電子書籍
豊かさの影を垣間見る
2019/12/01 18:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブン - この投稿者のレビュー一覧を見る
20年以上前の著作で今のネット社会との齟齬も感じるし、
文章表現力にも違和感感じたが、生活保護制度の現状、受給者たちの生態、
更には苦闘するワーカーたちの姿など興味深く読むことができた。
投稿元:
レビューを見る
図書館で何気なく手にとって読み始めたけど、
とてもいい本だった。
生活保護行政について、ケースワーカーの目線で書かれている。
『生活保護』を受けている人たちを一くくりにして批判するのは簡単だけど、
現場ではいろいろなケースがある。
ケースワークをすることの難しさ、貧困とは何なのか、生活保護はどうあればいいのか、
いろんな問題を提起してる。
ちょっと古い本だから、今はもっと状況は複雑かな・・・
とは思うけど、テーマは古びていないと思います。
投稿元:
レビューを見る
制度として「悪いものである」という前提で語られる際に、「悪い」という価値判断が一体現実に置けるなにを指しているのかがはっきりしていないために起きる多くの誤解やいわれのない批判。生活保護のなにがいけないのか、ということについて制度をきちんと知って、その制度が向かい合っている現実を知って、それからもう一度、批判をするならしてほしい、と思う。
投稿元:
レビューを見る
この本が出版されたのは1994年。とても福祉事務所のケースワーカーをケースワーカーの視点から考察する本は、当時としては特に珍しかったのではないかと思います。
完全ノンフィクションではなくて、細かいやり取りや心情などは、ところどころ筆者のフィクションが混じっているのだと思います。それでも、当時も今も数少ないタイプの本なので、貴重です。
ちょっと前のケースワーカーは結構大胆なことをやっていたんだなぁと思いました。保護費の日割り渡しなんて、今やったら確実に問題になりますしね。それに、ケースの人とパーティーするとか、にわかには考え難い。でも、それをそれなりに情熱を持って取り組んでいた人たちが、確かにいたのでしょう。その上に、今のケースワーカーたちが乗っている。
☆を4つしたのは、フィクションと思われる部分が非常にロマンチシズムたっぷりな書き方になっていること。書くんなら、もっと生々しい方が良かったのかと思います。一応ルポなのだから、小説になってしまうと逆にもったいないですからね。
「彼らはいずれも、他人との関係を失い社会の中で孤立してしまった寂しい人たちだった。彼らに必要なのは、最低生活を保障する生活保護費よりも、本当は隣人や家族や社会から受容され認められる、ということだった」(p72)
投稿元:
レビューを見る
考えさせられる本でした。
生活保護って社会に必要なものだと思うけれど、不正に受給する人もいる。生活保護を受けながら一生懸命自立の道を探す人もいれば、働かず保護で暮らして行こうとする人もいる。
何らかの理由で受給出来ないと言われると、死を選ぶ人もいる。そうするとメディアはこぞって福祉事務所を責め立てる‥。
ケースワーカーというのは大変な仕事だな。
投稿元:
レビューを見る
本書で知った衝撃の事実:ケースワーカーはなりたくてなる人ばかりじゃないこと。地方公務員になって配属されてなったというケースワーカーもいる。仕事がケースワーカーを育てる、ということなんだろうけど、もうそういうのは機能しなくなるのでは。
投稿元:
レビューを見る
福祉事務所で生活保護の給付を担当する、ケースワーカーの人々の苦悩を書いたノンフィクション。単行本は1994年発行なので、ちょうど20年前に書かれた本。
嘘をついたり、酒におぼれてたり、暴れたりと、一筋縄ではいかない人達を相手にする大変さは、想像するにあまりある。かなり過酷な仕事で、従事されてる方たちには頭が下がる思いがした。
何か事件があるごとに、大して実情を調べもせず福祉事務所をたたくマスコミのどうしようもなさも、とても印象深かった。ほとんどの人たちは、情報を鵜呑みにして本質を知ろうとしない。 マスコミを疑う気持ちはとても大切だと思う。
普段触れる事のないケースワーカーの仕事を知れる、とてもためになる本でした。