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紙の本
リスクを承知で海の向こう側の狭い国で音楽を奏で続けようとする、彼らの言葉
2001/02/07 15:09
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投稿者:今村守之 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「アサヒグラフ」に連載されたインタビューに加筆・訂正を加え、新たに書き下ろしのエッセイを挿入したものである。
標題にあるように、ここには45人の在日外国人ミュージシャンが登場する。彼らの出身は、東南アジア、中近東、北米、中米、南米、西欧、東欧、アフリカなど19ヶ国に及び、扱う楽器もピアノ、サックスからタブラ、二胡、はてはディジェリドゥまで多彩だ。
そのバラエティーの妙もさることながら、やはり興味深いのは、「なぜ日本に住むのか」ということだ。なるほどミュージシャンも人の子である以上、それ自体はとりたてて騒ぐほどのことでもない。
しかし、たとえば中国で国家一級演奏家として認定されながら、あるいはかつて、人気バンド『モット・ザ・フープル』のメンバーとして英国にその地歩を固めながら、わざわざ日本という異国を第二の故郷とするまでにはかなりの葛藤があったに違いない。
グレン・ミラー楽団のトランペッター、サリフ・ケイタ・ツアーバンドのコラ奏者らにしても然り。かくも想像以上に、この国はボーダーレスになっている。
リスクを承知で海の向こう側の狭い国で音楽を奏で続けようとする、彼らの言葉は単にミュージシャンであることを超え、人生そのものとして伝わってくる。それこそが最大の読みどころだろう。きわめて興味深い。
ただ、一人一人についてもう少し紙面を割いて欲しかった。そうすれば、それぞれの音楽家の像がより明瞭に結んだのではないだろうか。
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