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一九一〇年、二十七歳で単身渡仏し、第二次世界大戦中もパリに留まり、戦後帰国したが、一九四八年民間人としては戦後初めてのフランス入国のヴィザを取得して再度パリに戻り、以後フランスに留まったチェルビ菊枝さんの一代記だ。この本の中で久生十蘭とも交友があった今日出海(本人も作家で初代の文化庁長官で作家、今東光の実弟)とフランス航路で同船し「林芙美子は僕の好きな人」と告白されたくだりなどはとても新鮮だった。
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好きなことが本当にあって、一途に生きた人は
とても魅力的だ。この本の著者も、そんな人の一人。
戦前の日本で外国語を極めることも大変だったろうし
第二の故郷と言える場所を見つけ得たことにも敬意を感じる。
心のイキイキしたところや行動力・
教養が彼女を支えていたのだろう。
恵まれた環境で、しっかりした人生の基礎を築いたから
こそ、送れた人生だったとしても
こんな格好いい女性もいるんだなって知るのは爽快なことだ。
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妙先生からお借りした本。
日本とフランス両国を愛した人なので、フェアな目で書かれていると思う。それが良かった。
そして、戦争を通して、人間とは仕返ししなければ気のすまない、そして自分より弱いものをいじめる生き物なのだなと感じた。
だから、「許す」ことの大切さを痛感し、「愛は忍耐」「許すこと」「隣人を愛すること」などをおっしゃられ人間をなんとか正しい方向へ導こうとした神のみが、当たり前だけど正しい。
人間はそういう風にできているのか。
地球上の人間がうまくやっていくには、「忍耐・許容・愛」が必要。
他国で生きる人間がどれだけ大変な思いをしているか。
あまりにもいろいろと考えさせられるとともに、キクさんの天晴れな生き方に感動すること頻り。
とりとめのない感想。