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短篇集って言うか傑作集だよね。収録作のどれもこれもみんな傑作だと思う。2chの鮎哲スレで評判の高いのはどれも良かったし島荘のときはあんなにいやだった本格以外のお話もかなり楽しんで読めた。やっぱこの人凄いよ。個人的に好きなのは「赤い密室」「下り“はつかり”」「誰の死体か」「他殺にしてくれ」「達也が嗤う」かな。
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密室・アリバイ・フーダニット……サブテーマや展開の形を変えても、「本格」に対するスタンスは不変である。論理性で感服するもよし、絶妙なタイトルの余韻に浸るもよし、色んな楽しみ方が出来る。有栖川有栖氏曰く「容赦のない完成度」…この一言に尽きる。
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表題作含む11編の短編集。
赤い密室・誰の屍体か・達也が嗤うなど、
読んだ後にうなってしまいます。
これは読んでおいて損はないと思いますよ。
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名作中の名作。鮎川哲也氏の作品は、本格ミステリ作家にありがちな「トリック一辺倒」という印象を抱きません。本作はその中でも、整然としていて読み応えのある作品です。
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『地虫』
花の精に恋した男の末路。
『赤い密室』
星影龍三シリーズ
密室で見つかった香月るり子のバラバラ遺体。遺体を包んでいた新聞から割り出された死亡推定時刻。妊娠1カ月の被害者。運び込まれた棺。被害者の交際相手・浦上とライバル・榎。そして浦上の元恋人伊藤ルイ。解剖台の上の遺体、胴体と左手の入ったカバンの謎。
『碑文谷事件』
鬼貫警部シリーズ
殺害された女優・山下小夜子。被害者の夫・山下一郎の九州から東京へ向かう電車の中にいたというアリバイ。一郎が電車の中で乗り合わせた大池宣造に通過駅の「島田」「磐田」を読みこんで読んだ俳句の謎。事件発覚後タクシーを待たせ入れ替わったと思われた一郎。
『達也が嗤う』
殺人が起きた屋敷。犯人が分かったと笑う達也。その達也も殺害される。題名に隠された秘密。
『絵のない絵本』
結婚するために3人の愛人を殺害した男の末路。しゃべる鶏の復讐。
『誰の屍体か?』
鬼貫警部シリーズ
送り付けられる硫酸の瓶、ピルトル、ヒモ。発見された死体。首がなく手が薬品で焼かれている。
『他殺にしてくれ』
自殺したと思われる自分の夫を他殺だと証明してくれと依頼された探偵。死体は顔が緑のペンキで塗られていた。
『金魚の寝言』
殺害された支店長の謎を調査する男。
『暗い河』
ゆすられた陶芸家の女。橋のたもとでアリバイつくり。東京になれていない証人。
『下り「はつかり」』
鬼貫警部シリーズ
殺害された河井武子。目撃された千家和夫。麻薬に依存していた武子に強請られていたと思われる千家。武子の正体にかくされた秘密。千家のアリバイを証明する下りの急行「はつかり」の写った写真と千家の手編みのセーターの謎。
『死が二人を別つまで』
遺産を相続した老女の結婚に隠された秘密。
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全体的にレベルが高いが、「誰の屍体か」「死が二人を別つまで」が特に好き。前者は魅力的な発端と、たったひとつの証言からドミノ倒しのような論理で導かれる逆説めいた結論が鮮やか。後者は、「ところが、主任はその一歩先を読んだのですな」で始まる、536ページ4行目からの一連の流れがすごい。論理に鬼気迫るものがある。
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巨匠・鮎川哲也の短編傑作選。本格ミステリではない幻想文学からバリバリのフーダニットまで、縦横無尽な奇想の粋が味わえる。中篇・短編といえども侮ることなかれ。凡庸な作家なら大部の長編にふくらましそうなトリックとプロットを、無駄を一切省いて簡潔にまとめあげる構成の妙と美文に酔う、至福のミステリ読書体験があなたを待っている。
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密室、アリバイ、フーダニッド、犯人当て、幻想文学といろんな鮎川短編が楽しめる1冊。
私の中で鮎川作品は、読んだ直後より、後から思い返すたびにじわじわと作品の凄さが味わえるという印象(たぶん、自分の中でプロットやトリックが消化されていくからだと思う)です。
後は、甘いものが食べたくなりますな。羊羹とか。
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鮎川哲也ってのは根っからのトリックメーカーだな。 小説としてはどうにも古臭いが、トリックだけは買える話が多い。 「赤い密室」「誰に屍体か」「死が2人を別つまで」 あたりが印象に残った。 (でも時刻表物は苦手だ)
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鮎川哲也氏の短編を、北村薫氏が編纂した作品。
11の短編・中編でまとめられている。
語り口や時代背景が現代と異なっているが、それでも非常に読みやすい。
きっかけは「達也が嗤う」を読んでみたくてずっと気になっていたからだが、
その他では特に、「赤い密室」「誰の屍体か」「死が二人を別つまで」などは完成度がとても高い。
「達也が嗤う」は舞台設定を最大限に利用したトリックで見事に引っかかってしまったし、
「誰の屍体か」は散らされた伏線回収がスゴイに尽きる。
どうやったらこんなプロットを組み立てられるのか…脱帽。
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最初に出てくる作品は
ミステリーではないので、ちょっと期待できないかな、
と眉をひそめてしまいましたが最終的には
面白かった、といえる作品です。
と、言ってもひねくれもののわたしは
ワルな男が活躍する「他殺にしてくれ」が
気に入ってしまったもので。
彼の最後の仕打ちは強烈です。
きっと該当の方は鼻面を折られ
プライドをずたずたにされたに違いありません。
ほかにはフェアだけれども
人によっては怒りかねない
「達也が嗤う」がお勧めです。
よく文章を読んでみましょうね(笑)
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10年くらい前に買ってたのをやっと読んだ。
鮎川哲也は若いうちはわかんないよね。
あと一番最初に収録されてるのが地虫ってのは読む気なくなる原因な気がする。
他の何作か読んで、鮎川哲也はすごいと知ってるから我慢して読んだけど。
でも他は名作目白押しなのでそれ以外はいい。
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はじめ「地虫」を読み終わった時にはこれは読むの時間かかりそうだなぁ。と思っていましたが、それ以降はスラスラと読むことができました。
短編ですがトリックが秀逸です!
時刻表トリックは苦手です笑
文体が古臭いものもありますが、トリック好きの方は楽しめるんじゃぁないでしょうか。
地虫 ★★☆☆☆
赤い密室 ★★★☆☆
碑文谷事件 ★★☆☆☆
達也が嗤う ★★★☆☆
絵のない絵本 ★★☆☆☆
誰の死体か ★★★☆☆
他殺にしてくれ ★★★☆☆
金魚の寝言 ★★★☆☆
暗い河 ★★★☆☆
下り"はつかり" ★★★☆☆
死が二人を別つまで ★★★☆☆
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全体的に面白いけど特に、「赤い密室」「達也が嗤う」「誰の屍体か」「他殺にしてくれ」の完成度は別格といってもいいんじゃなかろうか。
ミステリのエッセンスが大量に盛り込まれており、今の新本格界隈にも多大な影響を与えていると思う。
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地虫
別冊宝石 1949年12月
赤い密室
探偵実話 1954年8月
碑文谷事件
探偵実話 1955年11月(原題 緋紋谷事件)
達也が嗤う
宝石 1956年10月(原題 達也が笑う)
絵のない絵本
探偵倶楽部 1957年3月
誰の屍体か
探偵倶楽部 1957年5月
他殺にしてくれ
探偵倶楽部 1957年11月(原題 ベッドの未亡人)
金魚の寝言
オール讀物 1959年5月
暗い河
週刊サンケイ別冊 1961年3月
下り"はつかり"
小説中央公論 1962年1月
死が二人を別つまで
推理ストーリー 1965年7月
作品ノート「赤い密室」
立風書房「鮎川哲也長編推理小説全集1 黒いトランク」 1975年7月
作品ノート「碑文谷事件」
立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集1 五つの時計」 1979年4月
作品ノート「碑文谷事件」
徳間書店「鉄道推理ベスト集成第3集 復讐墓参」 1977年9月
作品ノート「達也が嗤う」
立風書房「鮎川哲也長編推理小説全集6 風の証言」 1975年12月
作品ノート「絵のない絵本」
読売新聞社「鮎川哲也自選傑作短編集」 1977年1月
作品ノート「金魚の寝言」
立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集1 五つの時計」 1979年4月
作品ノート「暗い河」
立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集2 青い密室」 1979年6月
作品ノート「下り"はつかり"」
光文社「鉄道ミステリー傑作選 下り"はつかり"」 1975年6月
作品ノート「死が二人を別つまで」
立風書房「鮎川哲也短編推理小説選集3 プラスチックの塔」 1978年11月
わが道を行く苦労人 大江久史
宝石 1961年12月
解説 北村薫
光文社「硝子の塔」 1987年10月
鼎談 有栖川有栖 北村薫 山口雅也