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紙の本
大傑作!!!
2002/07/29 00:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了するのが、もったいなかった本は久しぶり!!!!!
まだ読んでいない貴方はラッキーです。これから、こんなに
面白い本を読む事が出来るなんて…。う、うらやましいぞ!
とは言うものの、2000年版このミスの1位作品なので
読んでいる人が多いかも知れませんね(^^; ランキング作品を
敬遠する人も、騙されたと思って読んでみて下さい♪
ベトナム戦争で数々の武勲を打ち立てた、伝説のスナイパー、
ボブ・リー・スワガーは、今はアーカンソー州の山の中に
ライフルと犬だけを友として暮らしている。そんなボブの元に
ある仕事の依頼が舞い込む。新開発の308口径弾を試射して
欲しいと言うものだった。その依頼を成功させたボブは、次第に
大きな陰謀に巻き込まれていく…。
ハッキリ言って、あらすじはさわりのさわりでしかありません。
どんでん返しにつぐ、どんでん返しが続くので、これ以上書くと
ネタバレになるのです…(^^; また、そのどんでん返しの
タイミングが絶妙!う〜ん、十分にどころか、十二分に読書の
楽しみを味わう事が出来ます♪ また海外のエンターテイメント
作品にしては、メインの登場人物が少ないので(これ、個人的には
重要(笑)!)ストーリーが頭の中で???な状態になる事も
ありません(笑) とにかく、問答無用で読むべし!の傑作です!!!
紙の本
銃社会アメリカ
2002/04/09 14:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に『あのボブ・スワガー再び銃を取る!』とあるが、実はボブ・リー・スワガーシリーズの第一弾である。ご承知の方は多いかもしれないが、スワガーシリーズ全五作中(現在のところ。ただし、二作品はボブの父親アールが主人公)日本での出版順序は四番目であった。幸運にも私は本作品から読み始めることが出来たが、これからスワガーシリーズを読もうという方は、本作品から手を付けて欲しい。読む順番が変わったからといって面白さが減る訳ではないが、ボブの背景や環境を知っておくには本作品から手を付けることをお勧めする。
ベトナム帰還兵のボブは退役後、悠々自適な生活を送っていたが、その腕の良さのためにある陰謀に巻き込まれる。ボブは難しい条件下での銃の試射を依頼される。彼は疑念を抱きながらも一味と接触して採用試験をパスし、課題の試射も難なく成功させる。陰謀を企む一味はその試射を成功させることが必要だったのだ。
目的を達した一味は試射直後にボブを殺しにかかる。しかし彼は瀕死の状態ながらも危機一髪逃げ出すことに成功する。死の縁から生還したボブは一味の陰謀を暴きに掛かる。なぜ俺に試射をさせたのか? どうしてあの試射が必要だったのか? ページをめくる毎に物語は急速に展開していく。ページをめくる手はもう止まらないだろう。
アメリカの銃社会を克明に描写している。銃のある生活はアメリカでは当たり前なのだ。狩猟で生活を営む者、趣味で銃を操る者、多くのアメリカ国民が手の届くところに銃を置いていることがよく解る。また個人間での銃の売買も雑誌を介して行われていたりするらしい。
銃のある生活というのはアメリカの文化に等しいと言えるかもしれない。本作品での描写を読むと、日本の様に銃を完全に禁止してしまうことはアメリカの文化を否定することにつながるという意見が出るのも肯ける。
私自身は銃の所有を肯定しない。しかし、読了後に銃の所有を認めるのも有りなのではないかと感じたのも確かである。全米ライフル協会の言い訳じみた論調ではなく、実態として銃が生活とどのように密着しているかを描いているところに新しい驚きが有った。
銃社会アメリカの実態を垣間見ることの出来るエンターテイメント作品である。文句無しのお勧め。
紙の本
これぞ狙撃手
2001/10/18 23:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Jackass - この投稿者のレビュー一覧を見る
一発の銃弾の重みが感じられる読み物。私はこれを読んで狙撃手を目指し、そして成功した。なんちゃって。
紙の本
射程距離0=1000
2001/05/29 05:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:春都 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1キロ以上も離れたところにいる標的を正確無比に撃ちぬき、周囲を埋めつくす敵には目にもとまらぬ速さで次々と銃弾をみまっていく、孤高の主人公ボブ。その卓越した能力を見せるとき、彼自身がライフルになり、ライフルは彼になる。
特筆すべきは、ディティールを緻密に描くことで、いかに常人離れした能力を彼ら狙撃手たちが発揮しているのか、射撃の際にどれだけとんでもないことが行われているのかを、読者に分かり易く表してみせたところだろう。
「引き金にかけた指の力を2ポンドから3ポンドに増した」とか、「数ミリ単位で照準を修正する」とか、想像もできないような状況下で彼らは戦っており、それができなければ超遠距離射撃などという芸当は不可能なのだ。
そしてその瞬間にのみ成立する、銃と人との一体化。もはや悪だの正義だのといった倫理観は存在しえず、ただただ射撃の「純粋」が見えてくる。これはそういった意味で、銃規制とそれに反対するガン・クレイジー間の争いとは一線を画した、しかし真摯に「銃」を語っている作品と言える。
作者のもつ描写力とセンスをそこなわない、なめらかな文章の翻訳も評価したい。いやいや、おもしろかった。主人公ボブはシリーズキャラらしいから、ちょっと追っかけてみたくなった。
「血沸き肉躍るアクション小説」、このありふれた言葉がもっともよく似合う。
紙の本
これぞエンターテイメント!
2001/03/24 05:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:旅歌 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これぞエンターテメント。文句無く楽しめる。上下2巻でちょっと長いけど、長さが全然気にならない。…でも……ラストは引っ張ったなぁ。物語の中に仕掛けがいろいろある。それは時限爆弾みたいなもんだから、より劇的にってのも頷けるんだけど、あそこまで引っ張らなくてもね。。そんな仕掛けといえば、ダイイングメッセージまであるのだ。これで本格物の読者まで射程に入れたか…射程は大きく…極大射程…って(^^;;;。
何といっても、練りに練られたストーリィが抜群におもしろい。伝説のスナイパーボブが罠に嵌められ、大統領暗殺犯の汚名を着せられる。そして、もう一人の主人公と交錯する。FBIのニックだ。ニックもまた運命に翻弄される。間一髪逮捕を免れたボブは自らの汚名を削ぐため、愛する人を守るため、陥れた組織を相手に戦争を仕掛けていく。
この大胆な戦争を仕掛けていく主人公ボブの信条は、
「自分や自分の大切なものを傷つけようとしている相手以外は、誰も傷つけてはならない」
「自分の義務だと思えることをする」 このふたつだ。
これはまるでハードボイルドのヒーローのセリフだが、ボブのストイックさはハードボイルドそのものといえよう。銃という武器を持つ者の誇りを端的に表している。この信条を胸に、ボブは人間離れした殺傷力で数多くの窮地を切りぬける。
作者は「ワシントン・ポスト」の映画批評欄のチーフらしい。だからなのかどうかは解らないけれど、時間経過や場面転換がやけに映画的。騙し騙されの殺戮ゲームはドラマチックに進行し、長いエンディングの末迎えたラスト。大きな時限爆弾が爆発するのだ。賢明なる読者はとっくに気がついているんだけど。これで良いのだな。
それにしても、、それにしても、アメリカにはこんな銃オタクがウヨウヨしてるんだろうか? 作者からしてが大変な銃知識。この本に書かれた銃に対する薀蓄は楽しめる人とそうでない人がいることだろう。武器を持つ人間にはボブ・リー・スワガーのようなダンディズムが必要なのかもしれない。物語そのものに銃天国アメリカの言い訳めいた一面を見たような気がしたのだけれど…
日本では不遇の作家-スティーヴン・ハンター。邦訳順がめちゃくちゃで古くからのファンはかなりご立腹。この物語は伝説の名スナイパーであるボブ・リー・スワガー物の第1作にあたる。続く作品の『ダーティホワイトボーイズ』『ブラックライト』が先に翻訳されて、しかも、どれも「このミス」では上位入賞。怠慢だよなぁ。一体誰の?