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紙の本
傑作
2001/08/03 12:10
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投稿者:ねこいらず - この投稿者のレビュー一覧を見る
時に文芸路線に走ることもある作者だが、これは十二分にエンターテインメントしている。堪能しました。もちろん文学としても非常に格調が高く、滋味溢れる人間描写と鋭い社会批判も味わえる。じっくり時間をかけて読もう。
紙の本
囮の心情
2001/08/14 18:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kosaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
汚職弁護士がFBIとの取引によって検察と裁判官の裁判所での汚職を摘発するために囮捜査を繰り広げる。囮捜査を進めていく連れて変化していく弁護士の相棒、妻、捜査官との関係、連邦検察官スタンセネットによって考案される様々な囮捜査の作戦など読み応えある内容である。主人公は誰のために、囮捜査に加わっているのか。病気の妻のためなのか、自分のためなのか。常にポジティブな主人公が追いつめられていく心情が生々しい。それぞれの登場人物の精神的な駆け引きがおもしろい。結末がもう一つもの足りないような気もするが、この寂しく尾を引くような終わり方が、全体を総括するような独特の雰囲気を醸し出しているのかもしれない。
紙の本
さすがの傑作
2000/11/03 21:15
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投稿者:OK - この投稿者のレビュー一覧を見る
スコット・トゥロー五作目の長編小説。前作『われらが父たちの掟』がやや文学趣味に走りすぎていたから少し不安だったのだけど、さすがに期待を裏切らない傑作だった。裁判所に蔓延する汚職の摘発をもくろむ、連邦の大掛かりな囮捜査「ペトロス作戦」の顛末を語る。まるで諜報戦のような捜査の動きと、そこから生じる人間関係の妙を並行させてじっくりと物語を進めつつ、終盤には第一長編『推定無罪』以来とも思えるような逆転劇を仕掛けている。謎解き的な構造がこれまで物語られた人間関係を反転させる、というトゥローらしい周到な作劇を堪能。邦題の意味もなるほどと思わせる。なかなか尻尾をつかませない黒幕の大物判事を破れかぶれの策で追いつめていく終盤の展開は、ちょっと「アンタッチャブル」みたいな風味だった。
トロイの木馬として「囮弁護士」の役を担わされる主人公ロビー・フェヴァーの人物像が秀逸。軽薄な態度の裏で悲壮な覚悟をかためてもいる、といった複雑な性格描写が奥行きを感じさせる。もと演劇志望で、人生は舞台の「プレイ」にすぎないとうそぶく彼の言葉は、作者トゥローのこれまで見せてきた作風を象徴しているようでもあった。トゥローの描く物語はどれもたいてい、法廷の正義(『推定無罪』)や円満な家族(『立証責任』)や職場の権威(『有罪答弁』)のような人生の大切な基盤が、なかば演じられた芝居にすぎなかったことを暴露していく展開になっていて、だから主人公の立場に切実さを感じながら読むことができる。本書はさらにそういう「芝居」の趣向を捜査の構図と自覚的に重ね合わせて、厚みのある物語を構築しているように思えた。ちなみに、ロビーには難病の妻がいて、身体の自由が利かない彼女は“l”の音を“r”としか発音できないという設定になっていたのだけど、ロビーの口癖“play”をその彼女流に発音するなら“pray”(祈り)と聞こえるはずだ——というのは、おそらく作者も意図していた隠し演出じゃないかと思っているのだけど、どうだろうか。
ただ特に序盤の訳文がかなり直訳調でこなれてないように思えてしまったのと、作戦を主導する連邦検察官スタン・セネットが旧作『立証責任』の登場人物で(主人公だったユダヤ人弁護士サンディ・スターンも終盤に顔を出す)、いくぶんかそのことに頼った話の進めかたになっていたような気がするのは、やや留保事項として残らないでもなかったので、少しだけ評点を落としておきます。でもよくできた物語だった。
紙の本
汚職裁判官とFBI,及び囮弁護士の闘い
2001/02/10 03:40
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投稿者:格 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題は『人身被害』を表す。人が何らかの被害にあったとき、その元となる相手を訴える。それを専門に助ける弁護士が主人公である。救急車や病院のあとを付けて、仕事をハイエナのように取ることで、成り立っている。そんないやらしい業務を生業とする弁護士ロビーが脱税によってFBIに眼をつけられる。そして、もちかけられた話が、汚職を繰り返す裁判官達とその元締めを捕まえるための囮捜査への協力である。ここから、FBIの捜査チームが結成され、主人公ロビーとFBIによる汚職裁判官との闘いが始まる。
ロビーは相当いい加減な男ではあるが、病気の母と妻に対する態度はあくまで優しい。相棒となる女性捜査官とはなかなかうまくいかないが、女性捜査官の秘密もあり、徐々に打ち解けていく。
それぞれの過去や心理の描写がしつこいくらい丁寧に描かれ、深い人間ドラマとなっている。しかし、あまりに長過ぎ、いくつかのどんでん返しのようなストーリーの展開はあるもののかなり、退屈。終わり方もちょっと中途半端ではないか。
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