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桜木は混乱していた。何者かから送られてきた原稿には、あの山荘での出来事が綴られている。昔、会社の新規採用者の研修で知り合った「春眠会」のメンバーが久しぶりに集まったあの山荘での恐るべき出来事が。しかし桜木が混乱しているのには理由があった。自分もその山荘に行っていたのは紛れもない事実らしい。しかし、その記憶が欠落していたのだ。あろうことか原稿には桜木が殺人を犯した描写まである。自分はこの原稿に書かれているように殺人を犯したのか?果たしてこの原稿は真実なのか?それならば、誰がこれを送ってきたのか?その意図は?桜木は悩んだ結果、あの男・多根井理(さとし)に相談することにした。
久しぶりに本格ミステリ、というものを読んだ感じ。読んでいる間は何かがちょこちょこ引っかかっていたものの、そんなトリック( )だとは思いもしなかった。それが成立する要素は今では使い古されたものだったが、このトリックには必要不可欠であり、破綻は無いと思われる。トリックを知ったうえでもう一度読み直してみようかな。
突然現れた多根井理なる人物には面食らったが、どうやらこの作者の作品全部に登場しているらしい?
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シンプルな素材で見た目も普通なチャーハンを食べてみたら隠し味のおかげで「あら美味しい」ってなってそのまま食べ終わりそうなとこでいきなり生クリームをぶっかけられたような何かだった。
基本的には、文体といい、伏線の書き方といい、非常に犯人当て小説っぽいミステリ。しかし、それだけではもちろん終わらない。
読んでる人同士で、これについて話してみたい作品。
作中に登場する表はお気に入り。
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本書の謎は「絞殺事件の犯人は誰か?」と「桜木に原稿を送った差出人は誰か?」の2つです。
前者は探偵役・多根井の推理により真相が反転するシーンが圧巻でした。
一方後者は、何だか唐突で無理やりな感じがしましたし「これはアリか?」と思ってしまう真相で、やや不満でした。
全体的にやや文章が読み難いですが、2つのトリックを巧くミックスした構成は良く出来ていると思いました。
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読者への挑戦付きミステリ。……完敗でした。いくつかの違和感には気づいたのだけれど、まさかそういうことだったとは。
かつての旧交を温めるために山荘に集った男女、そしてその中で起こる連続殺人。その模様を描いた小説が参加者の一人である桜木のもとに送られたが、しかしその集まりと事件は事実であるにもかかわらず、桜木にはその記憶がなかった。その一方で人を殺したかもしれないという感覚に悩まされる桜木。真相を得るために小説を読み進めるものの、読むごとに募るのは不安ばかり。読んでいるこっちも不安でいっぱいでした。
このトリックが分かってみると、違和感の正体にも納得は行きましたが。しかしこれはなかなか見抜けない……! さらに最後に仕組まれていた「殺人」はさらに予想外でした。やられたなあ。