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エラリークイーンの国名シリーズをなぞる有栖川有栖の国名シリーズ。
私は彼の国名シリーズの中ではこのブラジル蝶が一番好ましく思う。
そもそも作家自身が短編向きであり、
長編になると如何しても間延びしてしまう印象を受けるのだが、
それでもこの短編集は良作と言えるだろう。
探偵役コンビの掛け合いのテンポの良さは毎回のことながら、
特に『鍵』というタイトルの作品が一番肌に合った。
減速せず最後まで読ませ、最後の種明しもスマート。
(蛇足だが、この作品はある特定の人種にのみ、
途中で鍵の謎がわかるかも知れない。因みに私は思いよらなかった。)
是非、有栖川有栖を始めるならこの一冊を、と勧めたい。
(しかし、有栖川有栖は推理小説よりもリアルな恋愛小説向きだと思う)
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火村英生シリーズ
『ブラジル蝶の謎』
消費者金融の社長の弟。兄と対立し世間から隔絶した小島で生活していたが兄の死で帰宅。兄の関係者に挑戦を叩きつけた夜に殺害される。現場の壁に張られたブラジルの蝶。被害者の握る携帯電話の秘密。
『妄想日記』
火をつけられ死んだ被害者。3年前に起きたひき逃げ事件と分裂症の被害者。被害者の義父母の秘密。
『彼女か彼か』
女装癖のある被害者。被害者をとめたという女の証言。被害者と遺産でもめる隠し子と従姉妹。男性をめぐる女性と対立。
『鍵』
パーティの終了後一度帰宅したはずの秘書が庭で殺害され発見される。社長の息子の婚約者のイヤリング紛失騒動。現場に残された謎の鍵。
『人食いの滝』
「人食いの滝」と呼ばれる滝付近での墜落死。雪に残された足跡。被害者の真新しい長靴の秘密。映画撮影隊と夏に起きた女優転落死の関係。
『蝶々がはばたく』
温泉旅行に出かける火村、アリス。火村の遅刻で乗り合わせた乗客との会話。かつて消えた恋人たちの秘密。浜辺の別荘から消えた二人。砂浜に残らなかった足跡の秘密。
2010年4月4日再読
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・ブラジル蝶の謎
関係ないけど、標本ってグロいよね。あれを見ると、キレイだと思う前に刺された蝶を思って顔をしかめてしまう…
・妄想日記
短編だけど、「この人が犯人?こっちかな?」と思いながら読みました。有栖川さんに限らず、最初はみんな犯人に見えないから哀しいよね。誰かが罪悪感を抱かずに他人のフリをしているわけだし。
・彼女か彼か
蘭ちゃんはもう出てこないのでしょうか。すごく好きなのに
・鍵
うわあ、有栖川さんが下ネタ(?)を言いよった!とか思いました(笑)
でもわかっちゃう私もどうなんだ(笑)まあ、トリックのネタに使うくらいだから普通に常識なんでしょうが
・人食いの滝
これ、アリスと火村の二回目のフィールドワークなんですね。前回は居合わせたから仕方なかったけど、今回はどうしてアリスを連れて来たんだろ。知りたかった
・蝶々がはばたく
最後が…。私は事故が起こった当時、日本にいなかったのでホントに記録としてしか知らないのですが、色んな人に衝撃を与えたのだなあ、とひしひしと感じます
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◆あらすじ◆
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。
何のために蝶の標本が天井に移されたのか。
鮮烈なイメージの代表作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリ全六篇。
読者待望の<国名シリーズ>第三弾!
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国名シリーズ第3弾 火村・アリスもの。
短編集。
“蝶々がはばたく”が一番気に入ってます。
安楽椅子探偵モノっぽくて。
ミスターマリリン 蘭ちゃん
担当さんを「新キャラできましたねぇ」と言わしめていたみたいだけど、
すごく同意。また出て来てほしいな、と思う。
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国名シリーズ第三弾。
『ブラジル蝶の謎』『妄想日記』『彼女か彼か』『鍵』『人喰いの滝』『蝶々がはばたく』
の六編を収録した短編集。
実はコレもしっかりと覚えていません(´ω`;)
ただ『人喰いの滝』だけは覚えていて、
何かもう一味足りない感じがしてモヤモヤした記憶があります。
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驚愕!とか、唖然!とかって作品は残念ながらないけど、全作品アベレージといった作品集。
「ブラジル蝶の謎」
蝶を天井に貼り付けた理由はともかく、もう一つの論証に関しては多少抜け道があるんじゃないかと思ったり。
「妄想日記」
死体が焼かれていた理由は納得。でも、そこまで到達するのために必要な知識は、万人が持ってるものとは言いがたいのでは・・・・・・。
「彼か彼女か」
ストンと自分の中で落ちる結論でした。結構良かったな。
「鍵」
……それを文章の中で読んだのは初めてです。びっくり。
「人喰いの滝」
トリックを理解する
のにちょっと時間がかかったけど、言われてみれば納得。それを実際に行っている光景を想像するとなんとなくいじましい気持ちになりますがw
「蝶々がはばたく」
これも、推理を聞いて納得のいった作品の一つ。面白がって言いかは分かんないけど、面白かった。
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表題作が美しい~。
色々な試みがされていて、楽しい短編集ですなぁ。
秘密の鍵が・・・さすがに分からんかったですわ・・・
オカマちゃん好き♪
しかし、大体派手なトリックは目くらましというパターンが
出来てきたのかしら・・??
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アリスの作品は大阪の実在の場所が出てくるので、大阪市民の私にとってはなんか親近感が沸いて読みやすいです。
本格推理のど真ん中の名手。
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蝶が天井を埋めた部屋で、男は何故殺害されたのか(表題作)。全六篇から成る国名シリーズ第三弾。
有栖川短編は一冊で何度でもフェアミステリを楽しめるので大好きです^^表題作は勿論、「人食いの滝」の情景がとても綺麗^^
「彼女か彼か」は、EQフリークを自称する著者ならではのロジックが光っています。 容疑者の供述に見出した一点の綻びから真相を見抜く、安楽椅子探偵テイストの話も大好物^^
あとがきの有栖川さんの言葉も印象に残ります。本当に良心的な作家さんだよなぁ…
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美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリ全六編。読者待望の<国名シリーズ>第三弾!
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短編集。ラストの「蝶々がはばたく」は、途中笑ってしまったのだがホントのラストの行に言葉が詰まった。ちょうど先日がその日だっただけに感慨深い。
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読みやすい話だった。推理小説は楽して読みたいタイプだから、推理とかじゃなくて叙情重視の方が嬉しい。それにしてもタイトルの付け方が上手いなあ。
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ミステリーとしての設定や、トリックは結構好きです。
ただ、「人喰いの滝」のトリックはちょっと分かりづらかった……かな?
私としては、ラストの「蝶々がはばたく」が一番好きでした。
アリスがなんか可愛い。頑張って自分の考えに突っ走りすぎて火村先生に一刀両断されちゃうとこが。
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何年ぶりかまったく思い出せないほど久しぶりに読み返した。ここ最近のハードカバーの帯に「エレガンス」という文字が躍っていたことを思い出す、いろんな意味で佳作ぞろいの1冊。内容を半分以上忘れていたので、逆に楽しめるとおもしろがっておいた。『鍵』に有栖川さんらしさがでているのと、『蝶』で作品をはさんだというのがまた洒落ている。特に内容が飛んでいた『蝶々がはばたく』は、いま読むと響くものがあり……。悲劇を奇跡の住処とするのはわたしも賛成できないけれど、悲劇だらけでも奇跡は歌うのだ、と信じたい。いや、信じている。
2011/10/24