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食道がん。随筆家として俳人として闘病の様子を強い意志を持って書き続けたもの。病院で交わされる言葉の問題、不安の中にある患者が医療従事者の言葉にいかに影響を受けるものかが伝わってきます。一ヶ月の医療費請求が百万円を超えている明細が綴られているのをみると経済的な問題という視点も考えさせられます。食事が出来ない中で食べ物を扱ったテレビ番組ばかりみてしまうというのは意外な気がしました。
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すごい本読んじゃったよ、と読み終わってから思った。
辞世の句と、最期の筆談でぞわぞわする。
20111004、購入。うれしい。
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壮絶な、そしてある意味凄惨な闘病記。著者特有の表現力と鋭い観察力、日記に挟まれるかたちで記される多くの「十七文字」のちからにより、最後まで読むことができた。
外科手術とその後遺症、とくに再発とその苦痛に関する記述には、あえて再度記すが「壮絶かつ凄惨」と記すほかない印象をもった。そういえば、現在もがん治療においてそれなりに支持されているらしい近藤某氏が目立ってきたのは、江國氏が闘病されていた時期に重なっていたのではないか。わたし自身は近藤氏の「理論」には批判・否定的な考えを抱くが、彼の「理論」が一定の支持を集めた時代背景の一端は、この著作から読み取ることができるようにも思った。
おそらく現在のがん治療は別次元に進化しているのだろう。しかし現在でも、あるいは現在だからこそ、読む意義のある闘病記だと思う。