- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
シロナガスクジラより大きいものっているの? みんなのレビュー
- ロバート・E・ウェルズ (さく), せな あいこ (やく)
- 税込価格:1,540円(14pt)
- 出版社:評論社
- 発売日:1999/04/01
- 発送可能日:購入できません
絵本
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
大きく壮大な「宇宙」のおはなし。比較と比喩がおもしろく、想像することを可能にする絵本
2011/07/13 13:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ふしぎだな?知らないこといっぱい」シリーズの一冊。
地域の親子読書会で、小学6年生に選書した絵本です。
「絵を見るだけじゃなくて、ちょっと頭の中で想像してみてね」と読み始める前に言ってみました。
タイトルが印象的です。いったい何のことが書かれているのか、と思いますよね。
シロナガスクジラそのものではない、とは想像がつきますが。
「宇宙」のことが書かれているんです。シロナガスクジラは大きさの基準です。
最初に文字だけのページがあり、この本には宇宙のこと、そして大きなもののことが書かれていると説明があります。
まずここで、途方もない数について、あらためて認識させられてしまいます。
どのくらい大きな数か、ということの例として挙げられているのは「数を数える」ということ。
100まで数えるとだいたい1分かかる。
1000まで数えると12分くらいかかる。
100万まで数えると、1日に10時間数え続けたって、3週間はかかる。
10億まで数えるなら、毎日12時間数えつづけても、50年以上かかる。
…そんなこと、考えてみたこともありませんでしたが、なるほど、そういうことなのか。
わたし自身が、はぁ~っとため息つきながら納得してしまいました。
おはなしは、シロナガスクジラの大きさの説明からはじまります。
そばにいるのは、ゾウ、ライオン、馬。大きさの比較として、さらに観客としての役割もあるかな?読者といっしょになってシロナガスクジラの大きさに驚いているようです。
シロナガスクジラは尾びれのところだけでも、地球上のたいていのいきものより大きい。
そんなに大きなシロナガスクジラをものすごーく大きいびんに、100ぴきずつ入れたとして…
そのびんを、ふたつずつ、またまたものすごーく大きな板の上にのせたして…
その板を、10枚重ねて、もうびっくするくらいの高さにまでつみあげたとしても…
エベレスト山の上にのっけてみたら、こんなに小さくしか見えないんだよ!
と、大きいはずのシロナガスクジラ入りのびん(板に乗せて10枚重ね)がとても小さく描かれています。
ページをめくるたびに、大きくなったり、小さくなったり。
読み手は、絵本を横から縦にしたり、また横に戻したり。驚きも高まっていきます。
シロナガスクジラ→エベレスト山→地球→太陽→アンタレス→銀河→宇宙
と、大きさの比較は続きます。
伝え方がとってもおもしろいんです。
地球を袋に入れたり、太陽をオレンジと見なして箱詰めしたり。宣伝文句までついています。
途方もないほどの大きさが、可笑しなたとえのおかげで、想像ができるようになる。
これってすごい!
最後は、宇宙の大きさについて、本当のところはまだわかっていない、と締めくくられていますが、文章はこんなふうに書かれています。
「だけど、すくなくともこれだけはわかったよね、
うちゅうは、シロナガスクジラより、
うんとうんと大きいってことがね。」
これは4月のおはなしタイムで読んだのですが、最中にマグニチュード6.3のかなり大きな余震があり、読むのを一時中断しました。
揺れがおさまり、続きを読み始めたのですが、ざわざわしていた子どもたちも、すーっと本の内容に入り込んでいきました。
誰もが経験したことのない規模の東日本大震災から、まだ1か月しか経たない時期。
揺れると、怖い!と縮こまってしまいます。子どもに限らず、おとなだって。わたしは余震のたび頭痛が起きていました。
でも、この本は、縮こまってしまった気持が大きく、大きく、広がっていきそうな壮大なおはなし。
ちょうどいいタイミングだったかもれません。
深呼吸して、空を見上げたくなります。
からだや気持がなんだか縮こまってきてしまったら、またこの絵本を開いてみたいと思います。