- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |
紙の本
文学者がミステリに挑戦した作品集
2002/05/09 13:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
純文学作家・福永武彦が正体を隠し、加田伶太郎の名で書いた短編ミステリ全てのほか、以前にまとめられた際の序文や解説文も収録されています。
この序文や解説がとてもおもしろい。中には、福永武彦が加田伶太郎の本のために書いた文、ようは一人二役、自分で自分の本のために書いた序文などもあって、このへんの遊び心にうれしくなると同時に、作者のミステリに対する思いや好みなどもわかって、とても興味深い。
作品のほうは、その序文にあるようにガチガチの本格「推理」小説、人間が描かれていないなどの悪い意味で使われる場合の「パズラー」に分類されるものですが、どれも謎・調査と推理・解決とビシッと決まっていて、読んでいて気持ちよい。
文学者が遊びの心を持ちながらミステリに挑戦した作品集といえます。決して文学者が片手間に書いたミステリなどではありません。
紙の本
優等生の答案
2001/05/25 01:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:政宗九 - この投稿者のレビュー一覧を見る
純文学作家・福永武彦が“余技”として書いたミステリとSFを全て収録した決定版である。前々から読みたかったのだが、「純文学作家」ということが障壁となって読むのをためらっていた。今回読んでみて、予想以上にすんなり読み進められることに驚かされた。ミステリに造詣が深かったのが幸いしたのだろう。さて作品だが、それまでのミステリのパターンを踏襲した作品が多いように見受けられる。しかしそんな中にも独創性を取り入れようとしている跡が感じられて楽しい。「幽霊事件」の謎の面白さ、「温室事件」の密室トリックなどがその白眉である。色々なタイプの作品に挑もうとしているところもあり、「眠りの誘惑」「赤い靴」などは構成の巧みさが光っている。謎解きそのものは全体的に「可もなく不可もなく」といった感じで、「優等生が書いた答案」みたいな印象があるのが欠点ではなかろうか。後半のリドルストーリー「女か西瓜か」、クリスマスに強盗をはたらいた男がサンタの格好で逃げたために起こった珍事件「サンタクロースの贈物」は単純に楽しめる。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |