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忍法帖の中で一番好き。
かなりのコメディだと思います。
でも、泣きます。
御巫燐馬が大好きです。
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初めて読んだ思い出深い忍法帖です。ストーリーが本格的に動くまでがかなり長いですが、動いてしまえば、あとは一気に読まざるをえないと思います。ピカレスク小説としては最上級の傑作ではないでしょうか?
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最初はまさかこのとんでもない香具師達が主人公だってのが信じられず、途中まではこいつらを颯爽と倒すヒーローの登場を期待しながら読んでた。そしたらあいつら主人公でやんの!
かなり軽妙でテンポのいい展開から、主人公達のひどさやいい加減さに目をつぶってどんどん読めた。そして終盤では、いつの間にか主人公の香具師達に感情移入をしまくってる自分がいた。決して愛すべき男達とは言えない連中なんだけどな。
初山田風太郎だったので、また別の作品を読んでみようと思う。
-2006年10月26日読了
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7人の香具師の物語。
時に無茶苦茶でワル(特に性道徳の皆無)、時に正義漢、間抜けなところもある7人が愉快にストーリーを進めていきます。
読んでいて痛快。
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忍城攻防戦を舞台に、風魔忍者軍団vs.造反くノ一+意味不明能力満載の香具師達+可憐な麻也姫(人妻だけど処女…)のバトル。
麻也姫かわいいよ麻也姫かわいいよ。
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時は天正18年、豊臣秀吉き下2万余の軍勢に対し、わずか数百人の手勢を率い北条方の小城・忍城を守る美貌の麻也姫…文庫の裏表紙にはこうあります。おや?これはこれは石田三成の手による武州忍城の水攻め、最近読んだ『のぼうの城』と同じです。史実を独自の解釈でアレンジし奇想天外な忍法を掛け合わせ一大エンターテイメント時代小説に仕立てあげるのは、山田風太郎氏の得意とするところです。しかしながら…
裏表紙はこう続きます、姫を陰に陽に守るのは、忍びの者として天下に鳴る風摩組。中に割って入る戦場荒らしの七人の香具師は、摩也姫の貞操を狙う。香具師vs風摩忍法、武州の地機智と詐術を巡らす縦横の戦い!香具師?どうやら主人公は香具師らしい…wikiで調べると、簡単に言うならテキ屋の兄さんのハシリ。フーテンの寅さんのご先祖のような者たち、とのこと。
天下取りの秀吉の小田原攻めに付随するのが忍城の攻防です、序盤から香具師七人を中心にその背景が述べられ、彼等の活躍が語られます。wikiで調べたような活躍じゃありません!戦場を歩きハイエナのごとく荒らし、女と見れば犯し辱めた上で売り飛ばす!このあたりの描写は酷いもんでした。したかしながら住処を持たず自由気ままに旅して金と女の匂いに執着する彼等の生き様、まさに自由闊達、その時代の主従に縛られた侍とは違います。その自由と底抜けの明るさにちょっと男気を感じることは感じました。
そんな彼等の前にヒロイン麻也姫が現れます、女を粗末に扱う様をなじり、配下の忍者(風摩3人)を使って懲らしめ、主人公悪源太の顔を土足で踏みにじります。これに我慢ならなかった香具師達「ヨツにカマす」(強姦して辱め売り飛ばす)を合言葉に麻也姫を追い狙います。しかしながら守るは風摩の忍、超絶忍法を駆使する手馴れ揃い。対する香具師七人は権謀詐術に長けるもののそれぞれが持つちょっとした特技以外、徒手空拳。ここに素人vs忍者のバトルが成立することになりました!
物語は二転三転し疾走していきます、香具師達の執念深さと、何者にも縛られない自由とバイタリティと、徐々に麻也姫に迫っていくものの、麻也姫に近づくにつれ「ヨツにカマす」の合言葉が揺らいでいきます。聖母の呼称が解説にて与えられていた姫ですが、彼女を取り巻く環境と相まっていつしか敵味方が反転します。姫を守る香具師vs奪う風摩3人へ…
このあたりの香具師達の心象の変化は描き方が巧みで、すごく感情移入してしまいます。神農直系の末裔を名乗る彼等が、孤立無援ながらもけなげに城を守り続ける麻也姫に従い、守る存在に変わっていく様は、己が決めた己が守るものの為の戦いへ変わり、ここに自由こそを尊ぶ彼等の男気が花開いたと言えます。
忍法帖において、封建的主従、忍びの鉄の戒律に縛られた忍者達の戦い、その中で苦悩する者達、そして哀切漂う幕切れが自分の中での不文律でした。(甲賀忍法帖、忍びの卍等)自由を尊ぶヒーローとして柳生十兵衛がいますが、彼はまごうことなき剣客であり、その自由は強さあってのものです。今回主役の香具師達、徒手空拳ながら超絶忍法に立ち向かうにいささかも及ばざることなく、その要因として明るさと彼等兄弟の絆の強さでしょう。
後半になりバトルが本格化してくると彼等は風摩を道連れとし次々に倒れ、いえ散っていきます。彼等香具師達に寄り添い加勢した風摩くノ一7人(これは悪源太の特技のなせる技で加勢することになります)は哀れでした。もう少し優しくしてやれよ!悪源太!と叫んでました。最後はやはり胸に迫るラストとなりました…
どんな角度から見ても完成度は完璧で、数多くのファンが推すのもうなずける大傑作でした。忍法帖№1かもしれません。
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大傑作!敵も味方もキャラ立ちまくり。まず香具師の奮闘振りが痛快。彼等の特性がことごとく最後に生かされ(特に馬左衛門、すごい...)、伏線として機能している。ラストもめちゃくちゃ泣ける。
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忍法帖屈指の明るさと解説にある。その通りばかばかしさと快活さがある。しかしやはり死闘の末皆死んでいく。この寂しさが忍法帖だと感じる。
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人を騙し、女を売り歩き、戦場を荒らし、やることなすこと常識外れのとんでもない7人の香具師が主人公。行いを見れば到底ヒーローにはなりえない悪者達ですが、その大胆不敵、自由奔放な生き様はどこか憎めません。
冒頭からの彼らの非道な行いに呆れたころに、絶世の美女、麻也姫が彼らを一刀両断するのがなんとも気持ち良く、風のように捕らえどころがなく、女を物のようにしか見ていなかった彼らが、強烈な一発を食らわせた麻也姫に執着することとなるこの場面が見事です。
悪者の顔を踏んづけて決め台詞を吐く麻也姫に、7人の香具師同様読んでいる私もぐっと心を捕まれました。
7人の香具師が恥をかかされた復讐の為だ!とかなんとか言いながら、麻也姫に近づきたいが為に、厳しい忍者修行に耐え、あの手この手で頑張る姿は微笑ましい。とくに悪源太は好きな女の子をいじめてしまう悪ガキのようです。
しかし、口では薄汚いことを言いながらも麻也姫へは純粋な敬愛を持っているのとは反対に、麻也姫以外の女達には相変わらず冷淡で、特に女忍者達の扱いには胸が痛みました。
麻也姫という絶対的なヒロインがいる限り女忍者達の末路は決まっているようなもので、それ故あのラストはなるべくして、という感じがします。
政治的な謀略によって敵味方の構図が変化していくのもおもしろく、忍城での攻防、忍術合戦も迫力満点。
旗を立てるシーンなど名場面が多いです。
それにしても麻也姫がかわいい。
近づきがたい気高さと親しみやすさが同居した魅力的なヒロインで、悪行三昧だった香具師が彼女に命を懸けてしまうのもうなずけます。
香具師たちの声が哀しく響くラストは、彼らの生き様、麻也姫への想いを包括した、もうこれ以外にないという素晴らしい結末だったと思います。
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下ネタ満載シリアスコメディかと思ってたら予想外に面白かったです。女性を犯しては売り払う最低集団が自分たちを馬鹿にしたお姫様を付け狙う内に成り行きでお姫様を守ることになり、最終的には心底お姫様に惚れぬいてお姫様を守るため絶望的な戦いに身を投じるってどんだけ私好みの展開なんだ。
香具師たちの性格や設定がきっちり活かされてて、使い捨てにされていく くのいちたちにも言及があったのは好感、なんですが、お姫様のキャラクターが若干ブレ気味だったのが気になるかな。聡明なんだか勇敢なんだか無謀なんだか無邪気なんだか、それらひっくるめてってことなのかもしれませんけども。
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山田風太郎 著 「風来忍法帖」を読みました。
豊臣の大軍勢に対し、わずか数百人の手勢を率い、北条方の小城・忍城を守る美貌の麻也姫。その麻也姫を守って、敵の忍者と命を賭けて戦う7人の香具師(やし)たち。
この7人の香具師たちは、一癖も二癖もある一筋縄ではいかない荒くれどもで、はじめは麻也姫を襲うおうと姫に近づくのに、いつの間にか、命を賭けて姫を守るはめになってしまいます。
ここら辺の展開がなんともうまく、さすが山田風太郎ここにありといった感じです。
姫を守るため、敵の無敵の忍者にも、悪知恵を使いながら、命を落としてまで、立ち向かっていく様は、男の生き方として、憧れを感じてしまうほどです。
特に、ラストのシーンは、あまりにせつなく、人を思う心の清らかさに胸が打たれます。
やっぱり、風太郎忍法帖はやめまれません。
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やってることは最低だけど剽軽でどこか憎めない七人の香具師たち。
そんな彼等を追いかける七人のくノ一。
自由気ままな彼等に感情移入しちゃった分だけ、後半に一人また一人と減っていくのが寂しくてやりきれなかった。
それでも大好きな姫君や悪源太のためにみんな命を張って見せ場を作って、明るく悲しくそして痛快な物語だった。
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極悪非道な香具師たちの心境の変化と、非戦闘員である彼らが強大な敵(風摩忍者)に立ち向かう絶望感と、誰もが魅了されずにはいられない麻也姫が、本作の魅力。
そこそこボリュームがありながらも、香具師たちの陽気な騒々しさが全篇にみなぎり、停滞や失速なく一気に読ませる疾走感がすごい。
後半は思わず涙ぐんでしまうこともしばしば。
間違いなく忍法帖シリーズベスト5に入る傑作だと思う。
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再読。
個性の強いキャラクター群。
途中まではいつもと違う陽の雰囲気でこのままいくか?と思ってしまうほど忍術合戦までが長い。
超人的な忍術に対して知恵とハッタリで戦うのかと期待したんだがなぁ。
題材が忍城戦というとこはものすごく楽めた。
「のぼうの城」が当然読み返したくなった。
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関白秀吉の時代に小田原で暗躍する7人の香具師が風魔小太郎のもとで忍法修行を受ける。彼らに与えられた任務は「秀吉の千成瓢箪を盗む」こと。7人はこの難題に挑む。忍術に伝奇的要素を絡ませた奇抜なストーリーは面白いこと間違いなし!山田風太郎の真骨頂、文句なしの傑作長編。