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自分の為に世界が存在しないという当たり前のことでわかってたつもりなのに、この本を読むまでちゃんと納得してなかったことに気づきました。人生を変えてくれそうな一冊。何度でも読み返したいです。
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中央公論新人賞と芥川賞受賞作品である、スティル・ライフとヤー・チャイカの2作が収められている。
「スティル・ライフ」を読み終わると、人生とはもっと深く生きることが出来るのではないか、と思ってしまう。「佐々井」という男の生き方は、物が少ないという点で、ちょっと羨ましい。が、どこまでそのストイックなまでに削っていけるかは判らない。
「ヤー・チャイカ」で語られている「望郷の念と愛国心の違い」(P.164)については鋭いところを突いているが、しかし、現実に自分が感じているのとは違う。(2005.12.10)
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空と海の境界線に沿っているような繊細で、澄んだ文章を書く方だな、と思いました。
冒頭の2行にドキッとして、読み終えたら自分と世界との呼応と調和をはかるために星を見上げてしまう。
澄んだ冬の夜に読みたくなる本。
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友達と話したり、日々の仕事をこなしたり
そんな毎日の中で気が付いたら
頭の中にある事も話す事も
「昨日さぁ、、」「この間ね、、」
と自分の体験談ばかり
そんな時、最初の6行だけでも
読んでみて欲しい。
人の顔色ばかり窺って
嫌われない為だけに腐心している
心を自由にしてくれる筈です。
佐々井氏の正体やいかに?
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ある作家が「1行目からビリビリきてる。熱がある。文字面、行間から放熱しているという感じが好き」と絶賛しているのを聞き、読んでみたくなった作品。主人公と不思議な青年・佐々井との友情?奇妙な関係?を描く。確かに。ビリビリくる。すごい。池澤氏の頭の中にあるすべてを注ぎ込んだかのように、宇宙に対して、世界に対して、自然に対して、捉え方がすごいのだ。自分が小さい頃に思っていたこれらに対する捉え方を懐かしく思い出しながら読んだ。読後は物語の展開よりも、その捉え方に圧倒されてしまい、続く短編「ヤー・チャイカ」は未読。いずれにしてもレビューには「スティル・ライフ」だけで。いや〜すごかったっすよ、垣根さん。http://www.webdokusho.com/rensai/sakka/michi42.html
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最近、新書ばかり読んでいたので、久しぶりに小説を読んでみました。これは、第98回芥川賞受賞作で、読書家見習いの僕としては、どうも、純文学の方が好きだということを自分で認知しましたので、安易ですが、芥川賞受賞作を手にとってみました。2時間ぐらいで読み上げる事ができました。純文学のよさって、僕みたいな初心者には、なんてったって、短いのがいい。それでいて、残り香のようにじんわりとした感動が読後にあるのが心地好いんです。
さて、この物語は、星のこと、宇宙のことなどをなんでもなく喋る佐々井という人物と、「僕」との物語です。
現実から10cm浮いたような2人のやりとり。アルバイトから株取引の話まで。そして、スライドのように頭に浮かぶ、映像。今の現実を少し冷めて見ている人には、波長ピッタリの一冊かもしれません。
ぼんやりと、静かに読みたい本です。
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すごく透明な印象で、読んでいるとすーっと体の中にしみこんでくるような小説。物語、というよりはお話しと言ったほうが似合うような気がする。
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この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。
感想:http://tomtomcom.blog73.fc2.com/blog-entry-443.html
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河出書房新社から出てる(まだ1巻だけだけど)新しい世界文学全集がすんげーーーほしくて、でも全24巻で6万か・・・wく〜、と、いうわけで、その全集を個人編集されてるという池澤夏樹さんの芥川賞受賞作品を読んでみた。最初は「何か文章が理系っw無理ww」とか思ったけど、慣れると大丈夫だったしけっこうよかった。今度は『池澤夏樹の旅地図』がほしいなー!というわけで、ますます世界文学全集がほしくなって、まずいべ、な今日この頃(笑)
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スティルライフ冒頭の世界観には自分もそうなれたらという憧れとともに入り込んでしまうのだけど、それだけでなく、ヤー・チャイカ末の世界観の切なさには、自分を投影しながら胸を押さえてしまう。
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これもまた過去に大学入試センター試験に出題されたことがあります。出題されたのは冒頭の部分だと今回わかりました。まさか、こんな展開になるとは驚きでした。筆者の理系の知識が遺憾無く発揮された力作。雪の記述は圧巻。後半に収録された『ヤー・チャイカ』はもう一度読み返さないと理解できなさそうです。
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友人に勧められていて気になっていた小説。世界というものへの認識が心地よく広がっていく。清明な文体が美しい。この運びは村上春樹に似てるかな。芥川賞受賞作のニューノベルというのも頷ける。しかしもう20年前なんだね。遅れている私。芥川賞受賞第一作の「ヤー・チャイカ」。自分がオトナになっていく、違う世界に足を踏み入れていく自分の認識、恐竜に乗って去っていく自分を見る姿の描写に清々しい想いを感じた。
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子供の頃、科学の本をひっくり返しながら考えていた。
宇宙のこと。地球のこと。人間のなりたち。
自分の外にどこまでも広がる外の世界と、
自分自身の内にもある広大な薄明の世界。
大事なのは、その二つの世界の間に連絡をつけ、
呼応と調和をはかること。
当時の僕はそんなだいそれたことを考えていたわけではないが、
星を見て、せせらぎの中に身を浸し、セミ時雨を浴びながら自然と
心身のバランスを保っていたのだろう。
この作品は、優しく、そっと、しかし凛とした力強さで
大事なことを教えてくれる。
当たり前のように子供の頃持っていた瑞々しい感覚が、
大人になり、いつの間にかに失われていってしまっていることを。
そして、それを取り戻す方法を。
たまには星でも見ようかな。
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「いま、私は現代の日本がこのように明晰で心優しい作家をもっていることを、ほこらしく思う」(須賀敦子) 作品のなかに詩を感じることのできるめずらしい小説。
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宇宙とわたしたちのつながりについて考えずにはいられない作品。
といっても宇宙が直接のテーマではないけれど。
理系のひとの書く小説は独特の面白さがあります。