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乃木軍は遂に、旅順要塞を開城させる。
明治日本を背負う児玉源太郎が業を煮やし、満州から旅順の乃木のもとに駆け付けた効果は大きい。この二人の長州人の仲は
面白い。大西洋から喜望峰経由で日本海に向かっているバルチック艦隊は、英国の陰湿な邪魔を受けながら航海を続行する。
2008/01/16
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情報科教員MTのBlog(『坂の上の雲・5』を読了!!)
https://willpwr.blog.jp/archives/51088017.html
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日露戦争真っ盛り。
旅順で日本軍がボロクソに負けたり、そのほう海軍がなんか大変そうだったり、その海軍が大いに恐れているバルチック艦隊はなんかもうグダグダっぽかったりと各地で色んな事情が絡まって戦争が進んでいくわけです。
司馬遼太郎厳しいですね。
情報が足りなくて判断を誤ったりした場面も多々あるだろうに「こんなことは戦術の常識からすると言語道断」みたいな言い方をしたりと、かなりきつい。
他にも、とある参謀を無能無能とこき下ろしたり。
いや、でも歴史物だったらそんなものかもしれないですね。三国志もそんな感じだったし、銀河英雄伝説なんて(フィクションだけど)無能と天才の扱いの落差がいっそすがすがしいくらいだったし。
ただ日露戦争という比較的近い時代の物語だから自分が違和感を感じてるだけなのかも。
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有名な203高地の戦いが繰り広げられます。
いつまでたっても旅順要塞を攻略できない乃木軍にしびれをきらした児玉大将が、単独で乃木軍を訪問し、そのまま指揮をします。
攻略の大転換。これにより203高地を攻略し、そこから旅順艦隊を砲撃し、ついには旅順要塞を陥落させます。
児玉は天才だなと。それにしても指揮官が変わるだけでこれほどまでの成果が出るとは。
仕事でもなんでもそうですが、無能な上司についてしまうと、いつの世も苦労するのは部下なのだなと実感。
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旅順陥落。多大な犠牲を払って辛くも勝利を得た。しかし勝利の美酒に酔う暇はない。満州の野では日露の両陸軍がにらみ合い、一触即発の状態が続いていた。そして遠くヨーロッパから世界最大のロシア海軍主力のバルチック艦隊が迫っていた。
旅順陥落後、乃木とステッセルの会見の場が設けられた。NHKスペシャル『映像の20世紀』では、その会見場から並走して出てくる騎乗の乃木とステッセルの姿が、動く映像で残されている。明治軍人の威厳と穏やかな表情が印象的だった。
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ついに旅順陥落。バルチック艦隊はかなり間抜けな状態でマダガスカル沖にStay。今は情報が滝のように降ってくるけど、当時は情報がそこまで重視されていなかったんだろうな。情報を軽視したロシアは徐々に敗戦ムードに...ハンニバルやスキピオもそうだけど、昔の戦争は情報がキーだったのね。今はあまり差がないのかもしれないけど、情報をつかんだ方が勝つんだろうね。むぅ。参考になる。
旅順も落ちたので、日露戦争をテーマにした映画でも観てみようかな。
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「明治国家は日本の庶民が国家というものにはじめて参加しえた集団的感動の時代であり、いわば国家そのものが強烈な宗教的対象であった」
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旅順にいる乃木軍の戦いは、いよいよ凄惨さを増してきた。小説全体をみても、203高地の激戦は最もその描写が強烈であり、肉弾戦を通して戦争遂行当時の日本軍のひ弱さというものがひしひしと感じられる場面である。
旅順直属の司令官は第一線に赴くことなく、無謀な作戦を発し、それを遂行する兵士たちがあまりに哀れであった。これとは対照的に、他の戦地からこの悲惨な状況を脱するきっかけを作りにやって来た児玉源太郎を、誰もが賞賛したくなるだろう。私も始めは彼の活躍を含めた部分について感想を書こうと考えていた。しかし、人には短所もあれば長所もあるわけで、この203高地の稿を読み終える頃には、乃木という軍人の、文人としての才能に引き付けられてしまったのである。彼の詠んだ爾霊山の鎮魂歌は、その秀逸さが一種の神秘性を帯び、周囲のひとを感心させ、実践で振るわなかったはずの乃木を魅力的にさえ感じさせている。その殉死という最期は様々なひとに影響を与えたようで、その人物像をますます知りたくなった。
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ロシア側から見た、日露戦争。
バルチック艦隊がペテルブルクを出発し、ヨーロッパ、アフリカ大陸を通っていくまでの苦労が描かれている。
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☆自分は、新時代のうまれだから。=典型的武士像への憧れから、自分を卑下する心(秋山真之) ☆戦闘は日に日に惨烈になっている。軍人がその真価を問われるのは、勝ちに乗じているときではなく、むしろこのようなときである(ゴルバトフスキー少佐)
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明治維新を経て近代国家の仲間入りをしたばかりの日本と、その時代を生きた「幸福な楽天家達」の生涯を中心に描かれた、司馬遼太郎の作品を代表する全8巻 総ページ数3000ページ以上の超大作歴史小説。
日露戦争を舞台に、そこに生きる人々すべてが、それぞれの目の前に浮かぶ雲(夢、目標)を見つめながら近代化への坂を上り、その実現に向けて突き進む姿に、老若男女問わず無我夢中に惹き込まれて読破してしまいます。
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全巻通読後のレビューです。
まずは、司馬氏が日露戦争について独自に丹念な調査をし、非常に力がこもっている作品であることを述べておきたい。これについては、作品を読んでもらえば分かるが、戦争当事者の生の声を収録している。これは非常に画期的なことであると思う。
さらに、日本側だけでなく、ロシア側の事情も細かく描写されているので、大変勉強になる。歴史好きにはたまらない作品となっている。
長いので、読後の充実感はあるが、戦略面での話がやや細か過ぎるきらいがある。地図を何度も見返しながら読まねばならないために、分厚い専門書を読んでいるような気分になる。
手軽に読めない点で、星をひとつ減らしたが、十分に楽しむことができるいい小説である。
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…かわいそう、バルチック艦隊…!
私の中では、今までバルチック艦隊は絶対無敵だったので、どうやって日本軍は勝ったんだろう!と思っていたのですが…
結構、ぐずぐずな組織…!
あと、「国家」「兵隊」「指揮官」を司馬遼太郎がどのように考えているか、一番現れている(5巻までしか読んでいないので、あれですが)のではないかと思いました。
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二〇三高地の戦いにはイライラしたり、ハラハラしたり、乃木希典はここまで書かれるほどダメだったのだろうか、戦後の英雄として語られていたのではないのだろうか、この小説では作者はコテンパンに乃木の無能さを書いているが、、、、、話は二〇三高地の奪取で大きく盛り上がる。相変わらず細かい説明が多く、読むのがつらい時もあるが、これが遼太郎なのだろう。
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こんなに戦争が面白いものだとは思わなかった。
誤解を恐れずに言うけれど、本当に面白い。
こんなものだと知っていたら、学校での勉強はもちろん、戦争を知っている人からの話だって
若い人たちはもっと嬉々として聞くだろう。
悲惨なことはもちろん悲惨だし、人を殺すことがいいことだなんてもちろん思わない。
それが戦争という状況の中でも、哀しいことだとはもちろん思う。
飽く迄小説であり、この全てが絶対に寸分違わず事実だ、とは思わないけれど、
それにしても面白い。戦争のイメージも変わったし、日本の軍隊へのイメージも変わった。
まあこれがもっと近代の戦争であれば、ここまで面白いとは感じないのかもしれない。
武士道とか騎士道とか、そういったものが色濃く残っているところに感動するのだ。
命を顧みず突撃する勇猛さであるとか、敵将の遺体を勇猛さに感動して葬るであるとか。
休戦の日、敵軍の将と出会い、敬礼をし合って菓子まで貰うとか、
降伏すると決まったとき、この凄惨な戦いが終わったことを敵味方入り混じって抱き合い喜ぶ。
滑稽にすら思えるほどに純粋で、強く、勇ましく、道の精神に溢れていると思う。
国家から義務づけられたのでない限り、
人間は本来武器をとって殺し合うことに向いていないことを証拠だてるものであろう。
という司馬さんの一文があった。
本当にそうであろうか?と少し思った。
戦時下でも殺し合いをしたくない、と、それをしなくてはならない大義名分が終わった時
敵味方抱き合って喜んだというのに、
今の日本は、陰鬱な事件が多くて気が滅入る。
それはまあ、殺し『合い』ではないので、違うといえば違うかもしれないけど、
対等でないだけに余計に惨めで惨たらしい殺しだ。
そこには武士道精神も馬奇士道精神も微塵も無い。
私たちはここで振り返る必要があると思う。
でなければ本当に、日本はプライドも何も無いただの属国になってしまうから。
今でも結構充分なっているが。