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印象に残った作品
P51 電車の混雑について
P180 津浪と人間
P189 涼味数題
P198 科学者とあたま
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寺田寅彦さんは、明治生まれの物理学者。ノーベル賞の一歩手前まで言っていたといわれているので、相当レベルの高い研究者だったのだろう。しかも、彼は文学的才能にも恵まれていて、東大在学時に夏目漱石に師事し、卒業後にも彼と交際があり、そのため、「我輩は猫である」にも出演?している。本書は、そういったかなりユニークな人の著作であるため、着眼点は傑出しており、このレベルの人の脳はどのようなものにも反応し、それなりの考察をまとめ、提言できることを示している。頭の柔軟性を失いつつあることに自覚症状のある私にとっては、脳をどのように鍛えていけばよいかの示唆をいただいたような気がする。
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自然は過去の習慣に忠実である。がんこに、保守的に執念深くやってくるのである。太平洋沿岸の各地を襲うような大がかりなものが、いつかまた繰り返されるであろう。
この一節は、1933年3月に起きた昭和三陸地震直後の2ヶ月後に書かれた『津波と人間』(本書収録)からの引用である。
・・・東日本大震災後に報道された前大船渡市議の平田武氏のエピソードが思い出される。平田氏は、悲願であった越喜来(おきらい)小学校への津波避難用非常通路建設に尽力し、震災9日前に病気で亡くなったが、昨年末に完成したこの非常通路によって平田氏の3人の孫を含む小学校の児童計71名の命が救われた。この非常通路は、児童全員が高台に避難したあとに押し寄せた黒い波により建設後4か月で校舎とともに大破した。
寺田寅彦(1878―1935)は文学への造詣の深い自然科学者として知られる。寺田寅彦と夏目漱石の親交が深かったことは本書収録の『夏目漱石先生の追憶』からも読み取ることができる。寺田は旧制第五高等学校(現在の熊本大学)時代に英語教師であった夏目漱石を師と仰ぎ、漱石は寺田を自著の登場人物のモデル(「吾輩は猫である」の水島寒月、「三四郎」の野々宮宗八)としている。私は大学受験用の国語参考書に例題文として掲載されていた氏の文章に絶対的な美しさを感じて通常そんなことはしないのだが幾度となくその問題文を読み返したことを記憶している。12月31日は、寺田寅彦の命日でもある。
寺田寅彦は専門である物理の分野でも業績を残しており、のちに帝国学士院恩賜賞を受賞する岩塩単結晶のX線回折に関する研究は当時のNature(91,135,1913)に掲載された。
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http://www.local/book/pdf/k/kagakuto_kagakushano_hanashi/kagakuto_kagakushano_hanashi_r_s.pdf
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冗長だったり、鼻につく表現(知識階級に属するらしい人、千島アイヌかなんぞ、などなど)がある。こんなことが気になってしまうのは、青臭い公平主義だと自覚する。しかし、しかし、それらを補って余りある面白さに驚愕する。「科学者とあたま」の最後のパラグラフは2019年現在でもなおリトマス試験紙だ。「線香花火」の描写は科学と文学との美しき情緒だ。これぞ無類の随筆である。
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大好きな本です。岩波少年文庫の一冊ですが、私の愛読書のひとつです。科学が身近なもので、科学的なものの見方を易しく語るように紡ぐ、寺田寅彦氏の文章は俊逸です。
目の前の湯呑茶碗から上がる湯気の話が、気候や自然現象へと導く『茶碗の湯』。「天災は忘れたころにやってくる」は寺田氏の言葉だといわれているらしいが、その由来とも思われる『津波と人間』は、災害国家・日本に忘れてはならない警鐘の一文です。
特に大好きなのは、『夏目漱石先生の追憶』です。漱石がまだ教師だったころの生徒として出会った寺田氏が、漱石との思い出を綴ります。
夏目漱石という人の人柄が偲ばれる作品ですが、なにより文人・夏目漱石と科学者・寺田寅彦の教師と生徒の関係が生涯に及び、そこにあるほのぼのとした関係に、毎度、目尻に涙が浮かびちょっと優しい気持ちにさせてくれます。
そして、この本を読むたびにこんな随筆が書けたら・・と思うのです。
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寺田寅彦すごい!
電車の混み具合を計算しだしたときは「この人大丈夫!?」ってなったけど、その変人っぷりが最高。
最近、彼の文体を真似してエッセイを書きはじめた。
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数学が不得手(アインシュタインと同じく)だが、物理学者になった。俳句で夏目漱石に師事、『猫』にも登場/「涼しい」は高温多湿な地に住む「日本的感覚」/「天災は忘れた頃にやってくる」同言は無し、類似『津波と人間』’33。人災である国家間戦争も“戦争責任”を目され誅された人々が死没し忘れられた頃に再発するのがあまりに多い。子孫は先代の遺産を忘れて「自分らのほうが賢い」と思い上がるからか/科学技術が生活・産業を便利にすることはあるが、戦争などで破壊に用いられるならば科学は無価値、ないし“無いほうがよかった”のか?
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明治生まれの科学者の目を通した「現象」の観察を描くエッセイ。特に、身の回りの自然を対象にしたアイデアが印象に残る。時代もあるのだろうが、夏目漱石の教え子の1人にして俳友でもあったという寺田氏の文章は、下手な文学よりも格調高い。特に第Ⅰ章が堅い文体なので、難解に感じたらII章以降から読み始めた方がいいかもしれない。中1国語で勧められる本だが、余程本を読み慣れているのでなければ、文体・内容共に高校生でちょうどいいかと思う。ややもすれば科学偏重になりがちな現代より、先を見た科学者の視点には是非触れてほしい。
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夏目漱石を師と仰いだ寺田寅彦のエッセイ集。
図書館で借りた。
少年少女向けの本なので字が大きく読みやすかった。
本業は物理学者であったから、科学に関するエッセイが主。満員電車に関する考察や蓑虫に関する考察など、身近なものごとを科学的に考えたエッセイで面白かったが、やはり夏目漱石にまつわるエッセイが一番興味を引かれた。
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読書会課題
皆さんは文語体の細かい文字の全集を探したようです
私は岩波少年文庫でラッキー(^_^;)
寺田寅彦に関しては中谷宇吉郎の随筆文で(「茶碗の湯」のことなど)で知りました
入試問題になったり有名らしいですね
夏目漱石関連にも登場して師弟関係がいいですね
最近だと「ミチクサ先生」伊集院静
すてきだなって思います
日常生活のことがらー科学の視点で見直すー原理や法則を導き出すー研究の出発点になる
●身近な科学が親しみやすい●
学校で学ぶ時はたいがい教科書とか実験で入るけど
出かけた先でその事柄を見ながら身近な人が教えてくれたらきっと自分のものになるだろうな
電車の混雑とかこれからだったら海水浴、花火とか
お出かけ先で出来そうな提案がいいなー
●若い人だけでなく大人にも●
会話のきっかけになる
世代を越えて共通の興味ある事
孫に語ったら尊敬されるかも笑笑
○文字で提案があっても観察や実験の行動にはなかなかたどり着けないかも(片栗粉の実験)
○電車の移動時間にも数学物理のような事を考えていたりして
専門家というよりおじぃちゃんまた考えてんの??みたいな微笑ましさを感じてしまう
えらい先生なのにこの文章は優しさにあふれている
○以前に君たちはどう考えるかがコミカライズされてヒットしたけど
寺田先生の文章も取り上げてもいいかも
○線香花火を交響曲に例える(序破急)
○日本の脚元に埋もれている宝
掘り出すには勇気が入り用
○自然現象と化け物
○身近な物から科学を学ぶと理解が深まる
実験という体験で学ぶのがいいかも
この頃の動画というのはどうかなーちょっとマシかなぁ
○涼しいという言葉は日本の特産物
日本人が感じる特殊な微妙な感覚ーと気がつくのが凡人じゃない先生の感覚
科学と文学の両方にたけている
○アブが花に入る時
どちらにとっても有益を保存するように努力さえしていれば結局すべて他のものの保存に有利
人を苦しめ泣かせる行為は結局自分をいじめ殺す行為
↑
植物観察で人間の生き方を哲学するなんて先生らしい
自分もそんな考えを持ちたいと思う
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「身近なできごとに”科学”をみつける
電車の混雑には法則があるか? 虫たちはいったい何を考えているのか? 身近な自然や世の中の出来事を,細やかに観察しながら書きつづった明治の物理学者による科学エッセイ.」
もくじ
Ⅰ
瀬戸内海の潮と潮流
茶碗の湯
夏の小半日
蜂
蓑 虫
新 星
電車の混雑について
Ⅱ
塵埃と光
言語と道具
解かれた象
花 火
線香花火
金 米 糖
雅 楽
化け物の進化
Ⅲ
風呂の寒暖計
こわいものの征服
夏目漱石先生の追憶
思い出草
金 曜 日
藤 の 実
身長と寿命
Ⅳ
津浪と人間
涼味数題
科学者とあたま
音の世界
匂いの追憶
草をのぞく
人魂の一つの場合
昼 顔
のうぜんかずら
Ⅴ
蓑虫と蜘蛛
蜂が団子をこしらえる話
鳶と油揚
冬夜の田園詩
蛆の効用
と ん ぼ
ほととぎすの鳴き声
解 説……池内 了
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正直苦手なタイプの本。
あまり専門的なところはふんふんと読んでスルーしたけど、夏目漱石先生とのエピソードはとても楽しく読めた。
夏目先生のことがホントに好きなんだなあって感じられる。
明治時代のザ・エリートの人たちの日常ってどんなんでしょうねえ。
でも寺田さんの好奇心てホントに日常生活にあるから今も読まれているんだよね。この本が100年ぐらい前のことを書いているとは思えない。
三陸地方の地震の話は胸がいたい。これからも地震は起こるんだろうね・・・日本のどこでも。