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ヒゲのOL藪内笹子 続 (Bamboo comics) みんなのレビュー
- しりあがり 寿 (著)
- 税込価格:649円(5pt)
- 出版社:竹書房
- 発行年月:1999.1
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コミック
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紙の本
恋する馬鹿が私は好きよ
2002/08/07 03:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃりン子@チエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛とか恋とかが素晴らしいなんて誰が言い出したんでしょう。失恋するたびに思います。少女マンガの読み過ぎは体に毒だあ。みんな楽しそうだし、なんか恋しなきゃいけない気にさせられます。でも、辛いじゃん。恋とか愛とか。そんなあなた(つうか私だ)に藪内笹子。
「16歳で実の父に犯され、22歳でタヌキの情婦となり…裏切られた男1382人!! 私は真実の愛を知らないヒゲのOL!!」「真実の愛」を求める彼女の口元にはヒゲが蓄えられています。谷村新司のようなそのヒゲは、彼女が「真実の愛」を見つけたときのみに剃られることになっています。
…が、剃れません。初登場から現在まで、人の結婚式に割り込んだり、ジムで鍛えたり、笹子はそれはもうエンエンと「真実の愛」を探しています。しかし、コミックスが3巻目に突入した今も彼女のヒゲが剃られる気配はありません。いや、笹子のヒゲが剃られる日はおそらく永遠に来ないのでしょう。だって、彼女が求める「真実の愛」なんて、この世に無いんだから。
笹子の失恋パターンは「思いこみを原動力に突っ走ったけど、実は向こうは何とも思ってなかった」が多いです。
「今日まであなたは私に おでんを3回 焼き鳥を2回もごちそうしてくれたわ」
「明細を言えばガンモ タコ(2) ツミレ〈略〉カワ タン レバー(2)」
「しめて… 3763円(税込み)もの愛を注いでくれた」
馬鹿ですね! もー滑稽ですね! でも、でも、恋してる時ってこんな感じじゃないですか? 違う? 私はそうです。こんな感じです。だから失恋するたびに、「あー私が求めてるのは恋とか愛っていうブランド商品なのねー」と思います。つまり、「恋愛の成就は幸せのための必須アイテム」っていう認識が確立していて、それを持っていない自分は不幸?!と思ってる。だから「相手が好きだから恋しているのか、恋がしたいから相手を好きになっているのか」がわかんない。笹子には実の父に犯されたというとってつけたような不幸があるけど、そうじゃない人間だってなにかしら満たされていない限り、「自分は不幸である」という感覚を持っています。で、「どうやってその満たされない想いを解消しようか」と思ったときに、「恋愛だあ!!」と思うわけ。合コンしたり、結婚したり、楽しそうじゃないですか。でも実際追いかけてるのが「真実の愛」だから、相手じゃなくて「真実の愛」って言うパッケージだから、不幸から逃げられない。
で、さらにあほあほしいのが、それでも「真実の愛」を探すのをやめられないところです。足りないのが「他者」なんですね。「他者からの愛」が欲しくて欲しくてたまんなくて、でも、探しているのが「真実の愛」なんて実体の無いものだから、いつまでもいつまでも満たされない。笹子の陥っているループは、読み手が「愛」が欲しくて、焼き鳥とかおでんとかに恋の萌芽を勘違いしている限り終わりません。
愛の幻想を断ち切ってくれる者は何か? 笑いです。失恋って勘違いしている時間はえらい気持ち良い…。「眠れる森の美女」も寝てるだけって言うのがポイントですね、きっと。夢の中では王子さまも自分もすんごいいい人なの。そこで、眼え覚まそうと思ったら笑いしかない。夢から覚めて、「すんごいミジメだーっ」てのを知ったときから新しい旅が始まる…はずなんですよ! そうであって欲しいわ。
うん、私は笹子に「真実の愛」を教わりました。それ、つまり「そんなもんねえよ!!」ってことなんだけど。そして、それでも愛が欲しいということなんだけど。願わくば、再び眼を覚ましに来るその日まで、いつまでもいつまでも振られていて下さい。眼を覚ませる場所があることで、ほんのちょっと救われます。いつまでもいつまでもそのままで。
曰く「さーて ハラもいっぱいになったし 真実の愛でも探しにいくかー」。
紙の本
鬚をそれるのはいつ……?
2001/12/31 10:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たろいも - この投稿者のレビュー一覧を見る
真実の愛を見つけるまで鬚を剃らないと決めているOL薮内笹子。彼女が真実の愛を見つけて鬚をそれる日は一体いつなのか。 彼女のつらく厳しい真実の愛を見つけるための旅は続く…。結構、いい線行ったりすることもあるんだけど…。
紙の本
偏愛哀愁ワールドばんざい!
2001/07/19 23:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る
真実の愛をつかむまでヒゲをそらないと決めたOL藪内笹子。これはその哀しくせつない愛探しの物語だ。彼女は恋に破れたときには、能登に行くらしい(合計270回)。
しりあがり寿の絵には単純な線のものあるのだが、これは劇画タッチで描かれたほうの作品だ。吐き気がするほど濃い絵だ。しかしその濃さによって笹子の真剣さ、一途さが描かれている。笹子をいとしいと思う自分をおかしいと自覚はしているのだけれど、この作品はしりあがり寿の最高傑作だと思う。偏愛哀愁ワールドばんざい!
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