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勁文社から発刊された『新「超」怖い話』シリーズ第8弾。
1999年作品。
メイン執筆者がデルモンテ平山(平山夢明)氏で、一部加藤一氏。
前作までのひと夏に二冊刊行のペースから、2年の間が空いての刊行になりました。
そのためなのか、体験談の濃度がかなり濃い目の一冊です。
あと、今作は特に、霊感強めの人の体験談も多い印象です。
怖い、というより、不思議な話がほとんどですが、今までのシリーズの不思議話は、ふーん、で?程度の不思議さでしたが、今作での不思議話は、え!?何!?どういうこと!?というレベル違いの不思議さがありました。
曰く付きアパートの怪異の元が明かされたのに、さらに不思議な気持ちにさせられる「窓」。
曰く付き物件の怪談なのかどうかもわからない不思議なアパートの話「狙うもの」。
人魚の木乃伊は作り物だから怖くない、という概念を逆手にとった、人魚の木乃伊は作り物だから怖い、という「木乃伊」。
他にも戦争怪談「人肉」、事故多発地帯怪談「交番」、霊感ある刑事の体験談「紫陽花」、曰く付き物件怪談「出前ニ態」、霊感かなり強めの体験者の不思議話「四十九日」「お知らせ」、蛇神様怪談「栄枯」、鼠の神様怪談「禁忌」、曰く付きの品怪談「餅」「チャイルドシート」「イヤリング」。等々。
テーマ毎に章分けされてはいないものの、何となく似たようなテーマの体験談を並べたことでグルーヴ感を生み出す構成も見事です。