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ブエノスアイレスの教会に彗星のごとく出現した謎の天才オルガニスト。彼は半身不随となった事故後、突如姿を消した自分の友人であり、天才オルガニストであったヨーゼフなのか…?!第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
ミステリだと思い込んでいて読み進めていたのだけど最後にファンタジーノベル大賞と聞いて納得。確かにこれはファンタジー。オルガンに対する情熱とか音楽に関しての話はとてもよかったけれど後半部分からのマッドサイエンティックな展開には少しびっくり。ストーリー的に荒唐無稽なところがないとは言えないけれど、読み終わってみるととても哀愁漂う切ない話だったなぁと思った。
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音楽にしか生きがいを感じない天才オルガニストの話。事故によって半身不随になってしまいオルガンを弾けなくなってしまった天才は………
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ブエノスアイレスの教会に彗星のごとく出現した謎の天才オルガニストとは?それは9年前、自動車事故で右半身の自由を奪われたままニュルンベルクの病院から姿を消した青年が、奇跡的によみがえった姿なのか…。そして、彼の演奏を真っ向から否定する盲目の老オルガニストの運命は?バッハの音楽が事件解決の鍵を握るバロック・ミステリー。第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
あらすじ加えるのは初めてだな…。文章に気を使っている、もしくは言葉に気を使っているのかなと言うのが文中の字を追いながら思ったこと。綺麗です、言葉遣い。予想外の展開に驚かされました。悲劇なんでしょうか、これ。読むにあたって生でパイプオルガンを見たくなる。中盤から最後に掛けての医学的説明がマニアックだったのでちょっと閉口気味でしたが、読んでよかったです。一つのことに一生を捧げる人生は美しいけれど、恐ろしい。ヨーゼフだけでなく周囲の人々に関してもそれは同じなのではないかと。
音楽になりたい、というヨーゼフの言葉に背筋がぞっとしました。人をやめてまで音楽を愛する彼と反発する教授が切なかった。
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最上の音楽を奏でつづけるために神に叛いた青年、そして哀切な終焉。バッハのオルガン曲の旋律とともに、音楽に魅入られし者の悦びと悲しみを描出する第10回ファンタジーノベル大賞受賞作。
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読み終わって、本の裏(?)の「日本ファンタジーノベル大賞受賞」の文字を見てものすごく納得。この狂気にも似た純粋さあるいは繊細さ。ファンタジーノベルにはこういう傾向の作品が多い気がします。美しいけどぞくぞくする。
「オルガニスト」だけあって全体的に音楽的知識がふんだんに描かれているのだけど、わたしはしばしば比喩に登山が現れるのが気になった…山登る人なのかな?それともドイツだから?
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天才オルガン奏者の物語。
「ぼくは音楽になりたい」
将来何になりたかと問われて、そう答えるくらいの音楽への愛情。
青年の、愛というよりも妄執に近いような、純粋過ぎる音楽への希求が強烈。
人によっては気持ち悪いと感じるだろうくらいに密度の濃い愛情と、それによって選び取られた結末は衝撃的でした。
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現代ドイツが舞台の音楽SFファンタジー。音楽家の主人公へジャーナリストが持ち込んだパイプ・オルガン奏者の音源は、数年前に事故で演奏不可能になった旧友を思わせた。恩師の反応もおかしい。そして、主人公は更なる事件を経て、その音楽家と相対する。最後までぐいぐい読ませる面白さあり。バッハを聴きたくなった。
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最近通っている教会にパイプオルガンが入り、パイプオルガンの話をいろいろと聞いていたタイミングに重なった。
オルガンの各部の機能、音など、見たばかり聞いたばかりのものが本に出てくるので、とてもリアルだった。(もちろんドイツの教会の大オルガンとは規模が違いますが。)
ストーリー展開は、骨格は予想通りに進んでいくが、意外な肉づけになっていて楽しめた。
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パイプオルガンの音が文章の中から響いてくる。
読む前はゴシックな物語かと思っていたのですが、現代の物語で違和感なく引き込まれていきました。そして、詳しくは書けませんがページを閉じさせない展開。
バッハのオルガン曲を聴いてみたくなりました。
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野々市図書館のブラウジングより。
忘れもしない、わたしが小学6年生の時初めて聴いた「青春アドベンチャー」で放送されていた作品である。あれからもう10年になるのか、と感慨深いが、23時の夜の静寂に漂う低く落ち着いた声の響きは、いまだに耳に残っている。
作品自体は、うつくしい。感情の揺れ動きや移り変わりを描く筆致も不自然さがなく、ゆっくりと動くスラーのようで、まさしくクラッシックのような流麗さを思わせる。が、最後は少々SFチックにすぎる展開で、作者自身が天上へ昇ろう昇ろうとするヨーゼフの思いに引きずられすぎているように感じた。
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読んでから時間が経っているので詳細が思い出せないけれど、
オチがかなりすごかった。そこだけが想像の映像ではあるが、時折思い出すくらいインパクトのあるオチだった。
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南米の教会に現れた無名のオルガン奏者の演奏を聴いた主人公は、事故後で半身不随となり失踪した天才オルガン奏者の友人の影を見出す。はたして彼はかつての友人なのか、と、ミステリ仕立てでストーリーは展開していきます。
そして中盤以降は本当にミステリな展開になり、さらにラストはSF的に、、、
第10回日本ファンタジーノベルズ大賞受賞作だそうですが、音楽に取りつかれた結果、神または悪魔の領域に踏み込んでいく天才音楽家の業の深さはなかなかに興味深い。
また、オルガンに関する描写が素晴らしく、音楽小説としても一級ではないかと思います。
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ブエノスアイレスで偶然見つけた、素晴らしいオルガニスト。しかし、その正体はなかなかつかめない。はたして彼の秘密とは?
正確には星2つ半というところ。
文章は「これがデビュー作?」というくらいうまかったし、音楽などの書き方や印象も、とても落ち着いていながら豊かで、細部まできちんと描かれている。
しかし、なんというか、勢い?みたいなものがないと感じてしまった。全体的に、理が勝ってしまっているかんじ。
ごつごつしたり、荒削りでいいから、感情の放流みたいなものをもっと前面に出してもよかったのではないかな・・・。
ところでこの小説、文庫と単行本では人称が違うと聞いたのだが、話の細部は同じなのだろうか?
ちなみに私は、単行本のほうが装丁が好きだったので、単行本で読んだ。単行本では三人称。で、文庫では1人称らしいのだが、この話をどう一人称で語るのだろう??
確かめてみたいけど、文庫でもう一回読もうとは思わないだろうな。
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丁寧な文書で書かれており読みやすかった。
前段階が長く、これのどこがファンタジーなのかな?と思っていたら殺人事件が!なんだこれは推理物か?!
実際、教授殺人事件の真相は今ひとつで、物足りなさを感じた。音楽になりたいと願った青年の心理がもう少し欲しい。切なさが伝わるような仕上がりだと評価は★★★★にしただろう。
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過去に読んだ本。大学生の頃に読んだ。
この本を読んでいた時、ちょうど大学のマンドリンクラブの定期演奏会の直前で、関学まで予備のマンドリンを借りにいっていた。
関学の洋風の校舎と、この小説の雰囲気が見事にマッチしていて、非常に強い印象が残っている。