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先日観たBBCドラマ「SPACE RACE 宇宙へ〜冷戦と二人の天才」の原作といった趣きでとてもおもしろい。コロリョフに惚れるね。
ドラマでは描かれなかった、アポロ計画後のフォン・ブラウンの苦悩に涙。最後にも。
そしてプロローグを読み返し、あいまみえることのなかった二人の天才が、わずかのタイミングですれ違っていたという運命のいたずらに感心、またふたりの元で働いた人物がいたことにも改めて驚いた。
amazonのレビューで誰かが書いてたが、これだけいろんなエピソードがあると新書一冊では足りず、たしかにそれぞれのエピソードがあっさりし過ぎの感は否めない。もっといろんなドラマがあったはずでもっと読みたい!
とにかくおもしろかった。こんなにも壮大でドラマチックな話しがはあるだろうか。手塚治虫か浦沢直樹がマンガ化すれば、もっと世の人々が知るところとなるのになあ。
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第二次世界大戦後に宇宙開発でしのぎを削ったアメリカとソ連で、それぞれ開発を主導したフォン.ブラウンと、コロリョフの生涯をたどるノンフィクション。
米ソ両国のロケット技術のルーツがどちらもドイツが主導していたロケット技術にあり、米ソ両国がドイツの技術を取り込もうと必死であったことが描かれています。
ドイツで研究を続けていたフォン・ブラウンはアメリカに投降することを決心しますが、ほんの数日違いのタイミングで研究拠点がソ連の手に落ちていたことが本書で紹介されています。もしもフォン・ブラウンがソ連に身柄を拘束されていたら、月に人類を送り込んだのはソ連になっていたかもしれません。
冷戦の期間中は米ソともに国を挙げて研究に邁進していたかのような印象を持っていました。しかしアメリカでは陸海空の三軍が開発の主導権争いを繰り広げ、ソ連では共産党幹部が宇宙開発の軍事的意義を理解せず、研究を継続するために常に政治的な活動を強いられるなど、必ずしも効率的な研究環境とは言い難いなかで開発が進められたことが描かれています。
アポロ計画を取り上げた本は数多く出版されています。一方、戦後まもなくからの宇宙開発の歴史を特にソ連とアメリカの状況を対比しながら紹介する本書はまた違った視点を提供してくれる1冊でした。
技術的な記述よりも開発の背景など政治的、社会的な描写に力点がおかれていて、技術的な知識がなくても読み通せます。
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2022年4月から放映が開始されたNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」の第5回は「宇宙への挑戦 夢と悪夢 天才たちの頭脳戦」と題して,アメリカのフォン・ブラウンとソ連のコロリョフの宇宙開発競争を描いた.
思い起こしてみると,自分が小学校に入学した昭和50年には,スターウォーズはまだ公開されておらず(宇宙戦艦ヤマトは放映されていたが,それはご承知のようにアニメであった),当時の少年は,子供向け百科事典や学研の書籍を通じて宇宙と出会った.
冷戦を理解していない少年は,月に最初に到達したのはアメリカのアポロ11号とサターンV型ロケットであったことは知っていたが,人工衛星の打ち上げ,動物の宇宙到達(ライカ犬),有人飛行,宇宙遊泳がいずれもソ連によって初めて達せられたことを知り「ソ連って,アメリカよりすごいんじゃないの?」と考えていた.
アメリカチームを率いていたのがフォン・ブラウンであることは知っていたが,ソ連側を率いていたのが誰かは知らなかった.それがコロリョフであったことを知ったのが,映像の世紀であった.
フォン・ブラウンもコロリョフも政治に翻弄される.しかし彼らの「天才」と不屈の努力によって,次々と目覚ましい成果を達成してゆく.特にコロリョフは機密保持の観点から生前は表舞台に登ること,公に賞賛を受けることは一切許されず,60歳で突然死去したのちに,初めて「プラウダ」紙で報じられ,その存在が世に知らせることとなった.赤の広場で荘重な葬儀が営まれ(ブレジネフがコロリョフの棺を担ぐ写真が残されている),彼の栄誉はようやく賞賛されることとなった.
ソ連がすごい,と思っていた自分は,まんまとソ連共産党指導部の思惑に乗ってしまったのだが,政治利用はアメリカ側も同じで,ケネディが月に人類を送り込むことを発表し,再選を狙うジョンソンがアポロ計画を推し進めたのだ.
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的川泰宣「月をめざした二人の科学者」読了。アポロ月面着陸の技術確立の背景にあった米ソの宇宙開発競争。その両陣営の中心人物であったフォン・ブラウンとコロリョフが、国家の威信をかけた壮絶な開発争いの中で、子供の頃からの宇宙への夢を原動力に邁進する姿に大きな感銘を受けた。良書。
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アメリカのフォン・ブラウンとソ連のコリョロフという2人の宇宙技術者の人生を軸に、アポロ計画までの米ソ宇宙開発競争を描いている。
科学技術史、米ソ対立、夢を追いかけた2人の物語と、多様な読み方ができて面白かった。