最新朝鮮半島軍事情報の全貌 北朝鮮軍、韓国軍、在韓米軍のパワーバランス みんなのレビュー

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投稿者：一郎　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

南北双方の軍事力について包括的に網羅された本は意外と少ないので貴重です。
情報が古くなっていますので改訂版の出版が望まれます。

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投稿者：青木謙知　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　南北の対話が進んでいる朝鮮半島情勢ではあるが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事力は、未だにその多くが秘密のベールに隠されている。本書は、朝鮮半島に位置する北朝鮮と、韓国および在韓米軍の軍事力について分析を行なっているもので、『朝鮮人民軍』と『韓国軍・在韓米軍』の２部に大きく分けられている。それぞれに割かれているページ数はほぼ同じであるが、やはり前者はどうしても情報が少なく、苦労の後が伺える。

　また軍事情報については、韓国も多くを公表していないことは同じで（もちろん北朝鮮よりははるかに多いが）、1988年から国防白書が手にはいるようにはなったが我々にとっては情報が少ない。本書はその韓国の軍について、多面的に捉えるのに成功していると言え、また多くの新情報を知ることができた。中でも最終節の『韓国人と軍隊』は、なかなかおもしろい取り上げ方である。

　ヨーロッパでは東西対立が解けて冷戦の崩壊が起きたが、アジア、特に極東ではまだその流れは訪れてはおらず、軍事衝突の可能性の危惧は消えていない。そのフラッシュ・ポイントの一つである朝鮮半島の状況を知ることのできる、質の高い労作である。

（青木謙知／航空・軍事評論家）