴力をふるいながらも、その奇妙な魅力で司祭やシスター、他の少年たちにもしたわれる。
わからない。やっぱりわからない。何が言いたいのかさっぱり。やっぱり、もう芥川賞作品を読むのはやめにしよう。
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なぜあの場面から鉱石ラジオが出てくるんだろうか。
ゲルマニウムのラジオの意味は何だろうか。
ま、深読みするまでも無いかも知れない。
言葉を十分に扱い切れていない。ちょっとへたくそ。
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芥川賞作品。花村萬月さんらしい描写が端から端まで並びます。読んでスカッとはしないですが、何か重いものを持っています
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人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国――世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。
第119回芥川賞受賞
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食事中は読まないでください!
暴力、暴言、エロス(同性愛含)、腐乱などが多めです。
私は何度も顔をしかめました…主人公くんが面白かったけど…
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「言葉というのは、たいした発明だよな」
「どういうことですか」
「神の存在は証明できるだろうか」
「さあ。証明云々といった問題ではないのではないですか。信じるか、信じないか。神様に関しては、そういう態度以外の態度は、無意味ではないでしょうか」
「すると、存在は証明できない」
「眼に見えるお方ではありませんから、しかたがありません」
「同じく、神の不在を証明することは、できない」
「できませんか」
「できない。紙がいることを証明できないのと同様に、神がいないことを証明することはできない。僕は論理的な神の存在証明にであったことがないのと同様に、神の不在証明にもであったことがない」
「なるほど。アスピラントの私が言うことではありませんが、もともと、あやふやでしょう、神という存在。唯物論を信じる方は、神はいないと叫ぶのでしょうが、ただ叫ぶだけにすぎませんね。それでは神を信じる者を折伏することはできません」
「そういうことだ。たしかに神はあやふやだ。教子の言うとおり、唯物論者は神はいないとがなりたて、喉を枯らす。でも、神さえもちだせば、この世界のすべてを説明できる。つまり神様のせいにできる。神様という奴は、そしてそのあらわれである言葉という奴はなかなかに強力だぜ。核兵器なんて陳腐なものさ。赦すと言ってしまえば、勝利する。あやふやゆえの万能ぶりだ」
「それが万能にして全能なる神ということですか」
「いや。正体は、言葉。あくまでも言葉。神の実態は、たぶん言葉の万能ぶりなんだよ。言葉は現実を解説するが、現実ではない。現実自体ではないから、なんとでも言いくるめることができる。ところが、人は往々にして言葉を現実であると勘違いする。ほくそ笑むのは、哲学者と小説家だけだ」
「神様は、どこへ行ったのでしょう」
「ちゃんといらっしゃるさ。言葉の背後に、地味に控えていらっしゃるよ」
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すごく面白かった!!!
スランシス・ベーコンの絵が、またよく合ってて素敵!!
どこかで、繰り返しはギャグの基本だって聞いたことがあったけど、この本には、快楽の本質は、反復にあるとあった。
笑いも快楽の一種だもんなぁ、と深くうなづいてしまった。
いろんな人に面白かったって言ってまわりたいけど、キリスト教だし、グロイし、食事中にはオススメできない描写もあるので、人を選ばなきゃいけなさそう(笑)
始めての花村さん作品だったので、また何か読みたいと思います。
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僕はその浅ましくも切実な動作に、灼かれる教子の裸体を見た。
教子は灼かれたいのだ。
罰されたい。
打ち据えられたい。
神の鞭で犯されたい。
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閏日。
その存在の定かでない
漠とした
ぼんやりとした。
在るのかないのか
居るのかいぬのか。
雪。
障子越
ほのかに。
春。
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序盤から「臭い」に関する描写が多々あり、それがまた本当に周囲に漂ってくるような迫力なのですが、主人公達が嗅覚について語る場面(中盤あたり)を読んで納得。
薄暗くて湿っていて饐えた臭いが立ち込める修道院兼教護院。
信仰とその対象である神に挑む(あるいは試す)主人公の台詞に、いちいちハッとさせられる。させられるのに、次のセンテンスでは「くだらない」と主人公本人にバッサリいかれて、完全に翻弄された感じ。
それでもやはり神父、修道士、院長との問答はシビれました。
自分の中にあった「宗教」というものへの疑問に、一つの考え方・答えを示してくれた作品だと思います。
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初の作家。開くと一面に著者の写真びっくりし、中々小説の世界に入っていけなかった。喉の奥が気持ち悪い感じと戦い、頭も使って疲れた。もう一冊他の作品も読んでみよう。
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歳のせいだろうか。初めて一気に読めてしまった。これまで何度もはじまりの数ページで投げ出してきたのに。
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一息に読んだ。 途中で止まれなかったと言っていい程引き込まれた。
潔癖症に人が読むと、途中で嘔吐してしまうのではないかしら・・・と思われる虐めや腐敗の描写。 その匂いさえも現実に迫ってくる様で、実際に胃液が上がってくる感じがあった。
どの本でも解釈は人其々違うのは当たり前だが、この本に限っては
誰一人として同じ解釈を持たないのではないだろうか。 題材が壮大すぎる。 富裕層であれ、政治家であれ、貧乏人であれ、殺人者であれ、
結局のところ、欲情し受精し子を儲け食事し排泄し年老いて死んでいく。
そのループをグルグル回っているだけだ。虫や植物、森羅万象すべて
同じ道を辿って生から死へと流れている。 偉そうな聖職者でさえ陰で
欲望を抑えられずにいる。 ”朧”の過剰なまでに人を見下した精神に
なぜだか共感せずにはいれらない自分がいた。 極論を言えば、やっぱりなんでこうして生きていかなければならないのかと自問自答し、その答えが見つからずイラつき、他人の発する言葉や態度が酷く下劣なものに思える。おまえたちの生き様な何なのだ?
何を分かったふりをして、のうのうと生きているのか、と。
”努力は敗者の免罪符” この言葉に朧または作者の考えが凝縮している様な気がした。 綺麗ごとを言ってたってその通りなのだ。
読後、自分が物凄く嫌な人間に成り下がった様な気がした。
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1998年上半期芥川賞受賞作。著者の幾分かは自伝的な要素を持つ作品。聖と性を描くが、徹底性を欠くようにも思われる。禁忌を犯すこと、すなわち涜聖に逆説的な快感を求めるのは、サドをはじめとしたヨーロッパ文学のある種の伝統でもあるが、本書ではカトリシズムに重みがないために表層的なものに終わった感も否めない。随所に著者の強烈な個性の片鱗は窺えるが、この小説ではまだそれが十分に発揮されているとまではいかない。「王国の犬」にしても、カトリシズムは絶対を措定し得てはいないのであり、したがって素材の域を出ないのだ。
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なんか、すごかったです。
せなあかんこととか、それ以外とか、分かっちゃいるけどやめられない事とか、罪の意識の重い軽いとか。
毎日がどんどんすぎていくけど、そう言う事を、選択したり、選ぶ余地がなかったりを、誰もがしてるんだなと思いました。
読み始めたときは、うわー、終まで読めるかなと思いましたが、途中から一気読みでした。
にーなさんからまわってきた本。