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20080124
岡崎久彦著書
このシリーズは一家に一冊な本にも匹敵する良書。
ただし著者のご先祖への身びいきもあるのが玉に瑕。
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北京赴任は1893年(明治26年)のことである。小村寿太郎〈こむら・じゅたろう〉は1855年(安政2年)生まれだから38歳である。没したのが56歳だから人生の大半を貧苦困窮の内に過ごしたといってよい。第1回文部省海外留学生に選ばれてハーバード大学へ留学していることを思えば、よほど圭角のある人物だったのだろう。貧困は人を惨めにする。志を手放すことがなかったところに強靭な精神力が窺える。
https://sessendo.blogspot.com/2019/01/blog-post_7.html
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「小村寿太郎とその時代」岡崎久彦著、PHP研究所、1998.12.04
347p ¥1,785 C0020 (2023.09.27読了)(1998.11.25購入)
「ポーツマスの旗」吉村昭著、を読んだ後に、積読の「陸奥宗光」岡崎久彦著、と「小村寿太郎とその時代」岡崎久彦著、を読んでしまおうと考えたのですが、一年半ほどかかってやっと読み終わりました。
小村寿太郎さんが亡くなるとともに、明治も終わっています。陸奥宗光さんと小村寿太郎さんで、明治の外交は、担われていたんですね。
明治であと気になるのは、「勝海舟」と「福沢諭吉」です。
「氷川清話」「海舟座談」勝海舟著、「勝海舟」松浦玲著、「福翁自伝」、「福翁百話」
【目次】
第一章 貧交行
第二章 水を得た魚
第三章 瓦解する清帝国
第四章 議会民主主義への執念
第五章 ロシアの東方進出
第六章 ロシアの満州占領
第七章 日英同盟
第八章 日露開戦
第九章 日本民族の興隆期
第十章 死闘
第十一章 世界史の分岐点
第十二章 ポーツマス条約
第十三章 韓国併合
終章 明治の終り
あとがき
文献目録
小村寿太郎 年表
索引(人名・事項)
●日本とロシアの競争(135頁)
日露戦争は、開戦の前の段階から戦争の最後の最後まで、極東における軍備を増強してから日本を圧倒しようというロシアと、ロシアの戦備が整う前にロシアの進出を排除しようという日本の努力の競争であった。
●朝鮮民族は自活能力を持たない(157頁)
現在の考え方では朝鮮民族に失礼なことではあるが、朝鮮民族が自ら支配する能力をもつかどうかは当時(1901年頃)では当然のように疑問視された。第二次大戦後でさえ、自活能力をもつまでの間朝鮮半島の信託統治論があったくらいであり、まして二十世紀初頭の帝国主義真っ只中の時代では、むしろ朝鮮民族は自活能力をもたないということの方が常識であった。
●ロシア革命がなかったら(236頁)
もしロシア国内に革命がなかったらと想定すると、ロシア皇帝は列国の調停(日露戦争)などに耳を貸さなかったであろうから、結局は日本軍は遼東半島、朝鮮半島を含む大陸から駆逐され、朝鮮はおろか中国の北半はロシアの意のままになっていたであろう。戦慄すべき事態だった。
☆関連図書(既読)
「坂の上の雲(一)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.01.25
「坂の上の雲(二)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.01.25
「坂の上の雲(三)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.02.25
「坂の上の雲(四)」司馬遼太郎著、文春文庫、1999.01.10
「坂の上の雲(五)」司馬遼太郎著、文春文庫、1999.02.10
「坂の上の雲(六)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.03.25
「坂の上の雲(七)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.04.25
「坂の上の雲(八)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.04.25
「ニコライ遭難」吉村昭著、新潮文庫、1996.11.01 明治24年5月
「海の史劇」吉村昭著、新潮文庫、1981.05.25 日本海海戦
「ポーツマスの旗」吉村昭著、新潮文庫、1983.05.25 ポーツマス講和会議
「日本海海戦の真実」野村実著、講談社現代新書、1999.07.20
「日清戦争-東アジア近代史の転換点-」藤村道生著、岩波新書、1973.12.20
「日清・日露戦争」原田敬一著、岩波新書、2007.02.20
「検証 日露戦争」読売新聞取材班著、中公文庫、2010.09.25
「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子著、朝日出版社、2009.07.30
「爆笑問題の戦争論-日本史原論-」爆笑問題著、幻冬舎、2006.07.31
「韓国併合」海野福寿著、岩波新書、1995.05.22
「閔妃暗殺」角田房子著、新潮文庫、1993.07.25
「韓国併合への道」呉善花著、文春新書、2000.01.20
「叛骨(上) 陸奥宗光の生涯」津本陽著、潮出版社、2016.09.20
「叛骨(下) 陸奥宗光の生涯」津本陽著、潮出版社、2016.09.20
「陸奥宗光(上巻)」岡崎久彦著、PHP文庫、1990.11.15
「陸奥宗光(下巻)」岡崎久彦著、PHP文庫、1990.11.15
「陥穽 陸奥宗光の青春」辻原登著、日本経済新聞、2023.03.22から連載
「明治天皇の生涯(上)」童門冬二著、三笠書房、1991.11.30
「明治天皇の生涯(下)」童門冬二著、三笠書房、1991.11.30
「旋風時代 大隈重信と伊藤博文」南條範夫著、講談社、1995.09.20
「伊藤博文 知の政治家」瀧井一博著、中公新書、2010.04.25
(「MARC」データベースより)amazon
世界の一等国を目指した、明治日本の気概。興隆期日本の命運を担った外交官の生涯を通して、日本の近代史を描く。