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[ 内容 ]
すぐれた作品はその滋味を読者にくみつくされることを望んでいる。
それをより深く楽しむ読書の一つの濃密なケースとして、サン=テグジュペリの有名な「童話」を読む。
そこに書かれていることを、何よりもまず読者のめいめいが自身の感性によって、文脈にそって総てにこだわりながら読みとり、その全体の構造が意味することを繰り返し問いつづけていくとき、「童話」としての既成のイメージを超えた、感動的な世界が見えてくる。
[ 目次 ]
プロローグ
『星の王子さま』に会う
『星の王子さま』を楽しむ
読み方くらべへの招待
エピローグ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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星の王子さまの世界
この星の王子さまについて諸説あることは知っていた。素直に読めば児童書であることは間違いなく、切ないお話で終わる。
ところが著者サン=テグジュペリの生きた背景と照らし合わすことで大人の、そして、これから生きていく子供たちへのメッセージが込められていると言うことである。
なるほどこんな読み方もあるものかと、読み進めていくうちに単なる読み物として好きだった「星の王子さま」が違った角度からも大きな興味がわいてくる。
更に後半には、本書著者の読書感とでも言うべき教えが説かれており、星の王子さまばかりでなく、どんな本を読むにも著者のように本と向き合うことで本から得られる知識や想像力は大きなものとなるよう感じた。
星の王子さまを読んだことのある方はもちろんのこと、星の王子さまを取り上げた別の解説書を既に読まれたという方も本書で違いを吟味してみるのも面白いと思う。
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サン=テグジュペリの『星の王子さま』に込められた意味の解釈を試みた本です。
著者は、『星の王子さま』は子どものための童話ではなく、サン=テグジュペリの向き合っていた現実への批判を試みた寓話として読み解こうとしています。また、友人のレオン・ウェルトや妻のコンスエロに対するサン=テグジュペリの思いがそこには込められていると主張しています。
物語の寓意をファシズムに対する批判と解釈する見方が示されており、確かにそうした解釈も可能だとは思いますが、『星の王子さま』の物語世界を狭くしてしまっているのではないかとも感じます。
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「フランスにいて飢えと寒さに苦しんでいる」献辞のレオン・ヴェルトは、ユダヤ人であった。「ゾウも呑み込む」Boaは「大切なものは目に見えない」だけの暗喩だろうか/6つの星めぐりのエピソードもそれぞれに意味がありそう/20億の人間がいるが「詰めあって立てば縦横20マイルの広場におさまる」チャップリン『独裁者』のスピーチにも似た論理/アントワーヌは「自由フランス」ともヴィシー政権とも立場を異にしていてアメリカに来て、ヨーロッパ戦線に飛行士として復帰しようとしていた。王子さまがバラに再会するため彼の星に帰るように
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小さいが凶暴なウワバミが大きい大人しい象を丸呑みにした絵。象は「なかでこなれていくんだよ」。飲み込まれることより、誰も知らないところでじわじわ餌食にされることの恐ろしさ。