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ネットバブルが来る前の時期に先進的なサービスを提供しようとして、そして30億の負債を残して2年でつぶしたという話。
本人もエピローグあたりで述懐しているけど、本人の派手好きさとか経営センスの問題もなくはないだろうけど、こんだけ派手な倒産になったのは金融業界が「猫も杓子もIT系に投資する」から(山一証券の倒産を引き金に「貸し剥がしが一斉に始まった」というタイミングにぴったりとハマったことが大きい。
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時代にのったかにみえたベンチャーが潰れるまでの体験記。その場面場面で考えたこと感じたことがとても正直にリアルに描かれています。面白い!
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起業を志す人間が必ずといっていいほど読んでいる本書は当事者の生々しいまでの記録です。倒産するということはどういうことなのか?この貴重な記録を『痛み』と共に記した筆者には本当に感謝の念が堪えません。
本書を初めて読んだのは20歳前後の事と記憶しております。何がきっかけで存在を知ったのかは失念してしまいましたが、注目のベンチャー企業の倒産というまさに天国から地獄を綴った当事者による告白手記であり、読んだときにずいぶんと衝撃を受けたことを思い出します。僕自身も、ここまで壮大な失敗劇とは申しませんが、東京で当時手がけていた仕事を破綻させ、都落ちする体で地元へ出戻らなければならなかったということを経験しているので、本書の教訓を生かしきることは出来なかったことになるのですが、今回再読してみて、最初に読んだときには見えなかった様々なものが内容から理解できたような気がして、ひとつの大きな収穫であったと思っております。
ここには筆者である板倉氏の生い立ちから起業。そして倒産までの壮大な『悲劇』が生々しいまでの筆致で綴られておりまして、起業を志す人間にとってある種の『バイブル』として現在に至るまで脈々と読み継がれております。氏の手がけていたハイパーネットという企業は、今読み返しても当時としては誠に先鋭的なビジネスモデルで、インターネットを使った新サービスで脚光を浴びた理由も、よくわかりました。1996年3月期には売上高約7億円、経常利益約2億円を記録。大手証券会社であるソロモン・ブラザーズ(当時)や大手銀行の住友銀行(当時)などから融資の申し出が殺到し、本書のハイライトでもあるマイクロソフトの会長であるビル・ゲイツ氏が板倉氏に面会を求めてきたこともその証左なのでしょう。
これとはまったく関係がありませんが、現在、インターネットで靴を販売しているザッポスを率いるCEOトニー・シェイ氏もかつては『リンクエクスチェンジ』というインターネットを使った広告会社を経営し、マイクロソフトに買収されたという経緯があり、歴史に『イフ』は存在しないことは百も承知ですが、もしかしたらそういうこともあったのではないかと読みながらそんなことを考えてしまいました。
ゲイツ氏との面会から約2年後、会社が『死』を迎えるまでの記録が本当に読んでいて辛くなるほど詳細に記されております。それは本人にとって『地獄の日々』であったことは容易に推察されますが、本書の最大の『価値』とは『ハイパーネットは挫折したのか』。この命題について、当事者中の当事者だった「元社長」が倒産の理由を1冊にまとめたことであると思っております。全体的な内容として、こういう話はうらみつらみが大半を占めると思いますが、むしろ淡々と、自らの『失敗の本質』を振り返っており、そこが本書が読み継がれる要因なのでしょう。
本書が世に出てからも、様々なベンチャー企業が日本に生まれ、いくつかは大きな成長を遂げ、その裏側では『死屍累々』の状況が現在でも繰り返されているかと思われます。ここで浮き彫りになっていることはアメリカなどに比べて、日本という土壌に『ベンチャー企業』がいかに育ちにくいか?ということであると思っており��す。
そして、僕が最も印象に残っている箇所は銀行の貸しはがしに遭い、資金集めに奔走する筆者がすべてが終わって悟ったことに
『ぼくは大組織がどんな論理で成り立ち、その組織を構成する人間が何を行動規範としているかを学ぶ機会を逸してしまった』
という箇所でした。後に僕が板倉氏本人のツイッター(現在はBOT)に話しかけ、板倉氏と直接やり取りをした最初の言葉でも、ありました。現在、板倉氏は再起業し、事業に奔走されていると伺っております。氏の前途が洋々たることを祈りつつ、ツイッター上にて僕のぶしつけな質問にも、実に丁寧に答えていただいた板倉氏にこの場を借りて感謝御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
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アイディア出しから会社の立ち上げから倒産まで、まさに激動。
目立ちたがりやな印象。
そのやる気は尋常なものではない。
やりたいと思ったことに対しての行動力に尊敬。
腐っちゃいかんね。
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南場さんの書籍不格好経営にて、茂岩さんに読むよう勧めていた書籍。1980年代のITベンチャー社長である板倉雄一郎さんが著者。まさにITベンチャーの社長というような感じで、仕事に熱心に取り組む傍ら自信家であり、女遊びもかかさない。高家賃の家に住み、高級車を所有する。本書では、「人」と仕事をすることと「会社」と仕事をすることの違いを肌で感じることができた。
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非常に面白かった。自分も規模や立場はことなるが、ある意味同じような状況で試行錯誤した経験をもっていたので、共感がつのったと同時に、一つ一つの転落エピソードが笑えるくらい同じで、びっくりした。板倉さんは、魅力的な人間で、人たらしなんだろうな。期待感をもたせてしまうため人や金が集まってしまう。ただ、それに知らず知らずのうちに甘えてしまい足下をすくわれていく。さらに、コロコロ変わる金融業界の都合と重なる。人も金も離れていき、自信もなくなる。金だけでなく色んなものを失ってしまう。ひとごとではない。教訓にとんだ良書。
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並の小説より余程面白い。このベンチャー社長らしい傲岸不遜さこそ、冒険潭の主人公に相応しい。結末が判っていても、次々と起こるイベントの数々に踊らされる。特にビル・ゲイツとの会議(破滅の序章)、終盤の銀行の掌返し(リアル大和田常務)のくだりは抜群に面白い。
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実におもしろい! "シリコンバレー・アドベンチャー" を読んだ時のように、ドキドキしながら楽しませていただいた。現実に破産している物語に対して不謹慎だと思わないでもないが、文や構成がまるで小説のようで、迫力のあるジェットコースター物語をリアルに感じる内容となっている。
時代は第一次インターネットバブルとでも言うべき頃の話。当時としては革新的なアイデアを引っさげて事業を開始し、あっという間に膨大な資金を調達するものの、銀行の不良債権という言葉がテレビのニュースで騒がれる中、貸し渋り時代へと突入する。そして、資金繰りが悪化して、倒産。この間、わずか二年。負債総額は 37 億円だ。
冷静に考えれば異常だ。個人資産のない社長のベンチャー企業が無担保で二十億円の融資を受けられるだなんてあり得ない。社会が熱病にかかっていたのだ。そして社長の板倉氏も。他人事だからピボットが見えるが、同じ立場に居たら、たぶん見えない。誰しもが熱病にかかってしまう状況だったことだろう。
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日本における経済のうねりを世間一般に分かりやすく見せる「狂言回し」と役割を図らずも演じていたようだ。
--- あとがきより
本書は、起業を目指す多くの若者が読むべき一冊だと思う。なぜならば、どれだけポテンシャルのあるビジネスでも、思わぬ出費や市場の成長速度の遅れなどから、資金に関する問題に遭遇するリスクは常にあるからだ。銀行や企業、投資家がどのような意思決定をするのか仮想体験しておくことで、その準備ができる可能性が高まるだろう。
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「経営者の失敗」をケーススタディとして伝承する文化が米国の社会にはある、そこに僕は強く興味を引かれた。
(中略)
そしてすぐに決意した。ここに至るぼく自身の経緯を文章に綴ってみよう。
--- あとがきより
なお、板倉氏の考えた "広告収入による無料の ISP" のビジネスモデルは、その後、ライブドアが類似のビジネスモデルで、百万人を超える会員数を獲得している。もし、もう少し資金が続いていれば、あるいは…。
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経営者、経営者になりたいかたのみオススメ
・起業の興奮、倒産の過酷さを味わえる一冊
身の引き締まる思いで読みました。勉強になりました。
読むと、起業なんて危ない橋は渡らないようにしようとなるかも。
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ハイパーネット社の元社長の書いた本。南場さんの不恰好経営の中に出てきた本だったので、読みました。
ITバブルの絶頂期に至るまでの過程と、失敗におちていく過程のつらつら本。「大学は受かったら、もう行く意味がない」という判断をされたり頭は非常によい、という印象を受けましたが、全体的に自己顕示欲が強く出ている本。
銀行の貸し渋りによる不渡り。株主、取引先(アスキー等)との関係性などは本当に赤裸々に書かれているので、企業欲のある方は一度読んでみたほうがよいかもしれません。
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小林の顔を見た。仕事をやり遂げた顔だ。いい顔をしていた。
当社はこの時はじめて社員に対する遅配をせざるをえなくなった。
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最後のほうで「これだけの人に損害を与えたんだから、罪は重いよね」という記述があるんですが、とても違和感があります。
儲け話に乗ったところ、ポシャっちゃった、ってだけの話なのでは、と考えるからです。
もちろん、本のタイトル通り、社長失格のような経営もあったかもしれませんけれど、それも含めての投資、のような気がしますね。
起業を志す人は一読するとよいかもしれません。
いずれにしても、今はネットでお金を集めることもできる時代になりました。銀行屋がデカイ顔をしていられるのもそう長くないかもしれませんね。
払ってもいい金額:1,200円
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リスクヘッジをしないでリスクの高いギャンブルにはまりすぎて失敗してしまった印象。確かにITはスピードが必要な業界で融資は必要かもしれないけど限度があると思う。ITバブルは銀行の積極的な融資が引き起こしたようにも思えた。
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生々しい。この本は日本のネットベンチャーの最初期の段階に脚光を浴びた経営者が、マーケティングや財務戦略の失敗から最終的には自社の破産と自らの自己破産に至るまでを克明に描いた自伝である。
とにかく表現が生々しいし、文章の読みやすさも相まって一気に読んでしまった。NTTドコモのimode成功の立役者であり、現在はドワンゴで活躍する夏野剛氏が経営に参画するシーンや、ネットバブルの流れの中で成功を謳歌し、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏がわざわざ会いにくるシーンなどはこちらもワクワクさせられる。一方、後半の転落にかけてのシーンは、0から1を作るアントレプレナー気質はあるが、1を10にするマネジメントを行う経営者気質が自分にはなく組織を殆ど顧みなかったことが、チームの結束力を弱めたという自己認識と、ネットバブルで楽に銀行からの融資を受けられた状況がバブルの崩壊により各行から一気に返済を迫られたという外部環境の変化に対する認識に基づき、息を付かせぬシーンが続く。特に、銀行や債権者からの返済圧力はすさまじく生々しい。
結局のところ、著者の自己認識にあるように、アントレプレナーとしての気質と良いマネジメントを行う経営者気質は、万人に両立するものではないし、永続的な企業の発展は組織マネジメントにあるという極めて真っ当な点を、改めて教えてくれる。
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マーク・ザッカーバーグ facebook誕生を描いた映画ソーシャルネットワークが思い浮かんだ。映画ソーシャルネットワークは人間関係の方のダークサイドを重点的に描いているけど、この本は日本企業のお金のダークサイド(結局は半沢直樹の世界で日本は動いている)を描いてる。
著者に当時、DeNAの春田氏みたいな人が側にいたらもしかしたら今も生き残っていたかもしれないと思うと、個人の能力やアイデアの新規性はもちろんだが、運とか巡り合わせに恵まれないとダメなんだなと思った。