紙の本
村上春樹を思わせる作風
2000/11/13 22:11
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村上春樹風の筆致で書かれた宮部みゆきの某作、といったような印象。前作の短編集『MISSING』でもいくらかそういう雰囲気があったけれど、この作品では文体・世界観ともさらにまた村上春樹色が濃くなっている。数奇な星のもとに生まれた主人公(当然ながら一人称は「僕」だ)が出会う現代的な日常たち、枠組みのなかで、春樹風の「デタッチメント/コミットメント」の問題を扱ってみたようなかんじ。主人公がガールフレンドからあびせられるきつい言葉は、『ノルウェイの森』のある場面を思い出させた。
どうもこの人は基本的に短編作家的な着想をしている作家のようで、この作品は長編ながらそれぞれの逸話をつなぎ合わせた連作短編みたいな構成になっている(それが悪いというわけではない)。ひとつひとつの話はいわば典型的なもので、良くも悪くも「現代的」な人間像や悩みのカタログ集といったかんじ。たとえば宮台真司の人生相談室なんかを思いおこさせるような。誠実な態度で書かれているし決して悪くはないけれど、ちょっと型にはまりすぎたかんじもある。どちらかといえば前作『MISSING』のほうが、ジャンルにとらわれない自在さで期待を感じさせてくれました。主人公の特殊な設定に関しても、こういう話をあえて使わないでもじゅうぶん書ける人なんじゃないかな。
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さらさらとした読み心地。テーマは恩田陸の小説にありそうな感じなのだけど、なんか不思議な感じ。
形容しづらいなあ。(2002.9.26)
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MISSINGを読み、同じようなジャンルだと思い、読んでみましたが、ミステリー50%とファンタジー50%って感じした。ちょっと変わった超能力?(霊視力?)を持った青年を主人公にしていて、「親子のきずなって?」とか「生と死?(←この側面は弱いかな??)」がテーマなのかなぁと思いましたが、あまりミステリー系を読みなれていない僕には消化不良気味でした。後日がむばって読んでみます。( 04/06/06 )
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2003/6/2〜読みはじめました。
これもマネ子に借りた本。
さて、どうだろう・・・・
〜2003/6/15 読み終わりました。
ハッキリイって、途中は面白くなってきたけれど、最後はなんだかなぁ〜ってカンジ。
暗いね・・・暗い。
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柳瀬は自分の持つ力を使い、様々な人の本当の気持ちを引き出しました。表に出している感情とは別の、裏の本当の気持ち。自分でも分かっているけど、隠して常にいいように解釈して生きている私たち。それが本当にいい事なのかを考えさせられました。
その中で一番印象に残ったのが通り魔をしてしまった良二くん。犯罪に足を踏み入れてしまう子供はこんな気持ちなのかもしれませんね。大人たちは理解してあげる事が必要だと思いました。
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二つの波長が共鳴するときに生まれる静かな組曲。ミステリーっぽい恋愛小説(?)ちょっと不思議な感じの読みごごち。
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最新作「真夜中の五分前」では、もう春樹ぶし全開。春樹自身が既に昔のスタイルでは書かなくなってしまった今、僕にとってはこの人が一番待ち遠しいかも?
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なんかな〜初期の村上春樹の作品を読んでるような感じ。そんな面白いとは思えないけど、不思議と吸い込まれる魅力があります。要は面白いから吸い込まれるんだよね〜
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本多孝好の二冊目にして初の長編。主人公は人の心と波長を合わせるという能力を持っていて、そのゆえの悩みをもつ。自分の能力を「呪い」と呼ぶ反面、その力が時に人を救う。けれどその「救い」すら、呪いととれるかもしれない。相変わらずの綺麗な文体に、強烈な毒をはらんでいるこの作品。私は一度読み終えてから、無意識のうちにこの作品を「もう読まない」と決めてしまったくらいである。ミステリー的な味を持ちながらも、この作品は一線を画している。
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相変わらずで文章というか言葉がきれい。読みやすく、そこがここちよいです。
話自体はそんなにたいしたことになるわけではないんだけど、またしばらくしたらもう一度読みたくなるような本でした。
村上春樹の文に似てるといろんなレビューで書かれていたので好きな人は読んでみたら?
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「ある女性を守って欲しいのです」三年前に医大を辞めた「僕」に、脳神経学の教授が切り出した、突然の頼み。「女性といってもその子はまだ十四歳…。私が殺した女性の娘さんです」二つの波長が共鳴するときに生まれる、その静かな物語。『MISSING』に続く、瑞々しい感性に溢れた著者初の長編小説。
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主人公の能力については、とても惹きこまれた。正体の分からない誰かと戦う所も読んでてグッときた。でもあの女の子をどうしたかったのか、よく分からなかった。
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内容(「BOOK」データベースより)
二つの波長が共鳴するときに生まれる静かな組曲。衝撃のデビュー作から一年。『MISSING』に続く、瑞々しい感性に溢れた初の長編。
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僕たちは一人だけど、きっと繋がっていける。
人の心に波長を合わせることができる能力を持った主人公。それが故に苦しめられたり…とても純粋というか、そんな本でした、たしかw
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主人公、柳瀬は教授から殺してしまった女性の娘である中学生の一人の女の子を守って欲しいと頼まれる。柳瀬は不登校の子供を集めた塾ですら適応できなかった子供たちが集まる学院でバイトをしている。また、妻を殺し自殺した父と同じ能力をもっていた。「世界から僕と男だけが遮断された。」波長を相手と合わせることで話を聞きだし、相手を救う。その反面、呪いでもある。
ちょっと暗かったけれど、相手の本当の思いを聞き出している会話の部分は納得させられるし、引き込まれました。へそ占いの人が印象的です。修行頑張ってください。