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発売と同時に購入し、以来、最も好きな作品の内の一つ。
文庫もある。
ちゃんとしたレビューはまた今度。
大切な人に勧め、褒められたことも良い記憶。
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子どもを失うことのつらさと、人生における幸運と不運について考えさせられた。
エディのKYぶりとヘタレっぷりが印象に残るが、愛すべき好人物。永遠の少年って感じ。
ハリーとルースの関係は理想だわぁ~。素敵・・・。
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16歳の少年、エディが夏の間アルバイトすることになったのは作家の助手の仕事。
フェリーの船着場で、迎えに来ていた作家の美しい妻、マリアン・コールと出会い、そして恋に落ちる。
マリアンと夫のテッドには4歳になる娘のルースがいる。だが、マリアンをとらえて離さないのは自動車事故でこの世を去った二人の息子。
そしてその夏、マリアンは夫と娘を残して姿を消す。
20歳以上年上の女性に恋したエディと、母親に置き去りにされた娘のルース、二人はそれぞれ成長し、作家になる。エディはぱっとしない作家に、ルースは一流の作家に。
…というような話ですが、あらすじだけだと、なんだかロマンティックで素敵な小説ね、という感じ。
ところが、実際は、登場人物が皆何かしらの問題を抱え、トラブルが満載。性的な場面も暴力的な――肉体的にも精神的に痛めつけられる――場面もたくさんあります。
読んでいて胸が締め付けられて苦しくなることもあります。
「お願いだからもうやめて」と思いながら読まざるをえない、そんなところも何箇所かあります。
やりすぎ、語り過ぎ、の過剰感に打ちのめされつつも、はっとするほど印象的な場面と言葉に導かれるように読み進め、そして、たどり着く結末の温かさ。
この人すごいな、ホントに。
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生涯ベスト1の小説。
アーヴィングの物語は破天荒で突拍子もないことばかりだけど、
実際の人生も実はこういう感じなんだと思う。
こどもをなくしたひと、こどもがいないひと、こどもを育てるひと、
全員が身につまされる愛の物語。
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後半もぐんぐん読ませた。
オランダの飾り窓のあたりから、ぐっと話が展開。小説の面白さをたっぷり詰め込んだすごい本だった。
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上下巻合わせて800ページのうち、未亡人の一年について書かれているのはたったの80ページ足らず。
この小説の概要を一言で書けば、「お母さん、私を愛して」ってこと。
お母さんがわたしを愛せなかったのはなぜかということを理解するためには、ルースを一度未亡人にしなければならないというだけの話で。
ルースの一生を、特に4歳の時に母とエディのベッドシーンを見てしまったルースにとっては、その性生活を書かなければ話がすすまなかったのかもしれない。
でも、私は結構うんざりしながら読んでいたのね。
この辺いらなくない?って。
特にアムステルダムの歓楽街の辺りの描写がくどいなあ、って。
8割がた眉間にしわを寄せて読んでいたと思うけれど、やっぱりジョン・アーヴィングは上手い。
「ああ!なるほど!」と思わず膝を叩くような理解の仕方ではなく、「なるほど、そういうことだったのか」と、じわじわと過去が現在に繋がってくるような描写が本当に上手い。
しかも繋がっていようと繋がってなかろうとどうでもいいような小さなことが、あとから腑に落ちるのよ。
日本人とは明らかに違うモラルで動く登場人物には、全く感情移入できなかったけれど、「お母さん、私を愛して」は全世界共通だと思う。
そしてエディ。
50歳を過ぎても中学生のようにピュアで不器用。
いっそ清々しいくらいうざい。
17歳の時にマリアンに恋をしてからずっと、年上の女性しか愛せなかったエディ。
50歳を過ぎた彼のストライクゾーンは70~80歳の女性。
「気持ち悪い」と若い女性に言われても、エディは自分より年上の女性の少女時代、新妻の頃、若い母親の姿など、彼女の一生を丸ごと受けとめて愛してしまうのだから、勢いだけの若い女性は太刀打ちできるはずがない。
ということは、エディがマリアンに惹かれたのは見た目の美しさだけでも、初体験の相手だからというだけでもなくて、マリアンの持つ孤独や深い哀しみや自分に対してすら押し隠している娘への愛情など、最初から全てをひっくるめて愛していたということになるのね。
決して好きな話ではないんだけど、この作家の作品に惹かれるのは、なんといっても小説として巧みだから。
誰にもお勧めしませんが、自分の中での評価は高めにしておきます。