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紙の本
格差社会バンザイ!
2006/04/22 05:49
13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「小泉の馬鹿が君臨した5年間で日本は格差社会になってしまった」「所得格差が開いている。このままでは日本がダメになる」と、まあ私の大好きな小泉潤一郎様に対するピントはずれな批判が踊る昨今である。あまりに軽薄な批判に耐えかね、ようやく日本経済新聞社が「格差はそんなにひらいていない。だいたい甘すぎる日本の給食費給付制度をスルーして足立区の4割が貧困層みたいな報道をした朝日新聞がおかしいのだ」という大キャンペーンを紙面のトップを使ってやりはじめた。当たり前である。世界中を飛び回っている私は知っている。日本こそ世界に冠たる平等社会であると。んで、白州次郎ブームである。格差、格差がお嫌いなくせに、大金持ちのぼんぼんというより、大金持ちの息子に生まれ、親の財産を鼻にかけた鼻持ちなら無い「嫌な野郎」のはずの白州次郎を「カッコイイ、カッコイイ」と礼賛するのだから、日本人という奴が私には分からない。次郎の何がカッコイイのか?「プリンシプルのあるところがいい」おいおい、あんたの会社に新人が入ってきたら「プリンシプルを持った新人」を真っ先に叩き潰すのがあんたらじゃないのか。「生意気な奴」「言うことを聞かない奴」って罵倒しながら。じゃあ、次郎がなんで潰されもせず生意気なまま60歳になってしまったのか。そりゃあ親が金持ちだったからだろう。日本の学歴社会で落ちこぼれても、年間700万円はかかる英国のパブリックスクールに「留学」させてもらい、いまなら1台3000万円近くする「ベントレー(日本じゃヤクザくらいしか乗らない車)」を学生の分際で乗り回し「オイリーボーイ」なんて呼ばれちゃう。傘だって丸善で一本3万円から5万円する「フォックス」を使っちゃう豪勢さ。次郎こそは究極の格差社会の産物であり、次郎の性格は親が大金持ちだったからこそ形成されえたものであり、次郎みたいな性格になって次郎みたいな人生を送りたかったら日本をもっともっと格差社会にしなければならないというところまで、「次郎ファン」の方々は考えながら礼賛しているのだろうか?軽井沢ゴルフクラブで田中角栄を叱り飛ばす白州次郎。田中角栄ごときにはびくともしない大金持ちだからこそ、全盛期の角栄をどなれるんですなあ。建設会社のサラリーマン重役では角栄はどなれませんぞ。80歳越えてもポルシェのオープンカー買っちゃう白州次郎。ポルシェのオープンカーって昭和40年代でも1台1500万円はしたよ。いまなら1台5000万円くらいの感覚じゃないの?格差の拡大を憂えつつ、格差社会の産物である次郎については礼賛する。次郎がもし生きていて、あんたの家の隣に住んでいたとして、それでも「私は白州次郎が好き」って言えるか?言えたらエライと申し上げておく。ちなみに次郎のマネをして、私も一本55000円のフォックスの傘を買いましたよ。
紙の本
全体像を掴むには手ごろな本。「カッコいい」ととるか「気障」ととるかは読み手次第
2005/10/31 17:24
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
たくさんの写真と知っている人たちの言葉で、いろいろな側面から白洲次郎を描いた写真本である。「押し付けられた日本国憲法」という声がよく聞かれるようになると共に、白洲次郎の名前もよく聞かれるようになったが、では、彼はどんな人物だったのだろうか。その全体像を掴むには良い本である。
写真本のよさは、よくも悪くも、書き手の意思の方向はどうあれ、読み手がより直接的な感想に近づけることかもしれない。表紙の白洲次郎の写真(この写真は出来が良いのか、最近の幾つかの彼を扱った本にも使われている)だけでも、「カッコいい」と思うか、「気障」と思うかは受け手次第でもあるのだから。
自筆の、ただ二行の遺言状も、内容も確かに豪快であるが写真でみる筆の勢いが性格を感じさせる。英語で書いた夫人宛の手紙も、さらさらと書いた様子が見えるようである。GHQから初めて憲法草案を見せられた直後に書いたというJeep Way Letterは、昔の手打ちのタイプライターの印字の強弱が、内容もあいまってこの人の意志の強さ、打った時の勢いを伝えてくる。
憲法制定の経緯の部分は、「戦後史」を書いた中村政則が書いている。一緒に働いたことのある宮沢喜一元首相の文などもある。その一方、馴染みの御茶屋の女将、芸妓さんの談話や、農業に「隠居」した時の近所の農家の人の話も載っている。レースカーやブランドのスーツ、ゴルフといった神戸の豪商の息子、いわゆる芦屋のぼんぼん的なところ、占領軍に対して唯々諾々とは引かなかった毅然としたところ。やはり「この人はどういう人だったのだろう」と考えてしまう人であるが、この本はとりあえず、この人を把握するためのとっかかりにはなるだろう。
白洲次郎を知って、このような人物が今はいない、と現実を憂う人もあるかもしれない。私的には、このような「カッコいい」人物がいなくてもきちんと進んでいく世界の方がよい、フツーの人がきちんと気概を持ち、自分の判断を責任持ってしていくことで進んでいく世界の方がよい、と思うのだが。しかし、こういう人物がいた、ということは知っておいて損はないだろうと思う。
この本を読んでから、ご本人はどんなことを書いたり語ったりしたのか知りたいと思い、私は次に「プリンシプルのない日本」を読んだ。
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