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科学は冒険! 科学者の成功と失敗、喜びと苦しみ みんなのレビュー
- ピエール=ジル・ド・ジェンヌ (著), ジャック・バドス (著), 西成 勝好 (訳), 大江 秀房 (訳)
- 税込価格:1,078円(9pt)
- 出版社:講談社
- 発行年月:1999.11
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紙の本
化学書を読むのだって冒険!!
2002/09/11 22:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1991年にノーベル物理学賞を取った著者が、フランスの高等学校を廻った時の講演を纏めたもので、ブルーバックスとしては異色。教育論あり、自伝あり、挿絵も普段のものとは異なる。
それにしても、高分子化学というのは面白い。PEO ポリエチレンオキシドをホンに少し水に入れると、水の粘性が高まる。それを水道水として給水する。その粘性のおかげで、老朽化してひびの入った水道管からの漏水が無くなる。地中など目に見えないところや、改修のしにくい配管からの漏水は想像以上に大きい。
よく、工場などで、実際の水道使用量と水道メーターの計量が大きく異なるという話を聞く。ただ、わが国は水道料金が比較的安いので、原因追求もおざなりで終わっている。フランスでは、実際に水道にPEOを入れて水道工事を節約したとある。人体への影響が気になる。流石と思ったのは、PEOを入れた水での消火。たとえば、30mまでしか届かなかった水が、粘性をもったためにさらに3mくらい高いところまで届くようになる。これならば、直接人体への影響はない。できれば、地中に入ったPEOの環境に及ぼす影響を知りたい。
基本的に、著者は理論ばかりではなく、観察やひらめきを大切にする。コンピュータを使った解析よりは、直感を重視する。だから、数字と理論だけを重視し頭でっかちになってしまった現在のフランスの教育界に文句を付けている。それは我が国にもあてはまる。日本やアメリカとの学校教育比較もあり、やっぱり普通のブルーバックスとは違う。
高校での講演を纏めたものなので、シャボン玉や超伝導、液晶の話もあるが、内容は決して易しい本ではない。その点は、一般の科学本と同じである。内容はともかく文章は読みやすい。中身が解らないのに評価は僭越な気もするけれど、面白い。
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