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僕の永遠の憧れ、マイケルジョーダンへの密着ドキュメント。
シカゴブルズで3ピートを果たした直後、突如としてメジャー・リーグへの挑戦を表明し、世界中を驚愕させたマイケル・ジョーダン。
なぜNBAを去ったのか、スーパースターは野球に何を求めたのか…。
マイケル・ジョーダンに、人気コラムニストが密着取材しただけあり、世間に知られていない出来事、MJの内面が十分に描かれていて、とても読み応えのある作品。
単なるスターではなく、世界のスーパースターには常人には計り知れない悩みがあり、その中で見える人間らしさにすごく泣けました。
まぁファン以外には興味がないと思いますが…。
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僕に遺産はない、僕には僕の人生があるだけだ ―――。
私たちは、曖昧な価値観のもと生きています。そのため、必要以上に賞賛をうけることもあれば、理解に苦しむ理由で嘲笑にさらされた経験もあると思います。そのような時代に生きているからこそ、他人の声に左右されない主人公の生き様は、胸に迫るものがあります。
NBA(アメリカプロバスケットボール)史上最高の選手と言われたマイケル・ジョーダン。本書は彼がNBAでの栄光を捨て、MLB(大リーグ)に挑戦するところから出発します。優れた運動能力を持ちながらも戸惑う彼の姿は、中年になってから始める新生活が、とても困難であることを物語りました。そのような過酷な環境におかれても、繰り返される失敗を成長の糧にしようとする前向きな姿勢は、読者に勇気をあたえてくれます。
知人や面識のない人まで、広範囲に及ぶ心の動きが描かれている点で、本書は他の自叙伝と一線を画しています。
多くの有名人が周りの人々から称賛を浴び続けることで自分を見失う一方、ジョーダンはひたむきに自分の人生を歩み続けます。なぜ、世界の最高峰で賛辞をしめされ続ける生活ではなく、険しい道を選んだのか。そこには周りが望む答えではなく、彼らしい答えがありました。
辛い時はいつも読み返している一冊。
自分らしい生き方を考えるヒントが、この本にはあります。ついつい周りに流されてしまう方、必読です。
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今さらながらに古本屋でたまたま見つけたので手にとって読んでみたわけだが、評判通りの硬質な文章だ。
少なくとも表層的には極限まで主観というものを削ぎ落とし、また伝聞形式も使わず、著者が実際に取材対象者と接した日々の記録、という表現が最も近い。
そういった意味では非常に読みやすく、また大上段に構えたリポートには決して反映されないであろう瑣末なやりとりなんかも窺い知れて、MJ信者にはたまらない一面もある。
であるから他方、全体構成は練り上げられたものではないのだが、一見事実の羅列に過ぎないと思わせながら、巧みに著者の想いのようなものをちゃんと随所に組み込んでいるのが上手い。
作中に入れ込む事実の選択というものに、確実な著者の意図を感じる。
ただ、節目節目に登場する叙情的な文章すらもこうなったら排してしまって、いっそハード一辺倒のルポタージュを読みたかったような気もする。
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MJが野球に転向する、というニュースは
当時はさほどNBAに興味がなかったせいもあって
まあ言ってみればミッキー・ロークのボクシングと似たようなモンかいな、程度の認識しかなかった
でもそれはあまりに失礼な、ほとんど彼の存在をボートクするような認識であった
MJは、ほんとうに誰も、誰よりも本人が予期し得なかったろう不幸な死に方をした父の霊を昇華したかったのだと思う
栄光に満ちあふれた23番を捨て、しかしそれに引き続く栄光を(自分の中に)持たせようとしたのか
新しい45番をつけて彼は臨んだ
けれど45は23に遠く及ばなかった
そのことを痛感した上で、かれは敢えて45をつけて
ゴールの下に戻ってきた
父さん、やっぱりここが僕の場所
ここにいる僕を見ていてください
でも、ハルバースタムのMJ伝には彼の父親の言葉が引用されている
「リトル・リーグ・ファミリーにはなりたくなかったね。別に野球にこだわってなどいなかったさ。」と
それでも、そんな言葉の陰にかくされた父親のほんとうの望みを、MJは感じ取っていたのかなぁ