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今ある世界の格差がなぜ、どうやって生まれたかを考察している。
考察の内容は、地理学・生物学・言語学と多岐に渡っていて面白く読める。
わかりやすい比較(オーストラリアとニュージーランド)も行っていた。
今ある格差は人種的な必然ではなく、今住む地球が生み出した必然的なものだと言えるかもしれない。
印象的な地理的な情報格差の項目をみてそう感じた。
ふと思うのが情報化の現在。地理的な環境に左右されず情報が行き来する現代に人はどのような進化を進んでいくのだろうか。
前に読んだ情報化の本と絡めて考えてしまう。
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なぜヨーロッパ人が他のアメリカやアフリカ、オーストラリアの大陸を支配することができたのか、この問いに対して人種的な優劣ではなく、地理的な要因とする著者の力強い考察。
わかりやすく納得できる内容。
タイトルの銃・病原菌・鉄はアメリカ大陸征服の直接的な手段で、それをなぜヨーロッパ人(ユーラシア大陸の人々)が持つことができたのか?
できればもう少しヨーロッパと肥沃な三日月地帯と中国の、同じユーラシア大陸間でも発生した違いについての考察がもうすこしあるとよかったかな。
おもしろい。
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インカやアステカがヨーロッパに敗北したのは何故か。この問いに対する最も表面的な回答は、インカやアステカよりもヨーロッパの文明が進歩していたからであろう。しかし、それでは究極的な理由を解明したことにはならない。インカやアステカに対してヨーロッパが技術的文化的優位を得た理由を解明する必要がある。本書では、家畜化や農耕化の可能な生物種の多寡、大陸の形が文化伝播に与える影響、伝染病に対する耐性獲得のための条件などが、ユーラシア大陸を先進化させた理由として挙げられている。学術的な妥当性にはいささか検証の余地が残るものの、一つの仮説としては非常に興味深かった。
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---06/7/22 (Saturday) 68/100mixi
「銃・病原菌・鉄」
ピュリツァー賞も受賞した、
ジャレド・ダイアモンドの有名な著作です。
アメリカ先住民がヨーロッパを先に征服できなかったのはどうしてか?
大陸間の富にこれほどの差ができてしまったのはなぜか?
こういった、ごく単純ではあるけれど、聞かれると曖昧にしか答えられないような疑問に、快刀乱麻を断つが如き明快な見解を示してくれます。
たとえば、大陸が南北につながってる新大陸と東西につながっているユーラシア大陸の環境的要因や生物種の分布が、その後の何千年もの人類の発展にどのように影響したのか、とかね。
学部時代から読んでみたかったのですが、ここ数日の夜中にちょっと読んでます。はまります。ヤバイくらい面白い。
ちなみに、本論とは外れた余談ですが、文明の発展に必要な要素というのをこの本を読みながら考えてみると、地球外知的生命を探すのは、遥かに難しいことだろうなあ、と思ってしまいますね。
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『文明崩壊』と同じ著者がそれより以前に書いたもので、ピューリッツァー賞とコスモス国際賞を受賞している。
人類の進歩は一様ではなく、主にヨーロッパ人とその子孫を中心とする白人社会は他より高度な技術と文明を築いてきた。ヨーロッパがアジア・アフリカを植民地化し、南北アメリカ大陸の土地を先住民から奪うことができたのは何故なのか。どうしてインカ帝国がスペインを占領することにならなかったのか。
この疑問に対して、欧米人はもちろん日本人でも、漠然と「人種・民族の能力による差」だと思っているのではないだろうか。白人は黒人より優秀だったからだと。いまどきそれを公言すれば人種差別の非難を受けるのは間違いないから誰も口にしないが、内心そう考えている人は多いだろう。
しかし著者はそうではないことを示す。
本書の結論を単純にまとめれば、地域による文明の発展速度の差は人間の能力差ではなく、それぞれの自然環境の差で説明できるということだ。
○ある集団が文明や技術を発達させるには、人口と人口密度が多いことが必要であり、そのためには食糧を充分に生産できなくてはならない。
↓
○狩猟採集生活では充分な食糧は生産できないから、農耕と牧畜を始める必要がある。
↓
○農耕と牧畜が始まるには栽培化に適した野生植物や家畜化に適した野生動物が必要となる。
↓
○そのような動植物が多く分布していた地域はユーラシア大陸であり、アフリカや南北アメリカやオーストラリアではなかった。
ざっとこんな論理展開となるが、栽培化や家畜化に適した動植物の条件と具体的な種と分布、社会構造の進歩や技術革新が起こるパターンなど細かい考察を加えながら話を進めていく。
たまに出てくる日本への言及が微妙にイメージと違ったりするものの、全体として非常に説得力がある。もう充分に納得した主張についてこれでもかとばかりに証拠や実例が挙げられ、「わかった!もうわかったから!」と言いたくなるほどだ。
『文明崩壊』を読んだときにも思ったが、とにかく密度が高い。長期間の取材活動による豊富な資料が濃縮されたような文章であり、冗漫な著者の感想や意見はほとんどない。そりゃピューリッツァー賞も取るというもの。
面白いのは、中国に関する考察だ。中国が多くの技術をヨーロッパより先に開発していたにも関わらず世界の覇者にならなかった理由として、著者は彼の国があまりにも統一されすぎていたことを指摘する。群雄割拠のヨーロッパではある領主が否定した技術も別の領主が採用することで生き残ったのに対し、中国はたった一人の皇帝がダメと言ったら全土で完全に葬られてしまった。それが発展の機会を奪ったのだと言う。
分裂による競合が活力を生むという、現代の資本主義思想にも通じる解釈だろう。中国の政治家がこれを読んだらどう反応するのだろうか。聞いてみたいものだ。
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内容→地域格差はなぜ生まれたのか?を経済学の観点からではなく、人類史という長い目でみて考察していくというものである。
地域格差は大昔の最初の一歩の違いが今でも大きく影響しているという。
強点→非常にわかりやすい。非常に複雑であろうテーマを素人にもわかりやすく、具体的な例を出しながら解説している。よくまとめてある。
特に第1部(勝者と敗者をめぐる謎)はおもしろかった。ポリネシアの歴史について書いてあり、私もポリネシア地域に行ったことがあるので大変興味がもてた。
弱点→逆に第2部(食料生産にまつわる謎)の第7章以降(毒のないアーモンドのつくりかた)以降は個人的に内容が興味をもてなかった。よって星3つ。
読後の変化→つくづく日本ってのは恵まれた国だと思った。そして今の自分もながーい歴史の1ページに過ぎないことを思った。ゆえに子孫が困ることがないような人生を送らなければと思った。
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20070227
買うべし。
なぜスペイン人がインカ帝国を滅ぼして、その逆では無かったのかを
淡々と立論した本。
白人の優位性を根本から否定していることもあり、
白人保守からはアカと、白人リベからは差別主義者?と攻撃されたらしい。
人種差別なんて吹き飛ぶ良書。
買うべし。
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買って放置していたのを読む。
一気読みできます。
史実ではインカ帝国はスペインに征服されたわけですが、なぜ歴史は逆に、インカ帝国が海をわたってヨーロッパを征服するという構図にならなかったのか?。インカとスペインは何が違っていたのか?を分析、とくに大陸の地理的広がりが南北方向か東西方向かを出発点にして分析します。
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読了まで二ヶ月半かかりましたが!無事に上巻読み切りました。引き続き下巻へー。
データや資料の分析がとても多くて最初は面食らいましたが、それでもなおかつ読みやすい内容です。
ユーラシア大陸とアメリカ大陸の流れに対して今まで見ていた視点とまた別の視点を知る事が出来ただけでもめっけものですね。
総合的には下巻を読み終わらないと判らないので、★一つ減らしです。
+ + +
読み始め:2009.03.30.
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歴史を学んでいく仮定で一度はぼんやり疑問に思ったことがある。そんな疑問は成長するにしたがい忘れちゃうんですよね。
ってそんなのはどうでもよい事でした^^;
この本「おおおーーーーーぉ!なる〜〜〜ぅぅ♪」と叫びたくなること間違いなし。ひさしぶりに面白い本を読めた気がします。
いざ 下巻へ
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前々から読みたかった本。
去年の秋くらいに買おうと思ったら「出版社がつぶれちゃって取り寄せ出来ません」とか言われて、一時期古書店めぐりしてでも見つけてやろうかと意気込んでたんですけど、何とか再び書店で買えるようになってうれしい限り。
なぜアメリカ大陸をヨーロッパ人が侵略したのか、なぜその逆ではなかったのか?
という、誰もが考えるであろう疑問からスタートし、世界中のさまざまな文明を対象に、なぜ文明の進歩には差があるのか、ということを明かした名著。
いや、名著です名著。すばらしくワクワクします。
おおまかな解答はわりかし序盤で提示されるんですけど、その説明が丁寧なんですよね。具体例を3つも4つもだしたり、きちんとした考察が入ったりで。
その分、歴史の細かいところまで知ってないと理解しにくい部分があったりして、自分的にはよくわかんない箇所もあったんですけど、それでも面白いです。
上巻では各文明の動植物について考察している部分が印象的。
アメリカって、コロンブス以前には馬いなかったんですね。
馬も牛もいないとなれば、確かに発展に対して不利になるのわかるような気がします。
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自分の頭のなかで「歴史」の概念がかなり変わった。なんで、アジアとかアメリカの先住民がヨーロッパを制服せずに、その逆が起こったのか。それを考えながら、自分の頭のなかの「歴史」が豊かになった。
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世界に於ける大陸・地域・国の格差は何故生じたのか。
それは銃火器・鉄器等の開発技術格差、又病原菌への抗体の有無等により、「先進国」が容易に「発展途上国」を侵略し、支配下に置いたためである。
では銃・鉄・病原菌に関する差は何故生じたのか。
それは稠密な人口、定住社会の確立による技術発達が起こりやすかった地域とそうでない地域があるためである。
ではその地域差は何に起因するのか。
文化の差を生じさせた「真因」に近づくプロセスは、極上のミステリーのようだ。
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『人間はどこまでチンパンジーか?』、『セックスはなぜ楽しいか』などを書いている生物学者。
本書は人間社会の変遷を進化生物学のフレーバーの入った立場から解説するという野心的な企て。
タイトルの『銃・病原菌・鉄』は、競合する複数の人間社会の間の競争の勝者と敗者を決定した代表的な要因だが、
これらの要因がなぜある社会では発達し、なぜある社会では発達しなかったのかという理由を、その社会が置かれていた自然環境に探るという趣旨である。
諸社会の発展の仕方の違いに生物学的な決定論を持ち出してくる人々に対する反論と啓蒙という意図が含まれており、この部分がうさんくさく感じられる人もいるかもしれない。
反論と啓蒙の対象となっている人々が、あまりに低いレベルに想定されており、そういう人もいるんだろうなぁ怖いなあという感慨だけでなく、
それほど低いレベルではない人たちは侮辱されているように感じるんではなかろうかという邪推も生じてくる。
いくつかの局面では「と学会的な本」の行き過ぎが生じているんではないかという印象を受けたし、
とりわけ時代が現代に近づいてくると、いろいろとケチをつけたくなる人も増えてくると語っていた。
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なぜヨーロッパ人が南北アメリカ大陸やアフリカ大陸を征服することになり、
南北アメリカ人がヨーロッパを征服することにならなかったのか。
その究極の要因はなんなのか。
人種間の優劣などではない、もっと正当な理由は。
タイトルの銃・病原菌・鉄を表面的な手掛かりに、それを持つに至った、
まさに究極の条件を進化生物学、生理学、遺伝子学、生物地理学、言語学など、
あらゆる側面から考察していく。
目次
プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
第1部 勝者と敗者をめぐる謎
第1章 一万三〇〇〇年前のスタートライン
第2章 平和の民と戦う民との分かれ道
第3章 スペイン人とインカ帝国の激突
第2部 食料生産にまつわる謎
第4章 食料生産と征服戦争
第5章 持てるものと持たざるものの歴史
第6章農耕を始めた人と始めなかった人
第7章 毒のないアーモンドのつくり方
第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
第9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
第10章 大地の広がる方向と住民の運命
第3部 銃・病原菌・鉄の謎
第11章 家畜がくれた死の贈り物