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主語と述語の間隔が開きすぎていて、何度も読まなければ進めない部分が多かった。(単に翻訳の技術的問題だと思う)
もう一度、再読したいとは思うが、ナショジオの同名のDVDを見てからのほうがいいのではないかと思った。
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「東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」の第一位。
「この本がスゴい2008」の第一位。
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1万3千年にわたる人類史の謎を解こうとした意欲作。欧州がアフリカやアメリカを植民地化したのは、人種の能力の差があったわけではなく大陸間の地形、自然環境による必然で優位性があったのではないということであるが、それを理屈づけるために、膨大な証拠集めをしている。
タイトルにもなっている「銃・病原菌・鉄」を先に所持、開発できたのが他地域への進出が可能になったという一般論を、なぜ先にもてたかを食料生産、大型家畜、文字の発達の過程までを掘り下げて論じている。
印象に残ったのは、インフルエンザ、天然痘などの免疫を持たないアメリカ先住民へ菌のついた毛布を送って、駆逐したというエピソードであり、人間の残虐性をのぞいてしまった気がする。
結論を述べるために、論理的な証拠を順序立てて説明した後、それぞれの枝葉を体系付けて再構築するスタイルは、研究者なら見習うべきところが多いだろう。大学教授が、大学生に読ませたい本の1位であるとのこと。
現在、読書中の「カラマーゾフの兄弟」の大審問官やこれから読むフロイトの「なぜ人は戦争をするのか」と同様、人間の理性、本能を考える上でのヒントがあると感じる。
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評判に違わぬ大作ではある。
人類学的見地からのみならず、様々な視点からの幅広い考察を平易な文脈で解説しているので、興味のある向きにとっては非常に読みやすいノンフィクションだろう(おそらくは和訳も素晴らしい)。
ところどころ細かい点について、「ん?」とやや首を傾げたくなる箇所もないではないが、なんとなく誰もが感覚的には理解しているような漠然とした定義を、具体的な言葉で以て分かりやすく著した力作である、と言えると思う。
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内容は文句なく興味深いが、アジェンダ→前振り→本論→念押しのような冗長な繰り返し表現が多いことは否めない。もう少し簡潔にまとめたほうが本質を理解しやすいと思う。翻訳もその辺を考慮してほしかった。
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人類の歴史を、広範囲にわたる学問分野によって説明している。歴史学の本のつもりで読み始めたが、実際は生物学を中心とした内容だった。スケールがでかくて圧倒される。
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ぜひ読みたいと思って手に入れたものの、この4年ほど積読状態…。
昨日、新聞で識者からこの10年のベスト1に選ばれてた。
早く読まねば…。自戒の念を込めて登録。(2010/4/5)
ようやく読み終わった。
歴史学・生物学・文化人類学などなど、多岐にわたる分野の学術知識を駆使して考察が繰り広げられているが、わかりやすい表現で丁寧に論理が展開されていくので、門外漢の私にも理解しやすかった。
でも、同じことが何度も繰り返し述べられているために「またこの話か」といった印象を持ってしまい、内容は興味深いのに、読んでいて退屈を感じてしまうこともしばしば。おかげで時間がかかってしまった…。(2010/5/17)
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ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰訳)
『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(上)を読む。
英語の原書を以前読みさしていたが、今回は邦訳で読んでみた。
原題は"Guns, Germs, and Steel—The Fates of Human Societies"。
人間社会(複数)の運命について書かれた本なのだ。
どうして文明Aが文明Bを滅亡させることができ、その逆がないのか。
一万三千年の人類史を俯瞰し、その謎に迫っていく。
歴史学、考古学、生物学など複数の学問の成果を駆使しながら、
こうした壮大なテーマに挑む学者の仕事は尊敬に値する。
学問の世界はともすると専門的になるばかりで、
統合的な視点が欠ける。
しかし、統合化と口で言うのはたやすいが、
天才と情熱が揃わなくては不可能な仕事である。
ジャレド・ダイアモンドの筆は
モーツァルトのように軽快である。
家畜を飼うことが可能になって文明は進化・強化する。
病原菌の免疫を持つ文明Aが、免疫を持たない文明Bを滅亡させる。
著者の論点が要所要所に簡潔にまとめてある。
おりしも、宮崎県の家畜に発生した口蹄疫で日本は騒然としている。
まさに現代的テーマである。
朝日新聞社が企画した00年代ベスト50の第一位に選ばれた。
1998年一般ノンフィクション部門でピュリッツァー賞受賞。
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人類の文明のなりたちを論理的に解き明かす。歴史学・生物学・考古学・地質学といったあらゆる分野の学術的な際限を乗り越えた論文。
たしかにすごい。なぜ狩猟採集だったのか、なぜ農耕なのかそれは文明の高低を示すものではない。文明が発展していないことそのものが必然性のあることであった。西洋の優位性で語られる歴史観を一気に覆す(というか公正な見方をする)ための懇切丁寧なまでの根拠と説明が繰り返される。日本で最古の土器が発掘されていること。ピサロのインカ侵略のプロセス。狩猟から農耕への切り替えは動物の減少と突然変異による偶然の最適植物の発芽が印象に残る。そして免疫をもたない地域に猛威をふるう病原菌が下巻のスタートとなる。
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●100704
今、話題の書。
本屋を覗けば、「知的興奮が得られます!」というコメントともに本書が平積みになっている。
何でも本書が「2000年~2010年でもっとも素晴らしい本」ランキングで1位に選ばれたらしい。
このランキングの結果およびそれに対するコメントについて、僕は「大賛成」です。
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現代の地域間策差の原因を食料生産の開始時期の差に求め、そもそも何故食糧生産の開始時期に地域差が生じたかまで遡って解き明かしていきます。
予想していたより読みやすく、特に病原菌について触れた後半からスピードが上がりました。
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人類はアフリカ大陸から始まったのに、昔習った四大文明発祥の地はアフリカ大陸にはない。何故南北アメリカ大陸はヨーロッパ大陸人に植民地化されたのか?
銃・病原菌・鉄に依って征服して行ったのではあるがそれはどうして可能だったのか?
大陸ごとに食料にできる植生が違っていたこと、家畜化出来る野生ほ乳類の数の差であると検証して行く。
日本は中国からの影響を受けられる距離にある島国という独自の人類史がある希有な国。
20世紀になるまで国家を持たなかったニューギニアの謎、それは人種の違いではないと解き明かして行く。
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現代社会は不均衡に満ちている。西洋文明は地球上を席捲し、富めるものと貧しきものの格差は大きい。このような不均衡を生み出した要因は何か。西洋文明を生み出した人々が優秀だったからなのか。あるニューギニア人は著者に尋ねた。「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか。」 この問いに答えるため、人類が辿った歴史を改めて検証する。
プロローグにある、「歴史は、異なる人びとによって異なる経緯をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない」、が著者自身による本書の要約。これを説得力のある結論とするために、様々な角度から歴史を分析し、最新の発掘調査や年代測定などの結果もふんだんに盛り込んで、論証を積み上げてゆく。
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朝日新聞「ゼロ年代の50冊」(2000年から10年間にでた本を、識者によるアンケートで50冊選定)の第一位。ピュリツァー賞受賞作。
現在の「格差」がどうして生まれたのか?という謎に迫る。
上巻で、タイトルの「銃・病原菌・鉄」が格差を招いた、という説明完了。