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『イラガのマユ』の石川さんのシリーズ。
本書は,だれでも,一度は疑問に持つ…でも,たいていの人は、忘れてしまうハテナ…「虫たちはなんでガラス窓を滑らずにあるけるのか」「なんで,天井にとまっていられるのか」について,研究したことをまとめています。
実験に取り上げられたのは,オオニジュウヤホシテントウという昆虫です。
石井さんは,虫たちがガラス窓をあるける原因を「吸盤説」と「粘着説」のどちらかだと考えます。
そして,絞り込んだ末に,「粘着説」を確かめるために,テントウムシが残した<かすかな足跡についた物質>を集めるのです。みなさんは,何匹ぐらいの足跡を集めたと思いますか。なんと,石井さんは,69日間で延べ3万6000匹もの「足跡物質」を集めて実験するんです。
「解説」には,「もっと詳しく知りたい人のために」と題して,分子の図も出てきます。これは,高校の化学のかじった人にはとても分かりやすいです。
小学校の子どもから,大人まで,自分の興味に沿って深く学習できる(楽しめる)内容になっています。