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竜馬は、相手を観察している。
佐々木三四郎は、顔も手足も大づくりな男で、どことなく人を圧する威もある。笑顔も愛嬌もあって、いやみではない。
(相当な人物ではある)
能弁な男で、ニ、三さしさわりのない話題を佐々木は出した。竜馬はむっつりきいていたが、多少失望した。
(頭は、よくない)
佐々木の話しぶりはすらすらと言葉は弾むのだが、独創性がない。一つの概念をしゃべるとき、その内容か表現に独創性がなければ男子は沈黙しているべきだと竜馬は思っている。そのつもりでいままで自分を律してきた。
(薩の西郷や大久保はこの佐々木のようではない)
多少の失望を感じたが、乾退助、後藤象二郎のほかは人材皆無といっていい土佐藩士のなかでは、佐々木などは上等の部類だろうと思ったのだ。(p.47)
「おれは日本を生まれかわらせたかっただけで、生まれかわった日本で栄達するつもりはない」
といった。さらに、
「こういう心境でなければ大事業というものはできない。おれが平素そういう心境でいたからこそ、一介の処士にすぎぬおれの意見を世の人々も傾聴してきてくれた。大事をなしとげえたのも、そのおかげである」
またさらに、
「仕事というものは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分はたれでも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない」(p.331)
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ついに8巻読みきった。長かったが面白かった。
学ぶべきことがあまりにも詰まっていって感無量。
竜馬の先見性にはあらためて関心した。
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この巻をもって長い物語は完結した。竜馬という男の大きさを知り、幕末という時代への興味が大きく沸いた。それにしても暗殺されたというそのことはとても惜しく、悲しい。竜馬が生きていたら、その後の歴史はどうなっていたのだろうか。いまはまだそれを考えるほどの知識がないが、いつか考えてみたい。
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小説なのですけれど、実在と綿密なリサーチによって、すべてが本当のストーリーになっているかのようで、そしてつまるところ、司馬さんの物事を見る高い視点、ジャーナリズムによって人間物語はできあがっているようです。
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読んでいる途中であまりにも中途半端に勇さんがちらほら
出演させられているので、よもやまさか暗殺犯を新選組として書きはしないだろうなと
ちょっと不安になりましたが、まあいくらなんでもそんなことはありませんでした。
なんというか、新選組サイドでこの時代の小説や史料を読んでいる時と、
時間の流れが違って感じられた。
竜馬の方が早くて能動的とでもいうか。
新選組の場合、本来したいと思っていたことをさせてもらえず、
義理や人情で抜けられなくなってきて、嫌な仕事をさせられていて、
という状態から結構後半、どこまでを新選組と言うかにもよりますが、
まあ土方さんの箱館までを考えれば本当に辛い状態で長く感じるし、
更にその後明治まで生き残った人たちのことを考えたら、
例えば斎藤さん改め山口さんみたいな人にとっては、ただひたすらに静かに
口をつぐんで過ごしてきた長い時間。
なんだかそういう、恐ろしい長い旅路が新選組な気がする。
竜馬は、少なくとも司馬さんの書き方ならば、
ちゃんと考えてて、何も考えてなくて、陽気で、
すごいことも軽く平気でやってしまう、みたいな。
竜馬という人が陽気に書かれているから、最期の場面もそんなに
しんみりせずに読めました。
しかし、見るサイドを変えるとひとつの行為がこんなにも違って見える。
それにしても新選組の書き方、ひどい。
もうちょっと中立に書くか、じゃなければ燃えよ剣ではしっかり
新選組サイドに立って書いてくれた方が良かったと思うのですけど。
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このシリーズ、最初本屋で立ち読み読破してしまいました。
最悪の客ですね。
おもしろかったんで〜、しかたなく〜。
・・・・スミマセン。
後に買い揃えました。
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幕末の文化・政治が詳しく分かる本。竜馬の先見性・器のでかさに惚れました。
日本史を勉強した人は、様々な人が出てくるのでそれも楽しめる。
一読の価値あります。
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薩長の武力による討幕の寸前に、竜馬の船中八策に基づく大政奉還が成立する。後藤象二郎の活躍が非常に大きい。薩長の西郷や木戸、公家の岩倉具視を維新政府の頭にし、竜馬は海運業に専念することを思い描き、その半ばで竜馬は暗殺されてしまう。読み終えて、日本やそれを作った人物について、いろいろと考えました。10代のときに読みたかった。
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やっと8巻がやってきた!あまりにも竜馬がすごいので、本当にこんなに先見の明があったのかとちと疑ってしまう、素直じゃない私です。初司馬遼を完読できたので、次は坂の上の雲かな。
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「世に生を得るは事を成すにあり」と考えていた竜馬が、疾風の如く駆けていく様を描いた作品。豊かな計画性を持ち、よのなかを回天させるも、「志とは何か」、「成功とは何か」を考えさせられる作品。
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一気にレビューを書いているので、間は感想らしい感想を割愛した。
小学生の頃、竜馬の伝記を読んだ記憶がるが、今覚えていたのは「竜馬は最後、殺される。」という程度だった。
こんなに奥が深い人物だったとは露知らず。これを機に、他の司馬作品を読んで行きたい。
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慶応三年十月十三日、将軍は大政を奉還すると表明。このあと、維新への道は一気に加速するが、竜馬は・・・。→結末がわかっているから、できれば竜馬の死に近づきたくない!と。矛盾してます。
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「生死は、天命にある。それだけのことだ」
新撰組らの暗殺が激しくなっても恐れることなく、普段どおりの生活をしていた竜馬。で、日本を作る最後の仕事をし、消えた。この時代の人の生き方に尊敬。
あと、近代の日本が始まったのもここら辺からですね。これから世界はどこにむかってゆくのだろうか。
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全八巻。息抜きにも読めるけど幕末の志志たちの倒幕に奔走する生きざまはどう考えても興奮するよね≧≦
1〜4巻はおやつとして
隙間時間につまめます。
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一番読むのに時間がかかった巻。終わらないでくれー と思いながら読みました。
また読みたくなってきた。