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紙の本
小説として面白い
2002/09/01 13:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コヤタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだの檜原まり子先生の作品。おまけに、『Still heart』を読まずに前作いきなりこの本から読んでしまいました。それゆえ、もしや話に付いていけないのでは?という不安がありましたが、いらぬ心配でした。
文にクセはありません。ただ、たまに小早川が「〜かね」と言うおじさんクサイ語尾を使うのには、思わず拒否反応。ボーイズラブは、禁オヤジです。また木田がよく口にする「お前ときたひには」と言う言葉も、わたしの辞書にはなく戸惑いました。会話でこんなことを言う男がいるんでしょうか? 「お前ってやつは」とか「お前ときたら」ならわかるんですが。1回ならまだしも、多用されてるフレーズなので、読んでて気になってしまいました。それ以外は特に難もなく、好感。
受攻共に医者と言う設定で、上滑りかと思いきや話にリアリティがあり、心理的な分析なども新鮮。ボーイズラブとして読まなくても、小説としての魅力がありました。また「アダルトチルドレン」とか「家庭内暴力」なんて言う重い題材を扱いながら、うまくまとめてあったと思います。普段知る機会のない「精神科」と言う特殊な空間を覗き見れたのも、興味深かったです。
話の面白さもさることながら、木田と小早川の恋愛もいいです。この本では二人はもう出来ちゃってて、同居を始めるんですが、それがまたラブラブの新婚家庭のようなありさま。小早川は「愛してる」を迷わず言う男で木田にメロメロだし、木田は一見クールビューティーのようで、実はそんなこともなく。高校生みたいなドキドキ感がある恋愛、してるんだもんな〜。ラブラブで、好きだ愛してるとお互い言い合ってるので、苦手な人は受け付けないかも。個人的には好きです(笑)。エッチは結構あるんだけど、それだけがネチネチ書かれているのではなく、話の流れで自然に…と言う所が好感が持てます。ただ、新婚家庭を覗いちゃったような居たたまれなさは残るけど。
損してると思うのは挿絵です。正直、あまり上手くない。プラス、キャラクターがマッチョっぽいというかオジさんぽいというか…。小説って挿絵でイメージ決まる所があるじゃないですか。だから余計、キャラクターの容姿が重要なポイントになるボーイズラブで、この挿絵はちょっとツライものがあります。読めば良い話でも、読もうという気が起きないと意味がないですから。挿絵がもうちょっと一般受けする感じだったら、大分状況も変わると思います。もっと燃えられそうなのに、挿絵で冷静になってしまう。なんだか残念。
紙の本
『STILLHEART』続編。
2002/06/30 16:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:流水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『STILL HEART』に続編があったとは…。
この『 On your mark 』は、運動会の時など、「位置について、よーい、どん!」と言うの「位置について」の意。竹美家ららさんの漫画に同名の作品があるけれども、それとは無関係。
晴れて恋人同士として一緒に暮らし始めた、精神科講師小早川哲雄と同期の胸部外科医木田博基。ある日、木田の兄が息子の不登校の悩みを相談に訪れる。厳格な父の元で育ったその少年・和信に、小早川は木田の原型を見出す。木田もまた、親の暴力に怯えながら育った、アダルトチルドレンにほかならなかったのだ。
木田が癒されてゆく様子が痛々しくも、読者を励ましてくれる。
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