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紙の本
クロウトのクロウトによるトーシロのための噺
2002/05/28 10:49
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投稿者:油脂人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は本職の落語家である。著者紹介には落語も出来る小説家ともある。
本書は創作落語集ではない。短編小説集だ。
「すず女の涙」「講師混同」「打ちどころ」「先立つ幸せ」「はんちく同盟」という五作品で構成されている。
本職の噺家さんだけあって、落語界の内情がリアルに表現されており物語に引き込まれる。
登場人物名が巧く考えられていて、決して作者やその師匠(立川談志師匠)といったクセのある方々の間だけの話とは思わせない。
「打ちどころ」を除いて、前座・二つ目といった若い落語家の「ぼく」の一人称で語られており、その視点から師弟愛や若手の苦労などが描かれている。
真打ちを主人公とした「打ちどころ」だけは神の視点から書かれているが、芸への伸び悩み、ライバルでも仲間でもある同期の噺家への鬱屈した思いなどが描き出されている。
こう書くとお堅い小説かと誤解されるかも知れないが、随所にちゃんとくすぐりが散りばめられており、笑いを期待した読者も納得のいく内容になっている。
巫山戯ていたり無軌道なように見える噺家たち。その裏に隠された人情噺のように切ない物語の数々をお試しあれ。
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