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天才レオナルド・ダ・ヴィンチと少年ジャコモ みんなのレビュー
- グイド・ヴィスコンティ (文), ビンバ・ランドマン (絵), せきぐち ともこ (訳), 石鍋 真澄 (訳)
- 税込価格:1,980円(18pt)
- 出版社:西村書店
- 発行年月:2000.11
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絵本
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紙の本
手にふれる水は、最初の水でもあり最後の水でもある、人生と時間について考えさせられるレオナルドの言葉
2001/01/19 15:15
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投稿者:牛尾篤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レオナルドが、血のつながりのないジャコモという少年を、養子にしてかわいがっていたことはよく知られている。レオナルドの日記によると、ジャコモは無芸大食、盗みぐせもあるとんでもない悪ガキである。しかし、出来の悪い子ほどかわいいのか、レオナルドは日記の中に、ジャコモの日々の行いを事細かに残している。
この絵本は、そのジャコモの目から見た、十六世紀のマルチ天才、レオナルドの姿が描かれている。ビンバ・ランドマンのプリミティヴで大胆な筆づかいが、ルネサンスに生きるふたりの日々を、幻想的な世界の中に表現している。
ジャコモは、落ちつきがなく、レオナルドが天才だという人々の、賞賛の言葉もよく理解出来ない。しかし彼は、レオナルドの描く絵は大好きだった。そして彼の頭で理解出来ない事は、全てレオナルドに質問していく。
どうしてモナリザの身につけている美しい宝石を描かないのか? どうして見たこともないものを描けるのか。
レオナルドは、宝石よりも美しい顔の方が人をひきつけること、そして、暑い時にすずしい場所、寒い時にあたたかい場所、気味の悪いものでも、おかしなものでも描きだせる画家は、神様の様な存在だと答える。
なんともストレートなレオナルドの自信、キリストが生きていた時代を、まるで見てきたかのように、描き出す画家は時代のヒーローだったのだ。
ヒーローとはいえ、レオナルドも宮仕えの身分、戦争を憎みながら、雇い主ルドイゴ公のために武器の設計までやらなくてはならない。ジャコモは自分に命の大切さを説くレオナルドの行動が不思議でならない。
ここまで読み進んで、レナート・カステラーニ監督のレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯という映画を思い出した。才能がありすぎるゆえに、あちこちに未完成品ばかり残したレオナルド。レオナルドの矛盾を一番よく理解していたのは、身近にいるジャコモだったのかもしれない。映画の中でレオナルドが、川のほとりで流れの中に何回も手をつけるシーンがある。
それと同じように、この絵本の最後に、レオナルドが語る言葉、
「手にふれる水は、流れていく最後の水でもあるし、流れていく最初の水でもある」
人間の一生、過去から未来へと続く時間の流れ。この絵本は子供より、むしろ大人に読んでもらいたいと思う。 (bk1ブックナビゲーター:牛尾篤/イラストレーター 2001.01.21)
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