紙の本
『地上最高のゲーム』は必読です
2003/02/05 21:59
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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうていあり得ない、どうしようもないようなミステリもけっこうあるのですが、そんな作品までもが魅力の一つになっている、カルト的な人気のあるミステリ作家、ディクスン・カー。私もそんなファンの一人ですので、本の帯にあるような「幻の傑作」などと見るともう黙っていられません。さっそく購入、読んでみました。
短編4作に、ある本の序文に書いた『地上最高のゲーム』が収録されています。
短編のほうは、それぞれ、長編『夜歩く』の元になった本格ミステリ、ホラー、歴史ロマンス小説、ショートショートのミステリで、カーの特色と嗜好がよく出ているラインナップです。が、4作中3作が学生誌や新聞に発表されて以来、再録されたことがなかった作品とのことなので「幻」というのはわかりますが、「傑作」かということになると、う〜ん…。「傑作」と期待せずに、「カーのもっとも早い時期の珍しい作品」として読んだほうがいいでしょう。
本書での一番の読みどころは、『地上最高のゲーム』のほうでしょう。これはカーが編纂した『十大傑作探偵長編』の序文のために書かれたエッセイなのですが、この本は結局出版されないまま、序文のほうもずっと陽の目を見なかったのだそうです。もちろんこの『地上最高のゲーム』というのは読者にフェアな本格ミステリのこと。十傑に選ばれるはずだったミステリとその作家のこと、ミステリ全般のこと、ノックスの十則ならぬカーの四則など、カーのミステリに対する姿勢や思い入れ、熱意がビンビンと伝わってきます。カーのファンならずとも必読です。
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『グランギニョール』
『悪魔の銃』
『薄闇の女神』
『地上最高のゲーム』
エッセイ
2002年1月20日購入
2002年3月2日読了
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読んだことあるっけ?というくらい
既視感のある表題作。
当時は革新的だったのかもしれないが……そうでもないか。
おどろおどろしいいやーな雰囲気はカーならでは。
容疑者全員を椅子に縛り付けて猿轡を噛ませる奇人探偵。
皆素直だなー。
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「不可能犯罪の巨匠」ジョン・ディクスン・カー。デビュー作「夜歩く」は有名(らしい)が、こちらの表題作はその原型となったもの。パリでかつて興行のあった、残酷劇に題を取っている。パリのカジノである晩、衆人環視の密室で起こった首切り殺人。一見不可能に思われるこの犯罪の謎に立ち向かうパリ警視庁のバンコラン警部…という、旧き良きミステリー。小学生の頃読んでいた、いわゆる“推理小説”を思い出した。
短編集で、表題作他3篇。が、表題作以外で一番面白く読んだのは、カーによるミステリー論とも言うべきエッセイ「地上最高のゲーム」。書かれたのは今世紀前半のことなので当然時代は感じるのだが、それはそれで、自分のようなミステリ初級者には手引きとしても面白く読めた。
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「曲がった蝶番」が割と面白かったので、読んでみようと思って読む。
表題作「グラン・ギニョール」、緻密さこそ欠けるけれども勢いあるちょっとグロテスクな作品だったものの、私は結構好きだった。
一番最後にあった探偵小説についてのエッセイも興味深かったなぁ。
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デビュー作『夜歩く』の原型となった中編。『夜歩く』は未読。
100ページほどの短さながら、読み応えのある、内容の濃い作品。この解決シーンは印象深い。
そして何より、海外ミステリに関するエッセイ「地上最高のゲーム」が素晴らしい。
海外ミステリのガイドブックとして、自分が求めていた内容。ここで紹介されている作品を読み進めていきたい。
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アメリカのミステリ作家、カーの短編集。初翻訳のものもあるよう。
収録は、表題作「グラン・ギニョール」密室首切り殺人にバンコランが挑む。「悪魔の銃」襲い来る悪魔、その正体は。「薄闇の女神」顔も知らない相手に焦がれるという悲劇。「史上最高のゲーム」ミステリ評。ミステリとは読者にたいしてフェアでなくてはならないという、カー節。北村薫さんのコメントつき。
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この小説の見どころは、容疑者全員を一部屋に入れた心理的実験(椅子にくくりつけ、サルぐつわ、目隠し、灯を消し音と話し言葉で再現していく方法)を行うところだ。人間の恐怖心を煽る仕法、恐怖を持ったものは再現されることを恐れ自ずと自白へと導いていく、を取ったことだ。 現代でも目隠しされ完全に闇になると恐怖心・嘘から誘導(周りが気になり)される可能性は高いかもしれない。
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アンリ・バンコラン『夜歩く』の元となった幻の傑作中編「グラン・ギニョール」を紹介するために日本独自で編纂した作品集です。スッキリとエッジの効いた中編でバンコランの追い込みの恐怖感はこちらが上です。長編を既読の方も楽しめます、是非読んでみてください。併録は、「悪魔の銃」コズミックホラー、慣れない人もいるのでもっと後ろに置くべき「薄闇の女神」いわゆる歴史ロマンス「ハーレム・スカーレム」気の効いたショート・ショート・ミステリ「地上最高のゲーム」エッセイでカーの考え方が笑えナルホド感ありますが、ネタバレ危険。